
2005年4月、オーストラリア証券取引所に上場した1本の不動産投資信託(LPT)が関係者の注目を集めた。国外の不動産投資信託の先駆けとなった、組み入れ資産を日本の不動産に特化した「バブコック・アンド・ブラウン・ジャパン・プロパティー・トラスト(BJT)」である。
その仕掛け人が、バブコック・アンド・ブラウンの日本法人で代表取締役を務めるエリック・ルーカス氏だ。「日本の不動産市場を約20年にわたり注視してきましたが、現在は変化の真っただ中。J-REIT活況の影響もあって、市場の透明性も徐々に高まっており、投資環境も整ってきました」(ルーカス氏)。
ルーカス氏は1983年にメルボルン大学法学部を卒業した後、豪州大手法律事務所を経て、1985年にアンダーソン・毛利法律事務所の一員に。86年、バブコック・アンド・ブラウンの担当となったことがきっかけで、翌87年、バブコック・アンド・ブラウンに入社。ここから不動産ビジネスとの付き合いが本格スタートする。日本市場とのかかわりは深く、同社不動産部門の日本担当として、多くの時間を日本で過ごしてきた。
ルーカス氏のビジネススタイルはボトムアップ・アプローチが基本だ。投資対象候補の不動産には、たとえ地方であっても可能な限り足を運ぶのが信条。各種レポートや賃料収入などの数字だけではつかみにくい物件の真の市場価値を自らの眼で確かめるためである。その積み重ねの結果、日本の経済や不動産市場の風向きの変化に敏感になった。
「不動産市場を通じてバブル経済の興隆から崩壊、その後の低迷を見てきましたが、97年に大手証券会社の破たんを見たとき、『これで日本経済は大きく変わるだろう』と実感しました」。
98年に米国本社の100%子会社である日本法人、バブコック・アンド・ブラウン株式会社が設立され、以来、ルーカス氏は代表取締役として日本市場の総責任者を務めている。
バブコック・アンド・ブラウン株式会社の主要業務は不動産投資事業とアセットマネジメント事業。とくに不動産投資事業では、案件発掘から物件精査・評価、資金調達、売り手との交渉、購入後のバリューアップ計画策定・実行、および物件の売却・処分までカバーしている。
このように「入口」から「出口」までワンストップ対応できるため、市場関係者の間では同社のビジネス展開はスピーディーである、と評判だ。数百のテナントが入居している物件の精査・評価は通常なら2〜3週間かかるが、同社は数日で購入価格をはじき出す。
「物件に対する先入観は持たないように心がけています。オフィス、商業施設、住宅を中心にさまざまなタイプの不動産を投資対象ととらえ、専門スタッフのスキルを結集して柔軟に対応します」。
ルーカス氏はさらに言葉を続ける。「私たちは98年から日本の不動産を投資対象とした私募ファンドを運用してきました。当社も一投資家として資金を投じたこのファンドは、不動産市場が低迷していた折もしっかりと成績も積んできました。投資妙味のある物件を見極めるノウハウはこの経験によるところも大きいですね」。
ルーカス氏の長年にわたる実績と私募ファンド運用で培ったノウハウを結集したのがオーストラリア証券取引所に上場した日本特化型不動産投資信託「BJT」といえる。組み入れ物件を見ると、首都圏を中心に北海道から沖縄県まで、各地のさまざまな物件に投資している。ルーカス氏は37の組み入れ物件(2007年3月末現在)のほとんどを実際に訪れ、周辺マーケットの環境などともに自らチェックしている。
過去の運用環境を比較すると、日本とオーストラリアの不動産市場の景気サイクルは大きくずれる傾向にあるという。つまり、自国型のLPTを保有しているオーストラリアの機関投資家にとってみれば、BJTに投資することはリスク分散につながるわけだ。
投資家の期待度の高いBJTを運用するうえで、ルーカス氏が最も頼りにしているのが東急リバブルの存在だ。
「東急リバブルは、投資家でありアセットマネジャーである私たちが求めるものを十分理解したうえで、物件紹介や物件取得をサポートしてくれます。何より、多くの投資家との密接なネットワークを持ち、そうした実際の買い手と売り手を熟知しているため、常に適切な売買価格をアドバイスしてくれる。これは大変に心強いですね」とルーカス氏。
また、日本の不動産市場は、賃貸借契約などに独自の商慣習が色濃く残っている。「こうした面でも、経験豊富な東急リバブルは大変頼りになります」(ルーカス氏)。
「オーストラリアの不動産投資信託市場は30年以上の歴史があります。投資家も仕組みをよく理解しているため、商品選別の目は厳しい。しかし、日本の不動産市場の将来性と運用の透明性の高さを併せもつBJTは、競争の厳しい市場の中でもきっと一定のポジションを確立するでしょう。BJT以外の事業でも、東急リバブルのソリューション・スキルを頼りにしています」。
「ビジネスは信頼のうえに成り立つ」と信じるルーカス氏が東急リバブルに寄せる信頼と期待は大きい。
|
東急リバブルが展開する不動産ソリューション事業は、経営破綻企業の不良債権処理からスタートした。2006年度年間取扱高は3000億円を上回る。全国規模で展開する情報ネットワークをフルに活用、精度の高い情報力と高度なソリューション能力で顧客の信頼を勝ち得てきたことが、その背景にある。現在は、公共セクターのアドバイザリー業務や、M&Aに伴う不動産売却支援等でのソリューション業務などにも力を入れている。
|
東急リバブル株式会社
ソリューション事業本部ソリューション事業統括部 〒100-6226 東京都千代田区丸の内1-11-1
パシフィックセンチュリープレイス丸の内(受付22F) TEL.03-5293-1122 http://www.real-solution.biz/ |