NBonline シリーズ企画 松任谷正隆のクルマ語り
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マツダMPVと松任谷正隆氏
VOL.3 マツダMPV
バランスのよさが魅力大人のためのミニバンMPV
90年代、ミニバンブームの中心にあった初代MPV。サイズ、発想、ポジショニング、明らかに独自性を持っていたこのクルマは、すべての面で優れたバランス感覚を有していた。そして昨年登場した3代目MPVも、優れた走行性能と快適な室内空間、スポーティーでありながら上質という、相反する要素を見事なバランスでまとめている。
未来のリムジンとして期待していたミニバン

 十数年前までは考えられなかったようなミニバンブーム。でも密かに僕はこれを予測していたのである。それはあるニュース番組で昭和の皇太后が使われていたワゴンを見てからだ。体をかがめずにゆったりと乗れて、見晴らしのいいことから閉塞感もなく、そのくせ全長が短くて済むというこの形こそ、未来の乗用車、いや未来のリムジンのスタンダードになるべきだ、と考えた。実際そんなコメントを20年前にしているビデオが何本か残っている。

 しかし、当時のミニバンは…もちろんミニバンなんて言葉もなかったけれど…いわゆる商用車に毛が生えたようなものであったから、皇太后はひどく苦痛な乗り心地を強いられていたに違いない。ハンドリングは言うに及ばず。商用車にスポーティーもファンも必要なかっただろう。ましてやラグジュアリーなんて…。
90年代のミニバンブームの中心的存在だった初代MPV

 日本のミニバンブームにもっとも強く影響を与えたのはアメリカなのか、それともフランスなのか、いや日本独自に自然発生してきたものなのか、確かめるべくもないが、いまやはっきりとどこの国とも違う日本独自のキャラクターを持っているのは、ある意味誇りに思うべきだろう。そして、現在の潮流を作り出した数台のキーになるミニバンたちの中に初代MPVはあった。いや、むしろ中心にあったといっていい。

 90年代にあって、初代MPVはサイズといい、発想といい、ポジショニングといい、明らかに独自性を持っていた。シンプルでユーティリティーに優れ、かつハンドリングはサルーンのレベルに達していたし、なにしろすべてのバランスがよく取れていた。こういうクルマはどんなに努力をしてもなかなか出来ないものである。多くの専門誌が高い評価をしたのも、ひとえにこのバランスのよさゆえだった。

 その後、まるで雨後の竹の子のように、続々といろいろなメーカーから新しい発想のミニバンが生まれた。スペースユーティリティーに特化したもの、スポーツに特化したもの、はたまた走る応接室を目指したもの、さまざまなのはご存知のとおりである。
初代から受け継がれた優れたバランス感覚

 マツダMPV23Tのステアリングを握るとき、いつも思い出すのはこの初代のことだ。もちろん、共通点なんてどこにもない。デザインはまるでミニバンのスポーツカーのようだし、ボディーははるかにがっしりしている。硬く締まった乗り味は初代と比べるべくもない。DISIターボの生み出すまるで湧き出るようなパワーはこのボディーがあるから成立するものだ。そしてなによりも重心がさらに低まったため、操縦性はさらにスポーティーになった。マツダのバッジ以外どこに初代の面影があるのか…。これの答えは実はライバル数台と直接比べてみるとよくわかる。時代が変わった今でも、そのバランス感覚は健在なのだ。
<写真左> 走りながらでも操作しやすいエアコンやオーディオ類。これらボタン類以外にも、物を置くスペースやドリンクホルダー、一時的な小銭置きなど、生理的にここだろうという場所に配置されているので、ドライビングに集中できる。
<写真右> 赤い指針を配したパネルに、ブルーに輝くバーチャルなメーターグラフィックを投影する3Dブラックアウトメーターの立体的な表現は、視認性はもちろん心躍る高い質感をも実現している。
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松任谷正隆氏
1951年生まれ。音楽プロデューサー。1984年より通算20年以上にわたり「CAR GRAPHIC TV」(BS朝日ほか)のキャスターを務める。「日本カー・オブ・ザ・イヤー」選考委員、および「日本自動車ジャーナリスト協会」会員。
本シリーズ企画のコンセプト
本シリーズ企画では、毎回、ある車両タイプのなかから注目の車種を“1車両タイプ1車種”に限って採り上げ、松任谷正隆氏が試乗インプレッションを語る。独自のコンセプトから生まれる卓越した性能、個性的なデザイン等の特徴を有する各クルマのこだわりと、そこから生み出される新たなステイタス感、ワンランク上のドライブフィールやユーザビリティ等、各クルマの魅力に深く言及。それぞれが拓く新たなカーライフの可能性を探る。
CONTENTS
VOL.4
SX4の
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VOL.3
MPVの
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VOL.2
オーリスの
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VOL.1 三菱自動車パジェロ
パジェロの
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VOL.3 COMMING SOON
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