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セウォル号惨事から1年、被害者家族と政府の対立は続く

2015年4月15日(水)

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 2014年4月16日の朝、仁川港から済州島に向かっていた旅客船が海上で転覆した。乗っていた乗客は476人(推定、正確な乗船名簿がなかったため)。そのうち295人が亡くなり、9人が行方不明のままである。犠牲者304人のうち250人が修学旅行中だったダンウォン高校の生徒、11人が引率教師だった。

 韓国だけでなく世界中に衝撃を与えた大惨事から1年が経つ。朴槿恵大統領は対国民談話で「韓国を(国民の安全を大事にする国に)生まれ変わらせる」と約束した。大統領はこの発言をした後、政府の災害対応体制を再整備して国民安全処という政府省庁を新設した。全省庁が参加する災害対策の総合計画「安全革新マスタープラン」もまとめた。

 韓国メディアは「セウォル号大惨事から1年、韓国は安全になったのか」をテーマに特集を組んでいる。悲しいことに、どのメディアも「セウォル号大惨事のような事故が今日起きたとしても、また大勢の犠牲者を出すしかないだろう。韓国は何も変わっていない」と指摘している。

 セウォル号大惨事を巡って、韓国内には2つの意見がある。一方は「被害者家族は金銭的に十分な賠償をもらえるからもういいじゃないか。セウォル号の話はもう飽きた」というもの。もう一方は、「真相究明は十分でない。セウォル号惨事を忘れてはならない。なぜ事故が起きたのか、なぜ海洋警察は積極的に救助しなかったのかなど、疑問は残ったままである。真相を究明しない限り再発は防止できない」というものだ。

被害者家族の望みは真相究明

 被害者家族は政府に対しセウォル号大惨事の真相究明をいまだに求めている。被害者家族らは「政府は『4・16セウォル号惨事真相究明及び安全社会建設などのための特別法』を制定して事故の原因を調査すると約束した。だが、この特別法の施行令案を見ると、事故特別調査委員会のメンバーを海洋水産部(部は省)などの公務員で占めようとしている。調査を受けるべき海洋水産部の職員が調査員になって、客観的で公正な調査ができるか疑問である。施行令案を廃棄し、被害者家族が望む真相究明をしてほしい」と主張している。

 被害者家族と市民ら約8000人(韓国メディアの推算)は4月11日、午後5時頃から深夜にかけて、大統領官邸に向かってデモ行進を行った。

「事故の真相究明のためセウォル号の船体を引き揚げること」
「何よりも真相を究明してから再発防止対策を立てること」
「この国の責任者である朴槿恵大統領に話を聞いてほしい」

 この時、行進を止めようとした警察が被害者家族にカプサイシンスプレー(唐辛子成分のスプレーで目を開けられなくなる)を噴射し大混乱が生じた。

 4月2日には亡くなった高校生の母親など被害者家族52人が、真相究明の加速を求め頭を丸刈りにした。4月5日には被害者家族らが亡くなった子供の写真を胸に抱き、国会の周辺を歩いた。真相究明を求める被害者家族らの抗議活動は事故直後からずっと続いている。

 朴槿恵大統領は4月6日、「セウォル号船体引き揚げを積極的に検討せよ」と政府関係者に指示を出し、与野党もこれに賛同する姿勢を見せている。しかし国会の調査団が「引き揚げには1000億ウォン以上の費用がかかる。2年近い時間がかかる」と発表したことから、政府内では引き揚げ方法や費用の負担を巡り意見がまとまらないようだ。

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「セウォル号惨事から1年、被害者家族と政府の対立は続く」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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