東京建物不動産販売
NBonline Special
仲介情報を基に自ら不動産を購入

東京建物不動産販売
代表取締役副社長
坪井 和重

アセットソリューション事業は、大きく2つのビジネスモデルに分けられる。1つは、本来収益力がありながらそれが生かされていない不動産を取得し、付加価値を向上させて再販する業務だ。

法人仲介の情報として集まる不動産のなかには、何らかの理由で市場価格より資産価格が低下しているものや、一般に流通させるには順法性などに問題があり改善が必要なものもある。そのような不動産を取得したうえで、それぞれに必要なバリューアップを行い再販する。「例えば、順法性に問題があるビルは、改築してそれを正したり、場合によっては解体して別の用途にします。また、トラックレコード(物件収支表や設備取り換え履歴など)がないビルはそれを整備します」(坪井氏)。次の購入者が買いやすいように不動産に手を入れて流通性を高めるのが事業の本質だという。


少額出資により事業機会を確保


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もう1つは、国内外の投資家とともに組成する不動産投資ファンドへの出資だ(※右下図参照)。出資するファンドが不動産を購入・売却する時には、売買仲介に携わる機会が生じるほか、購入後の不動産のプロパティーマネジメントの受託機会も発生する。また、ファンドへの出資によって、賃貸収益(インカムゲイン)や不動産の売却益(キャピタルゲイン)が配当として得られる。少額の出資をすることにより様々な収益機会を確保し、それを効率良く自社の収益につなげている。

通常、仲介会社はファンドなどに不動産を紹介するが、仲介した不動産についての結果責任を負わない。しかし、仲介会社である東京建物不動産販売がファンドに出資することにより投資家とともにリスクもリターンも共有する、いわゆるセームボートの姿勢で臨んでおり、この姿勢が投資家から厚い信頼を得ている。

また、ファンドに出資する投資家が同社をパートナーとして選ぶのは、法人仲介の分野で豊富な実績を持っているからだ。同社の仲介事業に占める法人仲介の割合は収益ベースで約8割と、同業他社と比べ圧倒的に高い。

一般的な法人仲介は、事業法人による不動産売買やファンドなどの不動産投資が中心だが、取引には金融機関の融資が伴う場合が多い。また、相続によって大きな不動産が取引されることもある。同社は長年にわたって金融機関や弁護士などとの不動産の情報パイプラインを構築することで、法人仲介の収益機会を拡大してきた。

「メガバンクを中心とした金融機関との密接な関係があり、更に弁護士や税理士などとの多くの情報チャネルを築き上げることができたのが、当社の法人仲介の強さの源泉です」(坪井氏)


今は事業展開に有利な時期


東京建物不動産販売
アセットソリューション営業部長
中町 純一

同社に法人営業部が設立されたのは1999年。当初は金融機関が抱える不良債権化した不動産の処理を行うことが多かったが、そのなかで収益不動産を取得して再販する業務を手がけたり、投資家と共同で不動産投資ファンドを立ち上げるなど実績を積み上げ、アセットソリューション事業の輪郭が描かれていった。

その後、2003年に法人営業部内にアセットソリューション営業室を新設し、事業を本格化。現在では、同社が購入した販売用不動産残高が約200億円、出資するファンドが購入した収益不動産を合わせると関与資産は1,000億円規模にまで拡大しており、それに併せて仲介やプロパティーマネジメントなどの関連収益も順調に拡大している。

米国のサブプライムローン問題をきっかけに、不動産投資市場の転機が問われる今、市場の行方と事業の展開をどのように見ているのか。

中町氏は、市場の行方をこう語る。「日本の不動産投資市場はアジアのなかでも安定しており、魅力的であると見られています。オイルマネーをはじめ、グローバルな資金はまだまだ入ってくる余地があります。サブプライムローン問題に伴う金融機関の融資姿勢の厳格化の影響がありますが、外資系の投資家は今後も変わらず投資に意欲的であると見ています」。

同じ見方に立って、坪井氏は事業の成長戦略をこう描く。「不動産の証券化は成熟するまでに30年かかると言われています。外資系の投資家でも、短期ではなく長期的な運用を望むケースが多く、不動産投資市場はまだ成長の余地がたくさんあります。しかも東京圏では人口や事業所が増え続けています。そうした観点からも、成長は見込めると言えます。不動産投資市場の転機が言われるなかで、取引価格は落ち着いてきています。不動産を取得するには今がチャンスです。事業展開に有利な時期を迎えています」。


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