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中国とISILの微妙な関係

恐怖の反テロリズム法案、真の対象は誰?

2015年3月18日(水)

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 3月15日に全国人民代表大会(全人代=国会のようなもの)が閉幕した。目下の中国が直面するいろいろな問題がそれなりにあぶり出されていたと思うが、とりわけ気になったのが、やはり反テロリズム法(反恐怖主義法)の中身だろう。

 このターゲットになっているのは、中国国内の分裂主義、独立派と呼ばれる人たちであり、とくにウイグル族が目の敵にされているのはご存知のとおりである。ISIL(イスラム国)の暴虐が世界各地で怒りを招く中、中国はISILとトルキスタン独立派が結託しているような印象を国際社会に発信しており、国内のウイグル族弾圧の正当化を図りたいようでもある。

 だが、実のところ中国が本気でISILを脅威と感じているのなら、米国はじめ国際社会と足並みをそろえるのが普通だろう。目下の中国のISILに対する態度はかなりあいまいである。一方で、国内に向けた反テロリズム法は、国際社会の常識とかなりかけ離れたものとなっている。

 反テロリズム法の目的と中国のISILに対する距離感について、少し考えたい。

新疆のテロ事件、不透明感が漂う

 全人代での新疆代表団の記者開放日の10日、新疆ウイグル自治区党委書記の張春賢が「新疆の過激分子の中にIS(IL、イスラム国)に参加した後、自治区内に戻ってきた者がいる。最近の新疆のテロ事件には確かにイスラム国での戦闘経験者がいる」と発言した。「新疆にIS参加経験があるテロリストはいるのか」という質問が出て、それに対しての答えだった。

 これは海外メディアにとっても十分注目するに値するニュースとして大きく報道された。そういう噂は以前から流れていたが、新疆ウイグル自治区トップが、それを事実として確認したわけだからだ。いったい何人くらいのIS戦闘経験者がいるのか、そのあたりは明らかにされず、インドの一部メディアは「これが事実かどうか裏はとれない」と慎重な姿勢もあわせて報道をしている。

 確かに、ISIL帰りのテロリストを捕まえたというのなら、どの事件でいつ捕まえたのか、その名前を公開すべきだろう。だが、2月に新疆地域で相次いだ暴力事件、例えばホータンでの警官8人への襲撃事件、カシュガルのウイグル族父子による警察への襲撃事件、アクスでの警察の家宅捜索を発端に発生した衝突により18人の警察及び市民が死亡した事件などは、香港メディア、海外メディアが報じたものの、公式には発表されていない。捜査上、公開できない情報が多い、とのことだが、新疆における「テロ事件」のほとんどは、事件の概要や経過、容疑者の背景などの情報は発表されておらず不透明感が漂い、これ海外メディアの中国当局に対する不信感の原因となっている。

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「中国とISILの微妙な関係」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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