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牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役/調達・購買セミナー講師

1992年、明治大学政治経済学部卒業。重工業メーカーで、発電プラントの輸出営業を経験後、資材部へ異動し、購買業務に従事。現在は、外資系機械メーカーで、アジア太平洋地域のサプライチェーン管理を担当。2012年、未来調達研究所株式会社取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信をおこない、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。神戸大学ではトップマネジメント講座の調達購買分野、日本の取引構造の変遷に関する講義を担当している。

◇主な著書
図解入門ビジネス 最新 調達・購買の基本とコスト削減がよーくわかる本』(秀和システム) 2013
大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた―これからのほんとうのリスクヘッジ』(日刊工業新聞社) 2011

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

目覚めよサプライチェーン

「近くて便利」の次にセブンが狙うこと

2018年4月11日(水)

(写真:ロイター/アフロ)

 コンビニエンスストアは、名前の通り「便利さ」を武器に業績の拡大を図ってきた。しかし、2017年には店舗数が5万6000店を超え、5万店で市場が飽和状態といわれる中、店舗間の競争は激化の一途をたどっている。「便利さ」を提供するためには、消費者ニーズに対応して変化・拡大が欠かせない。これまでも、公共料金収納代行サービス、銀行ATMの設置、医薬品や酒類の販売、プライベートブランドの開発といった「便利さ」を示す商品やサービスを展開して、業績拡大を図ってきた。

 4月5日に行われたセブン&アイ・ホールディングスの2018年2月期決算報告会では、「生産性向上(サプライチェーン全体の働き方改革サポート)」が発表された。サプライチェーンで「働き方改革」を実現しつつ、消費者ニーズの変化を捉え、業績の拡大を図るという難しい挑戦が示されている。具体策には新たな「便利さ」を顧客に提供する狙いがある。

物流問題は効率化で乗り切る

 セブン-イレブン・ジャパンが取り組むのは、人手不足の影響が深刻な物流への対応だ。まず、飲料やビール、雑貨類は、配送頻度をそれぞれ週7回から6回、3回から2回へと削減する。その一方で「カウンターFF消耗品」は、週3回から6回へと頻度を倍増させる。

 配送回数だけをみれば頻度アップだ。しかし、物流への負荷を増やさない工夫を施している。納入時間帯を見直し、日中納品を追加してトラックの稼働率をアップする。既存の物流リソースの生産性の向上をもくろんでいるのだ。加えて、雑貨やリキュールの納品ロットをメーカー荷姿にし、物流センターでの中間作業も削減する。こういったサプライチェーン全体を見通した、細かい各工程でのリバランスによる生産性の向上は、いかにもセブン-イレブン・ジャパンらしい取り組みだ。

 取り組みの背景には、顧客ニーズが変化すると同時に、コンビニ業界だけではなく異業種を含めた競争激化の中で、業績拡大を目指す同社の戦略がある。配送頻度を拡大する「カウンターFF消耗品」とは、レジカウンターに置いて販売するファストフードを指す。肉まんや、あんまん、おでんや揚げ物が該当する。加えて、現在展開している新型店舗では冷凍食品の陳列棚を拡大する。

セブン-イレブン・ジャパンの戦略を表すテレビCM

 最近のセブン-イレブン・ジャパンのテレビCMを思い出してほしい。「近くて便利」を訴えると共に、カウンターFFや弁当、惣菜に必要な材料調達、調理、輸送といったサプライチェーン全体の「安心」を強調する内容が多い。カウンターFFや弁当、惣菜を家庭内の食卓へ提供するのが狙いだ。「保存料、合成着色料不使用」といった食の安全への配慮にとどまらず、「1日に必要な野菜の1/2」のような、消費者の健康志向にも配慮した商品展開を訴えている。

 食品の安全と鮮度を保つコールドチェーンも重要な役割を担う。健康志向の高い消費者には欠かせないサラダの、材料入荷から製造までを一貫して4度以下に保つ低温・連続工程を導入する。徹底した温度管理の実現によってサラダ類の販売鮮度を従来よりも1日伸ばす。販売ロスを敬遠して入荷を控えた結果で発生する販売機会の逸失を避ける狙いだ。

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