香港特別行政区の行政長官Donald Tsang氏は、2007年10月10日に政権2期目で初めてとなる施政方針演説を行なった。「A New Direction for Hong Kong(香港の新たな方向)」と題して目先5年を見据えた政策方針を発表しているが、香港の今後を占ううえで重要な施策が網羅されている。まずは、主な内容を以下にまとめているので見ていただきたい(原文は、
http://www.policyaddress.gov.hk/
)。
鉄道(地下鉄)建設や国境をまたぐプロジェクト、都市開発などを政権2期目の2012年までに10大インフラ・プロジェクトと位置付けて実施、25万人の雇用を創出する。
1.
南港島線(South Island Line)
2.
沙田(Sha Tin)-中環(Central)線
3.
屯門(Tuen Mun)西バイパスと屯門-チェック ラップ コック(Tuen Mun-Chek Lap Kok)線
4.
広州-深圳-香港(Guangzhou-Shenzhen-Hong Kong)の高速鉄道
5.
香港-珠海-マカオ(Hong Kong-Zhuhai-Macao)大橋
6.
香港-深圳空港(Hong Kong-Shenzhen Airport)の共同運用
7.
香港-深圳(Hong Kong-Shenzhen)による落馬洲(Lok Ma Chau)地区の共同開発
8.
西九龍(West Kowloon)文化施設
9.
啓徳(Kai Tak)開発計画
10.
新界(New Territory)開発計画
上記10大インフラ構想と並行して、国際的な金融センターとなることを目指す。適格国内機関投資家(QDII:Qualified Domestic Institutional Investors)や中国本土の居民による香港株投資の解禁やインフラ投資の充実などによって金融市場の活性化に繋げること、イスラム債券市場の育成のため金融管理局(HKMA:Hong Kong Monetary Authority)と業界が共同で専門の研究チームを新設すること、香港の地位向上のため国際的な仲裁機関としての役割を担うことなどを盛り込んだ。
生活の質の維持・向上のために、環境問題に積極的に取り組む。このために、環境保護基金(ECF:Environment and Conservation Fund)を立ち上げ、10億HKドル(約150億円)を財政拠出する。教育、研究および環境技術の実演のためのプロジェクトなどに投じる。
2008年度(2008年4月〜09年3月)には、個人所得税の標準税率を現行の16%から15%に、法人税を同17.5%から16.5%に引き下げる。これは年間50億香港ドルのコストに相当するが、好景気が続くようならさらなる減税を検討する。大幅な財政黒字が見込めることから、住宅保有者が支払う不動産税の減税実施期間を当初決めた2007年第2四半期(9月末)までから、もう1四半期延長する。これは26億香港ドルに相当する。
現在実施している「賃金保障運動(WPM:Wage Protection Movement)」が不十分だった場合、直ちに立法化に取り組む。賃金保障運動の結果は2008年10月にまとまるので、もしこの運動がうまくいかなかった場合は2008年度中に立法化する。
香港では小学校、中学校を通して9年間の無料教育をしてきたが、2008年度(2008年9月〜09年8月)の教育から、教育費の無料期間を12年間に延長する。
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