ビジネスにおける意思決定の重要性はいうまでもない。それをいかに素早く、的確に行うかが経営層に課された最大の使命である。しかし今日、経営層の議論の場である「役員会議」において、いくつかの問題が指摘されている。
例えば、会議ごとに様々な情報やテーマで議論するため、資料の管理が複雑化。前回、前々回とさかのぼって資料を検索することもできず、継続的な議論が困難になっている。また、メモを書き込んだ資料を見せながらメンバーに説明したいが、紙資料では難しいといったことなどだ。
一方で、役員会議を運営する事務局の負担も大きい。会議開催前の資料の作成・配付、会議中の進行や発言内容のとりまとめ、開催後の議事録作成、機密管理など、膨大な手間がかかっている。この手間をコストに換算すると、一定の規模以上の企業では年間数千万円に上るケースもあるという(NEC情報システムズの試算による)。さらには大量の資料を印刷する“紙”にかかるコストも見逃せない。
こうした問題を、NEC情報システムズは自社の役員会議で実証しながら解決し、会議のペーパーレス化、セキュア化、効率化、そして高品質化を実現する「ConforMeeting/e」を製品化したのである。「役員会議において密度の濃い議論が活発に行われるようになりました」と同社代表取締役 執行役員社長の岡田 裕行氏は、その導入効果を語る。
同社では、すでに半年前からConforMeeting/eを週1回開催の経営会議で導入し、活用している。役員会議の問題を解決するための最大の障害は「会議そのものにありました」と岡田氏は言う。
会議開催前に準備される資料のほとんどはパソコンでデータとして作成されるが、会議では、メモが取れ、扱いやすいよう紙にプリントされる。会議中、出席者は各自の資料に手書きで必要なメモを取り、会議が終わるとファイリングする。つまり事前の資料作成以外はすべて手作業なのだ。業務効率化のための道具として、ITは様々な領域で高い効果を上げたが、役員会議においては、IT化による改善の余地が多く残されていたのである。
もちろん、ITを活用した会議向けソリューションは多数あるが、「例えば、単に大型ディスプレイを利用するだけでは、資料にメモが書き込めないため、結局は紙資料を用意せねばならず、ペーパーレス化も効率的な保管も実現できません」と岡田氏は指摘する。
それに対し、ConforMeeting/eは、1人1台の液晶ペンタブレットと電子ペン、サーバー、ソフトウェアで構成されるフルペーパーレスのシステムである。会議資料データは、事前にサーバーに登録すれば、各端末に自動配信され、ディスプレイに表示。会議中の各参加者は、紙資料同様の感覚で、その資料のページをめくり、電子ペンでメモを書くといった作業ができる。また、ホワイトボードのように出席者全員での書き込みも可能だ。
さらに会議後、資料はメモあり、メモなし、2種類の資料が各役員の個人ファイルキャビネットに自動保存される。自席に戻って、それらのデータを再利用できるだけでなく、次回以降の会議の際にも自由に取り出して参照でき、ファイリングの手間の削減、過去の議論や決定事項の情報にまでさかのぼって集中した議論を実現できる。
このようにConforMeeting/eは、会議資料において紙の使いやすさとデータの持つ編集・保管のしやすさを両立し、役員会議のペーパーレス化と効率化、質の向上に成功。さらには、事務局の負担減によるコストの削減も同時に実現したのである。
また、役員会議の資料といえば機密性が高いものも多いが、PDFファイルとしての保存/配付、Felicaを用いた個人認証、更にはオプションでデータをサーバー側にのみ格納するシンクライアント構成などにも対応しており、情報漏えい、改ざん対策も万全だ。
「役員会議のライフサイクルにITを効果的に適用することで課題を一掃できました」と岡田氏は強調する。
他にも、ConforMeeting/eには、役員の行動特性に配慮した様々な工夫が施されている。
まず挙げられるのが、使いやすいインタフェースである。ほとんどの機能は、電子ペンによるワンアクションの直感的な操作で可能。パソコン操作になじみの薄い参加者がいたとしても、すぐに使いこなすことができる。
また会議開始直後、ほとんどの参加者は資料の中から自分が発表を担当する部分を先読みし、内容を確認する。紙資料であれば、ごく簡単に行える作業だが、ConforMeeting/eは電子データ上でノンストレスで実現したのである。
「参加者は、会議の進行とは関係なく、自分のペースでデータの資料を読み、あらかじめメモを書き込んでおくことができます。これによって、自分の考えを整理する時間が確保できるのです」(岡田氏)。もちろん、重要なシーンでは、管理側の端末で参加者全員の画面を議論中のページに切り替えることもできる。
さらに、議論した内容について、部下への指示が必要になった場合は、会議中でも資料を添付して、その場でリアルタイムにメール送信することができる。例えば、画面例のように、資料のある部分について詳しい背景等が知りたい場合は、その旨をメモ書きして部下に送信すれば、リアルタイムかつ正確に指示が伝わり、経営行動のスピードをあげることができるのだ。
岡田氏は「事前準備の手間が大幅に削減され、直前まで準備ができるので最新の情報をもとに議論でき、会議の鮮度が上がりました」と語る。企業の行方を左右する役員会議にとって、こうした質の充実こそは重要なポイントだ。また、「言うまでもなく紙資料・事後のコピーを無くすことで、環境負荷軽減にも配慮しています」と付け加える。
今後の展開について、岡田氏は「音声認識技術を活用して、議事録の自動生成も組み込んでいきたい。また対象範囲も一般社員の会議、さらには教育分野などへ拡大できると考えています」と力強く語った。