HD-PLCアライアンスは、「HD-PLC」の普及促進と、同方式に準拠した製品の間で安心かつ簡単につながる通信互換環境の推進を目的に、2007年9月25日に設立された。当初、発起人である松下電器産業と、パナソニック コミュニケーションズ、アイ・オー・データ機器、バッファローなど「HD-PLC」製品を発売している企業を中心に参加。その後、「HD-PLC」に準拠した製品開発やサービス事業を企図する企業や、「HD-PLC」に興味を持つ企業などに対して、国内、海外を問わず広く参加を呼びかけており、それに応じて加盟する企業が相次いでいる。2008年3月現在、国内外の15社がHD-PLCアライアンスに加盟しており、さらに、新年度の4月以降13社が加盟予定だという。

また、2008年2月に「HD-PLC」検証ハウスが設置され、国内でも唯一、実際の住宅にほぼ近い環境での「HD-PLC」製品の検証が可能になった。この「HD-PLC」検証ハウスはHD-PLCアライアンス参加企業のみならず、「HD-PLC」製品の開発やサービスを企図する企業にオープンに提供されている。こうした企業にとっては自社で検証施設を設けることなく、理想的な環境下で検証ができることからメリットも大きい。すでに、さまざまな企業から問い合わせや使用の申し込みが寄せられているという。HD-PLCアライアンスでは、この「HD-PLC」検証ハウスを起点として、さらにアライアンス参加企業の輪が広がっていくことを期待している。
HD-PLCアライアンスでは、設立以来、デジタル社会を担う最先端技術を紹介する展示会「CEATEC JAPAN2007」に出展、さらに米国・ラスベガスで開催された世界最大の家電展示会「CES2008」にも出展、「HD-PLC」の技術と製品を紹介した。特にCES2008では、34の企業が64品目の製品を展示し注目を集めた。そこでは、従来から知られているPLCアダプターにとどまらず、さまざまな分野から「HD-PLC」を利用した新しい発想の製品やサービスが提案され、大好評を得たという。

「HD-PLC」の活用で世界の注目を集めている取り組みの1つとして、例えば台湾における白熱灯のLED化の推進が挙げられる。これは台湾政府が打ち出したCO2削減プロジェクトの1つで、街灯をLEDにすることで消費エネルギーを50%削減させる。同時に「HD-PLC」を経由する照明の制御で、さらに省エネルギーを図る。同時に、この街灯に監視カメラを組み合わせて設置し、「HD-PLC」を利用して監視画像データの伝送や制御を行うことで、街中の防犯にも役立てるというものだ。
こうしたエコロジカルな発想は「HD-PLC」が備えている重要な要素の1つだ。既存の社会インフラである電力線を利用した情報ネットワーク構築を指向する「HD-PLC」は、新たな設備、新たなケーブル配線工事を必要としない。既にある電力線を従来同様に電力供給用として使用するのに加えて情報通信用にも利用する。都市では山村でも離島でも電力線があれば高速情報通信が可能になる。電源ケーブル1本でPCや電話機などの情報機器や家電をネットワーク化できる。さらにケーブル本数を最小限にとどめるという意味でも、「HD-PLC」は環境への負荷を最小化することが可能だ。
同時に、網の目のようにはり巡らされている電力線という既存の社会インフラを利用して、電源コンセントさえあれば、誰でもいつでもどこにいても情報ネットワークに簡単につながる。ホームネットワーク化された家電や情報機器を外出先から簡単に制御できる。例えば、既に携帯を使用して外出先から録画予約は可能であり、今後は家に着く前にエアコンのスイッチを入れたり、お風呂をわかしたりもできるようになる。「HD-PLC」は環境負荷を抑制しながら、生活をより快適に便利にすることが可能だ。
HD-PLCアライアンスでは、設立当初から「グリーンユビキタス」をその理念の1つとして標榜している。住宅にしてもオフィスビルにしても、基本的には電力線がはり巡らされている。その「電力線」という神経とつながることで、情報ネットワークとして利用できれば無駄がなく、同時にいつでもどこにいてもネットワークにつながるユビキタス環境が容易に実現できる。HD-PLCアライアンスが「グリーンユビキタス」を掲げる理由はそこにある。

国内・海外の企業がその「グリーンユビキタス」に呼応して、「HD-PLC」を採用した製品やサービスの開発に取り組みが始まっている。その分野は家電・電子業界や情報機器業界に止まらない。ヘルスケア、セキュリティ、住宅設備、建設の業界まで多彩に多様に広がりつつある。HD-PLCアライアンスでは、世界レベルで「HD-PLC」の普及活動を展開しており、今後は世界中から「HD-PLC」活用の新しい発想やアイデアを持つ企業、また新規のビジネスが出てくると見ている。
そして今回取り上げた「HD-PLC」検証ハウスがその起点となるべく役割を担っていくのである。
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