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米国の投資移民枠、83%を中国人富豪が占拠

21万人超が288兆円を海外へ持ち出す現実

2015年4月24日(金)

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 米国国務省は4月13日、2015年9月30日を期限とする会計年度の投資移民枠を5月中に全て使い切る予定だと発表した。投資移民用の査証(ビザ)取得プログラムである「EB-5」の規定では、米国に移民を希望する外国人は米国に少なくとも50万米ドルを投資し、10人以上の米国人を雇用すれば、米国のグリーンカード(永住権)を取得することができることになっている<注1>。EB-5の毎年の枠は1万人であり、昨年(2014年)は8月に枠が満杯になったが、今年はそれがさらに早まって5月中に満杯になる見込みであるという。

<注1>具体的には、① 100万ドル以上の投資、2年以内に10人の雇用、②失業率が米国平均の150%を超える地域で50万ドル以上の投資、2年以内に10人の雇用、③移民局が指定した地域センター内にある新事業、のいずれかの条件を満たすことが必要。

未来に不安、10年で急増、“反腐敗”から逃亡

 移民局の職員によれば、投資移民枠を期限前に使い切る主たる理由は、米国への移民を希望する中国人の富裕層が激増していることにあり、とりわけカナダが昨年類似の移民プログラムを停止したことも大きな要因となっているという。統計数字を見ると、2014年に米国が発給したEB-5査証に占める中国籍の投資移民の比率は83%で、その人数は8308人であった。10年前にはこの比率はわずか13%であり、人数は16人に過ぎなかった。EB-5査証を取得した中国籍投資移民の数は過去10年間で約520倍に増大したことになる。ちなみに、オーストラリアにも類似の投資移民プログラムがあり、400万米ドルを投資すれば移民査証を取得できるが、その申請者の90%は中国人であるという。

 EB-5の規定では、投資者がグリーンカードを取得すると、その配偶者および21歳未満の未婚の子女にもグリーンカードが発給されることになっている。それ故に、EB-5は中国の富裕層にとって、中国国内に吹き荒れる“反腐敗(腐敗防止)”運動の嵐に巻き込まれて身柄の拘束や資産の没収を受ける前に、一家全員で米国へ移民するための最も簡単な方法であると言えるのである。

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「米国の投資移民枠、83%を中国人富豪が占拠」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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