進化するオフィス移転が 書類の無いビジネス空間を実現

企業のオフィス移転を大きく進化させたい――。こうした考えのもと、日本通運では、トラステッドソリューションズ、PFUと協同で「e-マジック※」を提供している。e-マジックは、事務所移転時、オフィスレイアウト変更時等に、オフィスから書類の無いビジネス空間を実現することを目的とした文書管理ソリューション。同サービスの内容とその特徴やメリットについて、日本通運の取締役 常務 執行役員である久保田 博氏に話を聞いた。

顧客のニーズに対応して誕生した文書管理ソリューション「e-マジック」

オフィス・スペースをどう有効活用していくか――。これは、どの企業にも共通した重要なテーマだ。特に近年は、企業を取り巻く環境が急速に変化する中で、ビジネス自体のスピードアップを図るために、戦略的にオフィス機能の集中化を図る企業も少なくない。

こうしたオフィス・スペースの有効活用を実現する上で、一番の契機となるのがオフィスの移転だ。しかし、移転の際に大きな足枷となっているのが、契約書や顧客情報などの紙文書の保管場所である。文書の性質上、急遽確認が必要になることに加え、コンプライアンス上の問題からも、遠隔地の倉庫などには保管できない。必然的に、オフィス・スペースを圧迫する結果につながっている。

図「e-マジック」のサービス提供イメージ
ConforMeeting/e画面イメージ
書類引取から始まり、PDFファイルなど電子データへの変換、電子データ及び原本の保管・閲覧・廃棄までをトータルで提供。2007年3月からはWeb閲覧システムの提供も開始した。
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「当社では、長年にわたり“付加価値の高い移転サービス”の提供を行ってきました。移転関連業務の全般を一括して扱うトータル移転サービスや、機密文書を始めとする紙文書を当社の倉庫に保管するサービスはその一例です。こうした移転サービスを提供する中で、紙媒体を保管するだけでなく、紙媒体を電子化して保管・活用できるようにして欲しいというご要望が非常に高くなってきたのです」と日本通運で取締役 常務 執行役員を務める久保田 博氏は語る。それに応えて生まれたソリューションが、「e-マジック」だ。これは、文書管理のコンサルティングから、紙文書の電子化、電子文書と原本の保管、電子文書の検索と閲覧、原本の配送、データも含む文書の廃棄までをカバーしたサービス。これまで築きあげた移転作業のノウハウを駆使し、紙媒体と電子データの両方の保管・管理をワンストップで行えることが大きな特徴だ(図)。日本通運とトラステッドソリューションズに、PFUを加えた3社が協業することで、このサービスを実現した。

「サービスは、必要に応じて、部分的に利用することもできます。協業2社は情報セキュリティのISOを取得し、専門領域に独自のノウハウを持っているため、クオリティの高いサービスを提供できることが、大きな特徴です」と久保田氏は同サービスの強みを語る。


文書のライフサイクル全般にプロ集団として完璧な処理を実施

e-マジックでは、まず、日本通運が紙ベースの文書を引き取る。ここでは、対象となる文書の重要性に応じて、手軽なペリカン便から銀行業務に使われるセキュアな警備輸送まで、最適な運搬方法を選択することが可能だ。

「引き取った文書は、当社で電子化することも可能ですが、機密性の高い文書などはPFUの電子化センターに直接持ち込まれます」と久保田氏。PFUの電子化センターはISO27001を取得したことからも分かるように、高度な情報セキュリティ体制を備えており、必要であればe-文書法に対応したタイムスタンプを付与することもできる。公式な時刻認証局であるPFUならではの強みだといえるだろう。

スキャニングが済んだ原本は日本通運の書庫センターに保管されるが、文書データはWebから検索して、いつでも閲覧することが可能だ。文書データは、サーバーに保管され、ここではトラステッドソリューションズが開発した秘密分散法による暗号化が施される。

この秘密分散法は、ビジネス特許を取得した高度な暗号化技術。文書データは暗号化された上で、2つに分割され、別々にサーバーへ保管される。文書データは暗号化された上に分割されているため、万が一データの一部分が盗まれたとしても復元することはできない。

さらに、「保管期限の終了などに伴う、廃棄にあたってもe-マジックでは、法令に遵守した完璧な作業が施されます」と久保田氏は話す。文書データは、トラステッドソリューションズの手で完全消去され、紙媒体は日本通運が粉砕処理をした後、再生紙メーカーによって溶解処理され、リサイクルされる。


オフィスの有効活用と同時にBCMとコンプライアンスを実現

このようにe-マジックは、文書のライフサイクル全般をカバーする文書管理サービスであり、大量の文書を電子化して、オンデマンドでデータ文書を閲覧したり、必要に応じて原本を取り寄せることができ、事務効率向上を実現できる。重要書類を自社保管することによる、改ざんや流失のリスクを避けることができ、災害時でも安全性が確保されることを考えると、事業継続マネジメント(BCM)の観点からもメリットは大きい。また、日本版SOX法の施行に象徴されるように、企業が証明責任を問われる今、コンプライアンスの観点からも非常に有用なサービスといえるだろう。

さらにもっとも分かりやすいメリットとしては、オフィス・スペースの有効活用につながる点が挙げられる。「当社が独自に試算したところ、オフィス文書の50%をe-文書化して外部に保管することで、31.25%の有効スペースが生まれることが分かりました」と久保田氏は説明する。都心のオフィスで3割スペースが広がれば、相当大きなコストの削減につながるだろう。

日本通運は、冒頭に触れたように、オフィスの移転作業でもリーディングポジションにある企業。オフィスの統合や移転といったタイミングに合わせて、e-マジックを導入すれば、様々なメリットを享受することができるはずだ。

傳田信行氏
ISO取得企業同士のパートナーシップで高品質なサービスを提供する

重要な情報が電子化されるにつれて、データを盗用や改ざんから守るための暗号化が注目されるようになってきました。しかし、最も一般的な鍵暗号方式は、解読時間をかければ必ず解くことができます。そこで、私たちは、秘密分散法という手法をとり、デジタルデータの搬送・保管のビジネスを展開しています。

秘密分散法では、情報そのものを暗号化して分割し、復元するためには、分割したすべてのデータが必要になります。暗号鍵のような寿命という考え方がなく、証明書も必要ありません。安全で、コストも抑えることができるというわけです。「e-マジック」では、文書データの保管にあたって、この秘密分散法を採用して、セキュリティを高めています。

当社と日本通運とのお付き合いは、お客様からお預かりした重要なデータの物理的な輸送をお願いしたところから始まりました。暗号化の対象になる重要なデータを扱うだけに、すべてにわたって高いレベルのセキュリティが必要になることから、輸送に関しては、日本通運に業務を委託したのです。当社自身も情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO27001を取得しています。

e-マジックが、ISOをクリアした企業同士が結びついて生み出されたサービスであることは、重要なポイントだと思っています。e-マジックには、当社の秘密分散法だけでなく、各パートナー企業がISO取得を通して得たコンプライアンスへの対応のノウハウが盛り込まれています。こうしたノウハウを含めて、付加価値の高いサービスを提供できると考えています。


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