航空会社のアライアンス化が進むなか、独立系航空会社の最後の砦と言われた日本航空(JAL)。しかしついにこの4月、グローバル・アライアンス「oneworld」の一員としての新たなスタートを切った。JALがoneworldを選択した理由。それを紐解くと、より快適になる空の旅の未来像が見えてくる。
JALが変わる。そう予感させるニュースは、国内のみならず、世界中を驚かせた。これまで孤高の存在とされ、どこのアライアンスにも所属しなかったこの日本の大手航空会社は、グローバル・アライアンスへの加盟には否定的だと信じられてきたからだ。
近年、認知度も高まり、その有効性が浸透してきたアライアンス。なかでもワンワールドの信頼性は高い。ナショナルフラッグキャリアと呼ばれる会社が名を連ね、高水準のサービスを提供してきた実績は、世界200カ国の旅行・観光関係者16万人以上が選ぶ「ワールド・トラベル・アワード」で4年連続世界最優秀航空アライアンスに選ばれたことでも証明されている。
ワンワールドは、各社のブランドや個性を重んじるという方針が特徴的だ。日本航空代表取締役社長の西松遥氏は、「我々がワンワールドを高く評価した理由もそこにある。加盟によってメンバーのブランド力が落ちた例はなく、今後もJALブランドが埋没することはない」と語っており、それを参画理由のひとつとして挙げている。また、その方針に基づけば、JALがこれまでに推進してきたメンバー以外との2社間提携は、今後も継続可能だとしている。
成田空港サクララウンジannex
成田空港もまた、アライアンスの重要性を強く認識している。今月は、アライアンス別のターミナル配置をほぼ完了させ、ワンワールド加盟会社は、ブリティッシュ・エアウェイズ以外の全社が第2ターミナルに集結。乗り継ぎの利便性を飛躍的に向上させるこのゾーニングは、今後、他の空港でも採用されるに違いない。
例えば、ワンワールド内の乗り継ぎであれば最初の出発地で搭乗券を受け取り、スムーズな乗り換えが可能。ワンワールド加盟航空会社便に搭乗すればマイルが積算されるし、さらには、貯まったマイルによる特典航空券のバリエーションや行き先も拡大する。搭乗実績に応じて共通の「ワンワールド エリート ステイタス」が付与され、優先カウンターでのチェックインができるほか、世界400以上のラウンジも利用できる。今後は乗り継ぎ時間の調整も予定されており、利用者が得られるメリットは大きい。
150カ国700都市に広がるワンワールドのネットワーク。JALは、加盟各社との安全情報や技術情報、施設や部品調達を共有することで、顧客サービスの向上とコストの削減を図ろうとしている。一方ワンワールドも、アジアにおけるJALの堅実な地位がもたらす経済効果に期待を抱いているはずだ。そのためJALは、広範囲かつ高密度を誇るアジア路線でのアドバンテージをこれからも維持することが絶対使命となる。
その期待に応えるべく、JALは、ビジネスユースが急増中の中国路線、ハノイ線、デリー線を順次拡充。さらに、3月から東京ーニューヨーク線で週3便を増便し、6月からは東京ーパリ線でも週4便の増便を決定した。
また、人気の高い路線では、JALエグゼクティブクラス「SEASONS」のJALシェルフラットシートを全便に導入。寝返りが打てるほど広く、10.4インチモニターやパソコン用電源などを備えたシートで、より多くの空の旅に快適な時間を提供する。
進化するJAL。ハード、ソフトの両面において誇れる「ジャパン・クオリティ」が世界の隅々にまで浸透する日は、そう遠くない。
JALシェルフラットシート