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居林 通(いばやし・とおる)

UBS証券 ウェルス・マネジメント本部 ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド エグゼクティブ ディレクター

居林 通

1992年から2003年まで、国内大手投資信託にてアジア株および日本株のファンドマネージャーを歴任。その後2003年から2006年まで、ヘッジファンドにて日本株の運用などに携わった。2006年9月、UBSウェルス・マネジメント部門のアナリストとしてUBS証券に入社。富裕層顧客に向けて、日本の株式、経済動向を分析し、国内・海外に発信している。日経CNBCなどにコメンテーターとして出演する傍ら、日本経済新聞、日経ビジネス、ロイターなどの各種メディアでも解説記事、インタビューなどを通してUBSのハウスビュー(投資見解)を提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

市場は「晴れ、ときどき台風」

台風逸れて、2018年も上天気?

2017年12月18日(月)

年末年始の特別企画として、日経ビジネスオンラインの人気連載陣や記者に、それぞれの専門分野について2018年を予測してもらいました。はたして2018年はどんな年になるのでしょうか?

(「2018年を読む」記事一覧はこちらから)

【今回の概要】

1) 足元の世界の景気動向、日本の企業収益は予想以上に堅調。 

2) 企業が設備投資に踏み切ったこと、特に中国が積極的な投資をしていることが日本を含め世界の企業活動の活性化につながった。

3) しかし、2018年には世界経済の回復過程は9年目に入る。日本株市場も6年連続での上昇となり、来年で7年目を迎える。時間軸的には注意が必要。

4) 大きな不安材料がない現在の金融市場は逆に言えば、好材料をほとんど織り込んでいるのかもしれない。企業業績の伸び率低下に注意。

今回は居林さんに、2017年の市場の振り返りと、18年の予測をお願いします。まず、年末に向けて、本欄の予測に比べ、だいぶ株価は高値で推移しているようですが、この辺から。

居林:はい。前回の記事から3カ月、企業業績もその反映である株価もその時の予想よりも上がっています。市場が間違っているのか、あるいは自分が考え方を変えるべきなのか、大変悩み、今までやったことがないような分析も繰り返して考えました。

 2017年は、GDPなどから見る景気サイクルから考えるとピークになりそうで、そこからの下落に注意しなければと思っていたのですが、実際には秋口から企業業績は再加速しています。世界で見れば、米国、そしてインド、ブラジルなどの新興国の景気が拡大。これは私にとって2017年最大のサプライズです。世界経済をここまで新興国が引っ張るとは思っていませんでした。

2017年、世界の実質GDP成長率の貢献度を地域別に分解
ソース:UBS 以下の図表は全てUBS提供

 企業収益の伸びが、出遅れてきた日経平均の伸び率を支え、世界で上から6番目に入っています。もっとも今年は、世界のどこに投資してもマイナスにはなりませんでした。

終わってみれば6年間連続プラス

日本市場だけを見るとどうでしょう。

居林:今年がプラスで終わるとすると、2012年から6年連続プラスです。ここ20年近くなかった状況です。

アベノミクス開始から5年のリターンは毎年プラス

 というわけで、今年はいい年でした。私が恐れていたような中央銀行の景気の引き締め、トランプ政権、ヨーロッパの選挙といったファクターが、今のところ全部杞憂に終わった、というのが正直なところです。とりわけ、日本の総選挙(17年10月)が終わった後に株価が大きく上昇したのは驚きでした。

 「日本企業の業績は好調だ」と判断した海外投資家の買いが約3兆円入って、日経平均はレンジから上に振れました。その背景に選挙の影響がどれほどあるのかは分かりませんが。ともあれ3カ月で15%の上昇は、この期間だけで見れば世界一のパフォーマンスです。

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