NBonlinespecial 返還から10年、香港の次の10年を占う

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「北京に立てば北京から見る中国が、上海に立てば上海から見る中国が見えるのに対し、香港に立てば世界の中の中国が見える」(香港三菱商事社長の木下眞一氏)といわれる香港が、返還10周年を迎え、次の10年に向けて動き出した。
 本稿では、2007年10月に香港特別行政区の行政長官Donald Tsang氏が語った重要な施策についてまとめると同時に、こうした施政方針の発表を受け、代表的な政府機関、企業がどのようにこれを受け止めているのか、個々の戦略を今後どのように展開していくのかなどを、香港を支える要人に伺った。 山口健=日経BPアジア社
香港特別行政区の行政長官Donald Tsang氏は、2007年10月10日に政権2期目で初めてとなる施政方針演説を行なった。「A New Direction for Hong Kong(香港の新たな方向)」と題して目先5年を見据えた政策方針を発表しているが、香港の今後を占ううえで重要な施策が網羅されている。まずは、主な内容を以下にまとめているので見ていただきたい(原文は、http://www.policyaddress.gov.hk/)。

10大インフラプロジェクトの実施

 
鉄道(地下鉄)建設や国境をまたぐプロジェクト、都市開発などを政権2期目の2012年までに10大インフラ・プロジェクトと位置付けて実施、25万人の雇用を創出する。
Transport Infrastructure
1. 南港島線(South Island Line)
2. 沙田(Sha Tin)-中環(Central)線
3. 屯門(Tuen Mun)西バイパスと屯門-チェック ラップ コック(Tuen Mun-Chek Lap Kok)線
4. 広州-深圳-香港(Guangzhou-Shenzhen-Hong Kong)の高速鉄道
Cross-boundary Infrastructure Projects
5. 香港-珠海-マカオ(Hong Kong-Zhuhai-Macao)大橋
6. 香港-深圳空港(Hong Kong-Shenzhen Airport)の共同運用
7. 香港-深圳(Hong Kong-Shenzhen)による落馬洲(Lok Ma Chau)地区の共同開発
New Urban Development Areas
8. 西九龍(West Kowloon)文化施設
9. 啓徳(Kai Tak)開発計画
10. 新界(New Territory)開発計画

国際金融センター構想

 
上記10大インフラ構想と並行して、国際的な金融センターとなることを目指す。適格国内機関投資家(QDII:Qualified Domestic Institutional Investors)や中国本土の居民による香港株投資の解禁やインフラ投資の充実などによって金融市場の活性化に繋げること、イスラム債券市場の育成のため金融管理局(HKMA:Hong Kong Monetary Authority)と業界が共同で専門の研究チームを新設すること、香港の地位向上のため国際的な仲裁機関としての役割を担うことなどを盛り込んだ。

環境保護基金の設立

 
生活の質の維持・向上のために、環境問題に積極的に取り組む。このために、環境保護基金(ECF:Environment and Conservation Fund)を立ち上げ、10億HKドル(約150億円)を財政拠出する。教育、研究および環境技術の実演のためのプロジェクトなどに投じる。

減税の実施

 
2008年度(2008年4月〜09年3月)には、個人所得税の標準税率を現行の16%から15%に、法人税を同17.5%から16.5%に引き下げる。これは年間50億香港ドルのコストに相当するが、好景気が続くようならさらなる減税を検討する。大幅な財政黒字が見込めることから、住宅保有者が支払う不動産税の減税実施期間を当初決めた2007年第2四半期(9月末)までから、もう1四半期延長する。これは26億香港ドルに相当する。

最低賃金制の導入

 
現在実施している「賃金保障運動(WPM:Wage Protection Movement)」が不十分だった場合、直ちに立法化に取り組む。賃金保障運動の結果は2008年10月にまとまるので、もしこの運動がうまくいかなかった場合は2008年度中に立法化する。

教育費免除期間の延長

 
香港では小学校、中学校を通して9年間の無料教育をしてきたが、2008年度(2008年9月〜09年8月)の教育から、教育費の無料期間を12年間に延長する。
special interview「貿易のプラットフォームであり、流通のハブである」「6つの“O”に注力し、先端研究のハブに」「予想を超えるスピード、展示会場の増床急ぐ」「銀行サービスは、国境を越えるべき」「ビジネス・パーソンを癒す、香港の隠れ家に」「インフラ開発に、海外企業の参加を促す」「最高の食文化を、日本に広げ中国へ」
日経BP社  
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