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不正請託禁止法なのに「公正でない」との疑惑?

2015年4月8日(水)

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 韓国で、3月27日に公布された「不正腐敗防止法」――正式名称は「不正請託及び金品など收受の禁止に関する法律」、――が話題になっている。

 不正を防止し、公正で透明な社会を作ることを狙った法律だ。公職者が公正に職務を遂行することを保障し、公共機関に対する国民の信頼を確保することが目的である。公職者には、国会・裁判所・政府機関の公務員と公共機関・公共団体の職員、学校教職員、記者が含まれる。

 政府機関の一つである国民権益委員会が欧米の制度を参考にして法案を作成し、3月3日に国会が可決した。2016年9月28日から施行される。

 不正腐敗防止法は公職者に以下のことを求めている。

「一切の接待や経済的利益(金品)を受け取ってはならない。見返りを望んで接待や金品を提供してもならない」
「公職者は特定の人の利益のために自分の地位を利用してはならない」
「自分の職務内容に関連する講演を外部で行って、謝礼を受け取ってはならない」
「公職者とその配偶者は1回100万ウォン(約11万円)、年間300万ウォン(約33万円)以上の金品や接待を受けた場合は3年以下の懲役または3000万ウォン(約330万円)以下の罰金刑に処す。見返りの有無は問わない。金額が100万ウォン未満の場合も請託の対価であれば受け取った金額の2~5倍の過怠料を賦課する」
「政府は公職者が公正で清廉に職務を遂行できる勤務環境を作る努力する」

 韓国では公務員や公共機関の職員になる際に「国と国民のために尽くし、不正腐敗に手を染めることのない清廉潔白な公職者になる」と宣言する。賄賂を受け取れば処罰される。しかし、彼らが金品を受け取っても、それが何の「見返り」なのか証明できないために処罰できないケースが数多くあった。賄賂ではなく純粋なプレゼントと主張されれば処罰できなかったのだ。不正腐敗防止法が施行されれば、理由に関係なく金品の受け渡しや接待は処罰の対象になる。

 学校の教職員と記者も対象にしたのは、国公立学校の教職員と政府が出資したKBS(韓国放送)とEBS(教育放送)の記者を対象にしたところ、一部の教職員と記者だけが対象になるのは公平ではないという主張があったからだ。記者に対して自分に有利な記事を書いてもらうため接待をする人や、自分の子供をよろしくと教職員に金品を渡す人がいる。ある私立学校では、教師採用の見返りに理事が寄付金をもらったことが問題になっていた。

 韓国メディアは「(公職者と記者に対する)接待ゴルフはなくなるか」「(公職者や記者が金品を断る可能性があるため)お歳暮・お中元の市場は縮小するか」などと報じている。韓国でゴルフは数年前までお金持ちの特別な娯楽だったため、接待といえばゴルフだった。最近の若い記者は取材元と距離を置き、一切何も受け取らない。ゴルフもしないし、酒も飲まない人の方が多い。

立法した国会議員が自らを例外に

 韓国の国会によると、不正腐敗防止法の適用対象は約300万人になる見込み。不正請託は大きく15種類ある。

「法令に違反して税金や反則金などを減軽・免除するよう促す行為」
「昇進や異動など人事に介入する行為」
「入札・競売・試験などで職務上の秘密を漏らすよう促す行為」
「補助金・奨励金・交付金などを、法令に違反して特定団体や個人に支出するよう促す行為」
「公共機関が実施する各種評価・判定業務に関し法令に違反して操作する行為」

 どれも、公職者に頼んではいけないと常識で判断できることばかりだ。

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「不正請託禁止法なのに「公正でない」との疑惑?」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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