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米国を巻き込む習近平の権力闘争

政商もカネも極秘情報も握る米国、どう使う?

2015年5月13日(水)

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 少し前だが、中国メディアの財経が、闇の政商こと郭文貴を総力を挙げて批判し、郭文貴が香港メディアのインタビューに答えて反論するという、興味深い出来事があった。この背景には、今年に入って進めた国家安全部の「虎退治」、すなわち馬建副部長が汚職容疑で失脚させられた事件がある。

 習近平の反腐敗キャンペーンが実のところ、権力闘争であることはたびたびこのコラムでも指摘してきたが、国家安全部の情報収集能力が実は党中央の政敵にも向けられ、この馬建が、習近平を含む党中央指導者のスキャンダルを相当握っていたらしい。その情報が、たとえば香港メディアを含む海外メディアに流されて、権力闘争に利用されていたという構造があるらしい。らしい、らしいで申し訳ないが、これは香港のゴシップ誌にしか書けない「裏の取れない話」なのだ。複雑でややこしい話だが、中国の権力闘争の形を見極める上で、このゴシップ情報をちょっと分かりやすく整理してみよう。

馬建は指導者層を盗聴→政商に漏洩→逮捕

 1月初旬、国家安全部の副部長(次官)の馬建が重大な規律違反で身柄を拘束された。中国の報道によれば、彼は6つの別荘と6人の情婦と2人の私生児をもち、しかも諜報機関幹部の立場を利用して、指導者たちの会話を盗聴するなど非合法な活動もしていたとか。

 馬建はかつて安全部第十局(対外保防偵察、海外の中国人駐在員や留学生の監視)の任務なども負っていたが、2006年に副部長に昇進、当時は次期部長候補とも目されていた。その昇進を推したのが元国家副主席の曾慶紅という。この馬建は、先に失脚した元統一戦線部長の令計画の事件にも連座していると話もある。令計画の妻・谷麗萍の国外逃亡(失敗)に協力するよう、元北大方正集団CEO李友から3000万元の賄賂を受け取ったらしい。李友は令計画やその妻の腐敗の温床と化していた西山会(山西省出身官僚利権グループ)に資金提供していた政商で、谷麗萍への贈賄などの疑いがある。

 しかし、馬建が「狩られた」本当の理由は、習近平含む国家指導者たちの秘密を盗聴などの非合法行為を通じて握っていたからだと見られている。その秘密情報を闇の政商の呼び名もある郭文貴が受け取り、現在、米国に高飛びしているという。

コメント6件コメント/レビュー

 今回もまた出色の福島さんのコラムを読んで、中国は結局米国には敵わないと得心しました。 韓国人達にも読んでもらいたいですね。(2015/05/13)

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「米国を巻き込む習近平の権力闘争」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 今回もまた出色の福島さんのコラムを読んで、中国は結局米国には敵わないと得心しました。 韓国人達にも読んでもらいたいですね。(2015/05/13)

面白い記事。これほどまでに百戦錬磨のツワモノ揃いのチャイナ共産党幹部達。性善説の日本人など、不用意に近づいたら赤子が手を捻られる様にひとたまりもありませんな。と思ったら、なぜか沖縄が思い浮かんだ(笑)。(2015/05/13)

興味深いのが、「彼らのため込んだ金も、自衛のためにかき集めた情報も最終的に米国に逃げ込んだ。」の下りで、民主と自由のある国の絶対的なアドバンテージではないだろうか。(2015/05/13)

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