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英国保守党の圧勝で、EU脱退が視野に

ヒトの移動の自由をめぐる価値観に関わる断層

2015年5月13日(水)

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 5月7日に行われた英国総選挙で、「どの政党も過半数を取れない」という報道機関や世論調査機関による事前予測を覆し、キャメロン首相が率いる保守党が大勝利を収めた。保守党は議席数を307から331に大幅に増やして、単独過半数を確保した。これに対し、野党は総崩れとなった。労働党は議席数を258から232に、自由民主党は57から8に減らした。

 筆者は、多くの有権者が保守政党に票を投じた理由の1つは、昨年以来、英国経済に回復の兆しが見えていることだと思う。実際、キャメロンは選挙戦の中で、「保守党は英国経済の体力を着実に強化しつつある」という点を強調していた。

 2014年の英国の実質GDP成長率は2.8%で、EU(欧州連合)平均(1.3%)やドイツの成長率(1.6%)を大幅に上回っている。

実質GDP成長率の推移
資料=欧州連合統計局

 就業者数も、前回の選挙が行われた2010年以来、毎年増加しており、2014年には前年比で2.3%増えた。これは、就業者の数が4年間で170万人増えたことを意味する。2014年の英国の就業者の増加率はEU全体の平均(0.8%)を大幅に上回っている。

 英国の失業率は、2010年以来10%を超えていたが、2014年には4年ぶりに10%台を割って8.4%になった。これは、EU全体の失業率(17.4%)の半分以下である。

失業率の推移
資料=欧州連合統計局

 GDPに対する累積公的債務残高の比率は2010年から2014年の間に増加しているものの、キャメロン政権は財政赤字比率(GDPに対する新規債務の比率)を2010年からの4年間で9.7%から5.7%へ4ポイント減らすことに成功した。

 ドイツでメルケル首相が圧倒的な人気を誇っている最大の理由は、ドイツ経済が好調で失業率が1990年以来最低の水準になっていることだ。キャメロンが圧勝した背景にも、有権者の似たような心理を感じる。英国市民は、労働党などのリベラル政党ではなく、保守党に経済の舵取りを任せておいた方が安全だと考えたのだろう。

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「英国保守党の圧勝で、EU脱退が視野に」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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