世界鳥瞰

「100年債」危機が示す教訓

2018年5月17日(木)

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アルゼンチンペソが史上最低水準まで急落したのを受け、同政府が国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。アルゼンチンが陥った経済危機は、緩和状態に慣れきった世界経済に対する警鐘であり、人ごとではない。こうした「小さな混乱」への対応力を高めれば、規模の大きい金融ショックにも耐えられると筆者は指摘する。

 アルゼンチン国債が世界の投資家から引っ張りだこだったのは今からわずか1年前のことだ。利率わずか7.9%という同国史上初の100年債に多くの投資家が群がった。アルゼンチン債が過去200年に8回もデフォルト(債務不履行)した事実など、誰も気に留めていなかった。

 しかし、5月に入って通貨ペソは対ドルで過去最低水準にまで急落した。そして、それ見たことか。アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は8日、国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。

前回デフォルト危機時の対応から、IMFへの不信感が強いアルゼンチンでは支援要請に反対するデモが起こっている(写真=ロイター/アフロ)

 前述のアルゼンチン100年債も傷を負った。昨年後半は、額面の105%の水準にまで値上がりしていたが、現在は85%程度の水準で売買されている。この状況は、マクリ政権とその支持者たちに厳しい現実となって立ちはだかっている。多くの人々が、マクリ大統領が実施する「漸進的な改革」が、長年続いた経済の混乱や膨大な債務、経済成長の低下に終止符を打つと期待を寄せていたからだ。

日経ビジネス2018年5月21日号 90~91ページより

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