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大江英樹(おおえ・ひでき)

経済コラムニスト

大江英樹

大手証券会社を定年退職後、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学、資産運用、企業年金、シニア層向けライフプラン等をテーマとし、執筆やセミナーを行う。日経電子版でコラム『定年楽園への扉』を連載。著書に『投資賢者の心理学』(日本経済新聞社)『定年楽園』(きんざい)『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』(日経BP社)などがある。

◇主な著書
投資賢者の心理学』(日本経済新聞社) 2015
定年楽園』(きんざい) 2014
定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』(日経BP) 2017

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

「定年男子 定年女子」の心得

老後が不安なら“老後”を無くせばいい

2017年3月31日(金)

大江英樹(おおえ・ひでき)氏
経済コラムニスト。1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。写真:洞澤 佐智子

 老後は誰にとっても不安です。健康、お金、孤独などなど、不安の要素はたくさんあります。なぜ老後が不安なのかという最大の理由、それは誰もが老後を経験したことがないからです。「私はかつて75歳だったことがある」などという人はひとりもいません。「自分の老後」は全ての人にとって、これから訪れる未知のことなのです。経験したことがなければ何が起こるかわかりません。せいぜい自分の親や先輩の姿を見て推測するしかないわけです。

 実際、齢をとると、次々と嫌なことが襲ってきます。
 健康面で考えると、私は50歳になった時に明らかに体力の衰えを感じました。40代までは多少衰えたとは言え、徹夜も平気でしたし、睡眠時間3時間ぐらいの日が続いても土日に寝だめすれば回復していました。20代、30代の頃と比べてさほど違いはなかったのです。

 ところが50歳になったとたんに、急激な体力の衰えを感じました。更に60歳になると具体的に体の悪い箇所が出てきたのです。健康状態は人それぞれですから誰もが同じではないですが、加齢による身体能力の低下は避けようがないと言ってもいいでしょう。

 お金についても多くの人は将来のお金の「入」と「出」、すなわちキャッシュフローをあまり理解していません。面白いことに「老後は不安」であるにも関わらず、「関心がない」のです。おそらくは心のどこかに「何とかなる」という気持ちを持っているのかもしれません。確かに何とかならないわけではありません。

 一番大きいのは、公的年金の存在です。リタイアしてから死ぬまでずっと支給される公的年金は、たとえるなら国から支給されるお弁当のようなものです。但し、一日一食しか支給されません。サラリーマンや公務員と違って基礎年金のみの自営業・フリーの場合は、おかずなし・白飯のみの一日一食といっていいかもしれません。

 したがって公的年金だけでは、飢え死にすることはないものの十分満足のいく生活をおくるのは難しいのです。そのうえ、その公的年金の額すら自分で把握していない人も多いのですから、これは不安になるのは当然だと思います。

イラスト/フクチマミ

 では、老後不安を解消するにはどうすればいいのか?勉強して知識を得る、現役時代からお金を一生懸命貯める、コツコツと投資を続けて資産形成を図る、日々食事に気を付けて運動を欠かさないようにするなど、老後対策と言われているものを数え上げるとキリがありません。しかしながらどれよりももっと簡単に老後不安を無くす方法があります。

 それは“老後をなくすこと”です。

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