NBonline SPECIAL 新・日本的経営の姿

特別協賛講演

コミュニケーションの再構築により
企業のワークスタイルを変革する

グローバル化により企業のワークスタイルは確実に変わりつつある。
ITツールを駆使したワークスタイルの変革について、アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長のギャレット・イルグ氏と、「キシリトール」の仕掛け人である株式会社インテグレート 代表取締役社長の藤田 康人氏が語った。


企業のワークフローは“プロジェクト型”に移行

ギャレット・イルグ氏
アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長
ギャレット・イルグ

 インターネットや電子メールの登場は、情報伝達の飛躍的なスピードアップとコミュニケーションのパラダイムシフトを導いた。一方で、グローバル化により大規模な業界再編が進み、雇用形態の多様化や人材流動化も加速しつつある。こうした状況では、いかにノウハウを蓄積し、情報を共有できる仕組みを整えるかが、企業の存亡を賭けた課題となっている。

 企業のワークスタイルも確実に変化している。PDFベースのチームコミュニケーション・ツールとして知られているAcrobatを開発した米国アドビ システムズ社。その日本法人であるアドビ システムズ 株式会社 代表取締役のギャレット・イルグ氏はこう語る。

 「今は情報が爆発的に増加する時代。我々のコミュニケーションのあり方やワークスタイルが変化しつつあります。企業は従来の製造中心的な考え方から、会社や組織を横断して仕事を行うプロセス志向の考え方へとシフトしつつある。つまり、既存の枠組みを超え、多様な能力を持つ適切な人材を集合させて、高い価値を迅速に提供できる“プロジェクト型”へと移行しているのです」

 こうしたなか、焦眉の課題となっているのが、効率的かつ生産的に情報を収集し、ナレッジを蓄積していく仕組みの確立である。

 会社や組織の枠を超えて人材が結集する“プロジェクト型”のワークスタイルでは、メンバーが頻繁に顔を合わせてミーティングを重ねることは難しい。しかも、プロジェクト規模が大きくなればなるほどコンセンサス形成に時間がかかり、メンバー間のちょっとしたコミュニケーションギャップも命取りになりかねないのが実情である。

 イントラネットやインターネット、電子メールなどを最大限活用しながら、異なる場所で働く人材がいかにリアルタイムに情報共有を進め、スピーディな意思決定を行うことができるか。「従来の“縦割り”のワークフローではなく、横断的な“プロジェクト型”のワークフローに対応できる、効果的なコミュニケーション方法が求められているのです」と、イルグ氏は指摘する。

社内外の協力なしにヒット商品は生まれない

ワークスタイルの変化について語り合うイルグ氏と株式会社インテグレート代表取締役社長の藤田 康人氏。
ワークスタイルの変化について語り合うイルグ氏と株式会社インテグレート 代表取締役社長の藤田 康人氏。

 では、ビジネスの現場では、具体的にどのようなワークスタイル革新が起こっているのだろうか。

 「社内外を問わず、プロジェクトに関わる多くのステークホルダーをいかにハッピーにできるかが、プロジェクトの成否を決める。組織を超えて多くの人たちとコラボレーションしないかぎり、生産性は向上せず、ヒット商品も生まれないのです」

 そう語るのは、1997年以来、日本で一大ブームを巻き起こした「キシリトール」の仕掛け人、株式会社インテグレート代表取締役社長の藤田 康人氏だ。キシリトール入りガムのプロジェクトには、啓発団体やPR会社、広告代理店という社外の3チームが加わっていた。プロジェクト発足当時の95年は、電話やファクス、月1回のミーティングなどでコミュニケーションを図っていたが、インターネットが普及した96年頃からワークスタイルが劇的に変化。なかでも電子メールの登場は、ミーティングに縛られないコミュニケーションを可能にし、プロジェクト推進や意思疎通の円滑化に大いに役立った。こうしたワークスタイルの革新が功を奏し、新商品の発売後、わずか1年間でキシリトールの認知度はゼロから91%にまで跳ね上がったという。

 「これだけマーケティングのスキルが専門化していくと、なかなか一企業だけで必要なスキルを囲い込むことは難しい。高度な専門性を持つ社外の組織や人材、チームをいかに取り込んでネットワークを構築するか。それがヒット商品を生み出す秘訣といえます」(藤田氏)

ワークスタイルの変革が日本企業の未来を拓く

 “プロジェクト型”のワークフローに対応するためには、組織を超えてリアルタイムの情報共有を実現し、効果的なコラボレーションを実現しなければならない。そんななか、ワークスタイルを変革するコミュニケーション・ツールとして注目されているのが、Adobe PDFである。最新版の『Acrobat 8』ではコミュニケーション強化に役立つさまざまな機能が付加されている。

 なかでも注目したいのが「共有レビュー機能」だ。これは、ネットワークの共有スペースなどを使用することで、レビューの参加者全員がPDF文書にコメントを自由に書き込み、互いのコメントを参照し合ったり、レビューの最新状況を確認したりできるというもの。従来は作成したPDFをメンバーに配信し、個々に意見を聞いて最終版に反映する必要があったが、共有レビュー機能により、チームのメンバーがPDF上で自由に意見を交換することができるようになった。異なる国や地域、タイムゾーンで働いている人たちがPDF上でチャット感覚でディスカッションできるので、スピーディかつ効果的に意思決定を行い、ドキュメントを効率的に作成することができる。また、形式の異なる複数のファイルを一括変換し、各々の独立性やセキュリティを保持したまま1つのPDFファイルに束ねる機能も付加されるなど、まさに新しい時代のワークフローに対応した画期的なビジネスツールとなっている。

 「技術やマーケティングが高度化・専門化している今、企業はスペシャリストを育成し、社外の多様な人材と協力しながら全体のスキルを上げていかなければならない。それが、日本企業が世界で生き残っていくためのポイントではないかと思います」(藤田氏)

 国や組織、時間の制約を超えて適材適所の人材が結集し、スピーディかつ効果的なコミュニケーションの仕組みを確立すること、それが新時代に即応したワークスタイルといえるだろう。『Acrobat 8』のようなコミュニケーション・ツールを使いこなすことでワークスタイルを進化させ、いかにプロジェクトの生産性を最大化させることができるか。企業の成長はまさにそこにかかっている、といっても過言ではないはずだ。

■アドビ システムズが変革する人とアイデア、人と情報の関わり

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