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居林 通(いばやし・とおる)

UBS証券 ウェルス・マネジメント本部 ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド エグゼクティブ ディレクター

居林 通

1992年から2003年まで、国内大手投資信託にてアジア株および日本株のファンドマネージャーを歴任。その後2003年から2006年まで、ヘッジファンドにて日本株の運用などに携わった。2006年9月、UBSウェルス・マネジメント部門のアナリストとしてUBS証券に入社。富裕層顧客に向けて、日本の株式、経済動向を分析し、国内・海外に発信している。日経CNBCなどにコメンテーターとして出演する傍ら、日本経済新聞、日経ビジネス、ロイターなどの各種メディアでも解説記事、インタビューなどを通してUBSのハウスビュー(投資見解)を提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

市場は「晴れ、ときどき台風」

投資チャンスはいったん終了。次を狙うには?

2017年5月12日(金)

 4月19日の本連載で、「今、風は変わった。投資のチャンスです。」と題して、トランプ政権成立から続けていた弱気姿勢を変更しました。

 トランプ政権に対する見方が変わったわけでも、「日本の企業収益がピークに近い」という見方を変えたわけでもありません。ですが、為替と株価が政治的状況に過剰反応している、と見て、リバウンドを予想しました。

目先の材料は出尽くした

 過剰反応を具体的に言いますと、「トランプ旋風」と呼ばれた相場が、3月13日(月)に日経平均を1万9633円、1ドルを114.88円の水準まで引き上げた後、4月14日(金)には日経平均株価1万8335円、ドル円が108.64円まで急落したからです。

 原因はいくつか挙げられます。トランプ政権はオバマケアの代替策を成立させることができず、シリアに巡航ミサイルを放ち、北朝鮮との緊張は高まりました。そこで、今まであった「トランプ氏の政策への期待」に対する金融市場の自信が揺らぎました。加えて、フランス大統領選挙でEU離脱派のマリー・ルペン氏が勝つのではないかという観測もありました。

 市場にリスクがようやく織り込まれたわけです。一方で、ドル円は妥当な水準まで円高になるであろうこと、日銀によるETFの買い支えが当面続くことを考えると、この相場はいったん戻る、と期待できました。

 その後、北朝鮮との緊張はやや和らぎ、結果として中国とアメリカの反目を回避させるというプラス効果まで生んだように見えます。その間、フランス大統領選挙は第1回投票で、事前の支持率調査通りマクロン氏とルペン氏が決選投票に進みました。

 フランス大統領選第1回目の結果が出ると、市場はすぐにプラスに反応し始めました。これは「事前の支持率調査通り」という、コンセンサスを維持できたことが功を奏したのです。昨年は、イギリスの国民投票でEU離脱、米国ではトランプ大統領誕生と、支持率調査とは違う結果が出てしまったので、投資家は選挙結果について事前の支持率調査をあてにできなくなっていたと思います。よって、フランス大統領選挙については、市場は「どうなってもおかしくないぞ」と過敏に反応していました。しかし、第1回投票で事前の調査通りの結果になったので(その前のオランダの国政選挙でもほぼ事前の予想通りで保守派が勝利していることもあり)、リスクを再度許容できるようになった。これがフランス大統領選挙の結果に投資家が反応した理由だと思います。

 そして5月7日のフランスの大統領選第2回投票で、やはり「予想通り」マクロン氏が勝利しました。これで、目先の好材料は出尽くした、と私は見ます。

投資家ならば、解説のその先へ

 日経平均も今年の高値を更新しました。3週間強で7.8%程度のリバウンドは悪くないと思います。市場における今回の過剰反応の修正はほぼ終了したのではないでしょうか。私の市場に対する見方も元に戻り、これ以上の日経平均の上昇には懐疑的になっています。
 今は、トランプ政権が今後アメリカの経済成長を本当に加速できるのか、税制改革はどこまで実現するのか、について注目しています。また、原油価格が下落していることも私の注意事項に入っていて、警戒しています(オイルマネーの金融市場への流入が細るので)。

 と、ここまでは、経済誌に載るような解説です。起きたことの解説は、どんなに「なるほど」と思っても、実はそれを読むだけではあまり意味がありません。相場の環境が再び変わったことをお伝えできれば十分です。

 大事なのは「なぜそう考えたか」であり、その考え方の理解、「どうしてそう考えるのかを考える」をもって、市場参加者、プレーヤーとしての自分流の勝ちパターンを培うこと、だと思います。そのための題材を、今回の相場の動きを通して二つ、お話ししようと思います。

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