メディカル・ツーリズムという言葉をご存じだろうか。 リゾートなど旅先で、健康チェックや体質改善することを目的にした新しい旅の味わい方である。健康志向のせいか、世界各国でこのメディカル・ツーリズムが注目され、人気を呼んでいる。そして、その中心が意外にもアジアだという。 健康管理が大切になる年代。そんな海外旅行がちょっと気になってきた。 ■ ヘルスコンシャスな次世代の旅と出会う柔らかな光に包まれ、鳥の声で目覚めるリゾートの朝。しぼりたてのオレンジジュース、煎れたてのコーヒー。香ばしいトーストとできたてのスクランブルエッグ。普段は食べない朝食が旅先ではえも言われぬほどおいしいと感じることは多い。 そして、プールで泳ぎ、街中を散策し、疲れれば木陰でまどろむ幸せ。ストレスや日々のわずらわしさから解放される旅での気ままな時間ほど、現代の我々を健康的にしてくれるものはないかもしれない。 そんな海外旅行中にさらに本格的なメディカル・チェックおよび診療をしてしまうのが、メディカル・ツーリズム。海外で医療体験か、と心配するかもしれないが、これが驚くほどに整い医療技術のクオリティが高いところが少なくない。人間ドック、歯の矯正、肥満解消、禁煙、アンチ・エイジングなど目的、内容も幅広い。アメリカやヨーロッパなどの医療先進国はもちろん、タイ、シンガポールなどアジア主要国でもこのメディカル・ツーリズムが注目されている。 アジアきってのメディカル・ツーリズム国といえば、タイであろう。バンコクには日本人に人気の高い「サミティヴェート・スクムビット病院」や「バムルングラード国際病院」などまるで高級ホテルか、と思わせる豪華な設備を持った私立の総合病院がある。入口にはドアマン、ホテルのようなロビー、受け付けや診察は日本語が通じるほか、ドクターたちは日本や欧米での経験を持った人間も多く、医療水準は先進諸国並み。そして、何よりも魅力的なのが値段。海外旅行費用を考えても日本で受けるよりも安くあがる場合もある。最近はメディカル・ツーリズムを目的にした日本からの観光客が増えているため、航空券、ホテルや高級コンドミニアムの宿泊、観光などを組み合わせたパッケージを取り扱う会社もあるほどだ。 ■ ホリスティック・リゾートで自然回帰タイのもうひとつの魅力に、ナチュラルな要素を生かしたホリスティックな施設の充実度が挙げられる。その筆頭がホアヒンにあるチバソム。バンコクから空路で45分。タイ王室御用達のリゾート、ホアヒンはおだやかで静けさをたたえた美しきエリア。チバソムは1996年、世界初のホリスティック・リゾートとして誕生した。 医療専門家、看護士が常駐し、最先端の医療機器をそろえるなか、タイ・マッサージ、インドのアーユルヴェーダ、フィットネス、ワツと呼ばれる水中指圧、ヨガ、鍼灸など世界各国のホリスティックなメニューとトリートメントを整えている。 また、三食登場するのが塩分、オイル分を一切カットした特製スパ・キュイジーヌ。初日は味気なく感じるが、数日過ごすと野菜や魚など食材本来の滋味を舌が感じとるようになってくるから不思議だ。日の出と共に起き、日暮れと共に眠るという健康的な滞在も本来の生活リズムを揺り起こし、心と体が溜め込んだものが少しずつ消え去る清々しさに感動をおぼえる。 バンコクで人間ドックを受け、その後、ビーチリゾートや世界遺産の仏教遺跡見学などの観光を満喫。あるいはホリスティックなリゾートで心身の改善とリフレッシュ。バンコクに戻ってきた頃には日本語訳がついた診断書ができあがっている。 のんびりと海外旅行を楽しみながら夫婦そろってメディカル・チェック。どうやらそんな時代になってきたようだ。 文/寺田直子 デザイン/スウィープ・デザイン
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03「ディープラス」
04「チバソム」 ![]() |