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高橋 浩一(たかはし・こういち)

TORiX代表取締役

高橋 浩一

東京大学経済学部卒。ジェミニコンサルティング(その後ブーズ・アンド・カンパニーに)で勤務した後、アルーを創業、取締役及び副社長として組織マネジメントに従事。2011年にTORiXを設立して代表取締役に就任。 自らがプレゼンしたコンペの勝率は100%(現在も7年以上継続中)。その経験を基にしたメソッドが非常に好評で、年間200件以上の研修登壇、800件以上のコンサルティングを実施。 テレビ取材『新ニッポン探検隊!』『ワールドビジネスサテライト』 新聞・雑誌取材 日本経済新聞、日経BP社など多数。

◇主な著書
人を巻き込む仕事のやり方』(ファーストプレス) 2009
バカ売れ営業トーク1000』(中経出版) 2011

◇関連リンク
TORiXのホームページ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

その営業トーク、ちょっと待った!

「ご連絡します」を信じていいのか

2017年3月22日(水)

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「それではご連絡をお待ちしております!」

 商談の終わり際、元気の良い声とともに、その営業担当の方(Sさん)は深々と頭を下げました。私は、少し複雑な気持ちとともに、商談後に営業の方を見送りました。

 私が経営している会社に対して提案に来た営業担当者とのやり取りにおける一場面です。営業担当Sさんのプレゼンを聞いた直後の私の正直な心情は、以下のようなものでした。

 「うーん、どうしよう。もっと具体的にメリットが見えたら発注するかもしれないが、メリットと費用のバランスについて、改めて整理して考えてみないと何とも言えないな。もし何か不明な点があれば、後からSさんに質問すればいいか。まあ、依頼する確率はそこまで高くないかも…」

 そして、私はSさんのプレゼンを聞いた後に、「検討して、こちらからご連絡差し上げます」と答え、商談の場では決断を保留したのです。

「返事待ち」が正しいとは限らない

 さて今回は、クロージングに対してお客様側が「決断を保留する」場面がテーマです。

 商談の終盤でクロージングをした際、お客様が「もうちょっと考えてみます」のようなせりふを発するのは、よくあることです。

 それに対して営業マンも、「かしこまりました。それではご連絡をお待ちしております」と返す場合が多いでしょう。

 このような、お客様が決断を先延ばしにするケースでは、その場で何もせずに、ただお客様からの返事待ちに徹するのは適切な対応であるとは言えません。

 というのも、決断を保留するお客様の心理にはいくつかのケースがあり、これを理解せずに「単なる返事待ち」対応を取ってしまうと失注のリスクが高まるからです。

決断を先延ばしにする顧客の心理

 「検討します」「考えてみます」のように、「決断を保留して先延ばしにするお客様の心理」というのは、以下のように整理することができます。

 Aのケースは「お客様の中では情報の整理もされていて、かつ、買うことに前向きにもなっている」に該当します。それでも決断を先延ばしにしているということは、何か具体的に引っかかる点があり、その点がクリアされれば決断に踏み切れるということを意味しています。

 このようなケースでは、「1つだけお聞きしてもよろしいでしょうか」のように切り出し、何が引っかかっているかをヒアリングすることが必要です。

 営業側が質問することで、何がネックなのかを把握することができます。決断の先延ばし要因を特定することができれば、その要因を解決することによって、受注する可能性が高くなるでしょう。

情報の整理をせずに営業マンが帰ってしまうと

 一方、Bのケースは「買うことには前向きだが、お客様の中で情報が整理されていない」に該当します。この場合は、お客様と一緒になって、もう少しその場で情報を整理する必要があります。

 ここで、情報の整理をせずに営業マンが帰ってしまうと、お客様の購買意欲は、上がるか下がるかで言えば、下がる場合が多いでしょう。営業マンが帰った後に、ひとりでにお客様の購買意欲が高まるほど甘くないのが現実です。

 ですから、Bの場合は「買うことに対して前向きに感じる要因は何か」「一方でネガティブに感じることは何か」を洗い出し、ネガティブに感じることは本当に払拭できないのか、あるいはお客様に正しい情報が伝わっていないことによるものなのか、そういったことをクリアにしなければなりません。

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