世界鳥瞰

ダイムラー株取得、中国の狙い

2018年3月8日(木)

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独自動車メーカー、ダイムラーの筆頭株主となった吉利集団は、今や世界の主要自動車メーカーを傘下に収める。巨額の資金を投じて買収を続けるも、企業の海外投資に制限を設けようとする中国政府からの「おとがめ」はない。ダイムラーの持つ電気自動車の技術を取り込み、自国の産業発展に役立てたい思惑があるのではといわれている。

独ダイムラーは、世界で高級車「メルセデス・ベンツ」を展開する。電気自動車でも優れた技術を持つことで知られている(写真=ロイター/アフロ)

 中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団の李書福董事長は、独ダイムラーの筆頭株主となった数時間後、世界が中国の一企業家に向けた懸念を払拭しにかかった。「現在の自動車業界には、外部からの侵略者との戦いに単独で勝てるプレーヤーはいない。成功を収めて高度な技術を手に入れるためには友人、すなわち提携相手と同盟関係が不可欠だ」 と李董事長は語った。

 だが吉利と、猛烈な野心を持ったその経営者は、ドイツ人から「侵略者」と思われないよう努力しなければならないだろう。浙江吉利控股集団は企業の買収と株式の購入を通じて、いつの間にか世界の自動車業界における有力企業になっている。今やスウェーデンのトラックメーカーであるボルボ・グループの筆頭株主であるだけでなく、同じくスウェーデンのボルボ・カーや英スポーツカーブランドのロータス、マレーシアの自動車メーカーのプロトン、香港で上場する自動車メーカー吉利汽車、英国のタクシーメーカーLEVC、デンマークの投資銀行サクソバンク、空陸両用の“空飛ぶ自動車”を開発している米国の新興企業テラフギアを傘下に収めている。

 李董事長は、ダイムラー株式の9.7%、90億ドル(約9500億円)を自分の名前で取得した。拡大を続ける同氏のポートフォリオに新たに加わったこの会社は、中国勢による自動車会社への投資案件としては過去最大のものだ。

日経ビジネス2018年3月12日号 106~107ページより

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