基調講演「グローバル化とリーダーシップ」
肌感覚で世界を理解できる経験を 語学+異文化マネジメント力を強化
御立尚資氏
ボストンコンサルティング
グループ
日本代表
御立尚資氏

グローバル時代を勝ち抜くために、その第一線に立つリーダーの必須要素とは何か。ボストンコンサルティンググループの御立尚資日本代表は「リーダー自身のグローバル経験」を強調する。現地の経験による一次情報でつくられる肌感覚が、グローバルマネジメントを遂行する上で大いに力になるからだ。


ビジネスリーダーの基本要件として、「人間力」「業界・社内常識」「経営知識」そして知識を実践で活用できる「使う力」の4 要素が挙げられますが、さらにグローバルリーダーの要件として「グローバル経験」を加えたい。そして、現地での一次情報を咀嚼できる「一定の語学力」と「意思決定のための異文化マネジメント力」が必要です。

海外ではどの国でも、自社のビジネス周辺に限らず総合的に物事を理解していただきたい。その国の教育制度はどうなっているか、どのような人がどういった職業に就いているか、現地の人は何を望んでいるのか。こうした情報は、現地に足を運ばなくてもインターネットでいくらでも収集できそうですが、それは誰かがスクリーニングした二次情報です。自らが直接見聞きして獲得した一次情報で「肌感覚」を磨いてこそ、マネジメント力も上がるのです。

古くは明治維新のリーダーしかり、戦後の日本復興を牽引したリーダーたちもそうです。日本でも海外でも早くからグローバル展開している企業のリーダーは、いずれもグローバルな経験が豊富なことに気付かされます。

例えば、フォードのトップオフィサーのキャリアパスを見ると、必ず複数の国・地域に赴任してグローバル感覚を養っていることが分かります。次世代の経営幹部を育てるならば、海外でマネジメントを経験させる人事ローテーションを真剣に考える必要があるでしょう。

新興国の台頭によって、グローバルマネジメントはより難しく、より複雑になっています。生産、調達、販売、R&Dといった機能は新興国に移行する傾向にありますが、それらのマネジメントができる人材の育成が追いついていません。人材育成は短期業績のように四半期単位ではなく、5年先を考える必要があります。それができるのはトップだけです。これからのグローバル化にあたっては、特に「新興国での人材マネジメントへの長期的コミットメント」が不可欠です。

また、企業として統制を取るためには、ローカル化という「遠心力」に対し、「求心力」となる価値観の共有が必要です。「人材マネジメントのローカル化とグローバル化の方向付け」はリーダーの役目にほかなりません。自社の勝ちパターンを見極め、確固たる価値観を掲げるものの、その他は現地の解釈に任せる――こうしたバランス感覚を養う上でも、リーダー自身がグローバル経験を持つことが大切だと信じています。

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基調講演「グローバル化とリーダーシップ」肌感覚で世界を理解できる経験を 語学+異文化マネジメント力を強化

パネルディスカッション「最新のグローバル人材育成事例」 統率にも交渉にも論理性を強化 できる人間の思考法・解決案の共有も

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