世界鳥瞰

南シナ海武装化が意味するもの

2018年5月17日(木)

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中国が南シナ海の岩礁を埋め立てた人工島にミサイルを配備していることが明らかになった。中国政府は軍事化ではないと否定するが、米国や近隣諸国に対して圧力をかける狙いは明白だ。米国では、軍事面以外でも中国の圧力に対する反撃の機運が高まっており、波乱は避けられそうにない。

中国史上最大の海上閲兵式に参加する習近平国家主席(写真=新華社/アフロ)

 米国のフィリップ・デービッドソン海軍大将は、4月に議会上院にある証言書を提出した。同大将がその中で触れた内容は驚くべきものだった。中国は、フィリピン、マレーシア、ベトナムと領有権を争う南沙(スプラトリー)諸島の複数の岩礁において船舶が航行しやすいように海底を掘り下げたり、武装化を進めたりした結果、「今では、米国との戦争を除くあらゆるシナリオにおいて南シナ海を支配する能力を有する」というのだ。ドナルド・トランプ米大統領は同大将を太平洋軍の次期司令官に指名している。

 デービッドソン大将は、中国が実効支配する、かつては無名だった岩礁に今ではレーダーアンテナや電子戦装備があふれ、航空機の格納庫や敵弾の被害を避けるために設ける掩蓋(えんがい)が散在すると記している。足りないのは「兵力の配備」だけだと同大将は述べ、これらの基地の建設は南シナ海を軍事化する意図はないとした中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席による2015年の声明と矛盾していると指摘した。

 証言書によれば、これらの中国の前哨基地がひとたび稼働すれば、この地域における米国の影響力を脅かし、海域の領有権を主張するアジア諸国は「容易に圧倒される」という。

日経ビジネス2018年5月21日号 88~89ページより

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