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中国主導のアジアインフラ投資銀行の行方

米国とも中国とも対等であるための方策を

2015年4月1日(水)

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 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にしてもシルクロード基金にしても、すでに中国経済の専門家を含むエコノミストの方々が、その本質をいろいろと議論されている。だがAIIBについては日本が参加しないことを、さも判断ミスであるように批判する報道も多かった。確かに、日本企業がアジアインフラ建設におけるチャンスを逃すことになるのでは、という懸念もあるのだろうが、こればかりは、博打と同じで、大儲けになるか大損をこくかは、賽の目を見なければ分かるまい。

 私は胴元が胴元なので、日本は慎重姿勢を維持してよかったのだと思っている。GDPやPPP(購買力平価)に応じた出資を求められるとしたら百数十億ドルくらいは拠出せねばならないわけだから、ちょっと運だめし、という気軽な気持ちの参加ではすまない。そもそも中国は日本が主導するアジア開発銀行(ADB)の最大融資先で今なお最大の融資残高を保有しているのだから、AIIBに参加せずともADBを通じて協力体制を築こうと思えば築ける。それよりもAIIBやシルクロード基金や、その先にある「一帯一路」政策が狙う地政学的意味をもう一度整理しておいた方がいいだろう。

バーバリアンハンドラーが英国の参加をつかむ

 今さら感はあるのだが、AIIBとシルクロード基金の概略について紹介しておく。

 AIIBは2013年10月2日のAPECの席上で、習近平国家主席が提唱。同月24日に中国、インド、シンガポールなど21カ国によって設立が決定された。これは本部が北京に置かれ、初代総裁も中国人で、中国が主導権を握る中国のための投資銀行で、米国が主導する世界銀行や日本が主導的役割を果たすADBに対抗し、既存の国際金融秩序に挑戦する試みだとされた。

 だが、この設立準備の臨時事務局長に選ばれた金立群は、元財政部次官、世界銀行副執行理事、元ADB副総裁、中国国際金融公司(CICC)などを歴任した中国一、二の金融エリートで、しかも柔和で洗練された容姿とは裏腹に、「バーバリアンハンドラー」の異名もある交渉上手。2015年3月12日には、国際金融センター・英国に米国の反対を押し切って参加を決めさせ、これを皮切りにフランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、トルコ、韓国、ブラジル、ロシア、オランダ、グルジア、デンマーク、オーストラリアなどが参加を表明、参加国は40カ国を超えるに至った。

 もちろん、日米にも参加が呼びかけられているが、この原稿執筆時点では、日本は参加に慎重な態度を崩していない。計画では中国の出資が500億ドル、他はGDPかPPPに応じた出資比率で資金を拠出し、およそ1000億ドル規模の法定資本金で2015年末から運用が開始される。本部は北京に設置され、初代総裁は金立群が就任する予定。本部に常駐理事は置かず、総裁と本部が融資先などの最終決定を任されるらしい。

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「中国主導のアジアインフラ投資銀行の行方」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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