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韓国大手企業、新規雇用減、最低賃金値上げなし

2015年3月25日(水)

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 3月19日、韓国メディアは一斉に「円安で回復した日本の大手企業が大幅なベースアップを行った」と報道した。韓国でも、最低賃金を巡る議論がちょうど盛り上がっているので、日本のベースアップは多くの関心を集めた。韓国政府は景気を回復させるためには民間消費を増やす必要があるとして、大手企業に対して「法人税を安くした分、最低賃金と給料を値上げしてほしい」と要求した。だが、韓国の大手企業の代表らは政府の要求を断った。

 韓国の雇用労働部(部は省)は毎年3月から6月の間に翌年度の最低賃金を決め、8月に公表する。雇用労働部を中心に労働者、企業、有職者から構成される最低賃金委員会が、最低生活費や平均賃金などを調べて話し合いをし、最低賃金案をまとめて雇用労働部長官に提出する。雇用労働部長官が最終的に検討して発表する段取りになっている。

 韓国政府が最低賃金制度を導入したのは1988年のこと。当時は従業員10人以上の製造業だけに最低賃金制度が適用された。2000年からは従業員を雇う全ての事業主が最低賃金を守らなければならないようになった。ただし、親族だけで経営するお店は例外だ。

アルバイトだけでは生活できない

 2014年3月現在の最低賃金は1時間5580ウォン(約610円)である。大手企業の給料は、日本より韓国の方が高いかもしれない。しかし非正規職になると1時間約610円の最低賃金しかもらえないことが多い。所得の格差は非常に大きい。

 韓国内では「5580ウォンでは食堂で食事もできない」「最低賃金を値上げすべき」という声が大きくなっている。4年制大学を卒業しても正社員になれず、非正規職を転々とする若者が増えている中、最低賃金は若者の生計を左右する重要な問題になった。

 日本も最低賃金制度があり厚生労働省が地域ごとの金額を公表している。東京の場合は2014年10月以降、888円である。日本の求人雑誌やコンビニ求人の張り紙を見ると、ほとんどが最低賃金以上の金額を提示している。最低賃金しかもらえない韓国とは差がある。日本のフリーターはアルバイトだけで生活できるというが、韓国では夢のような話である。

 ソウル市傘下の区役所や公的団体の場合、2015年から「生活賃金」を適用している。生活賃金は、生活するために必要な最低限の費用を支給する制度。金額はソウル市の物価や平均家計所得や支出を考慮して算出する。ソウル市が先導的に導入したモデルである。ソウル市の生活賃金は1時間6687ウォン(約730円)。最低賃金より時給が約120円多い。しかし生活賃金を導入したのはソウル市傘下の公共機関だけで民間企業に広がってはいない。

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「韓国大手企業、新規雇用減、最低賃金値上げなし」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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