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西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人Japan Innovation Network専務理事/テンプホールディングス株式会社社外取締役

西口 尚宏

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局(ワシントンDC)、マーサー社のグローバルM&Aコンサルティングのアジア太平洋地域代表(ワールドワイドパートナー)、産業革新機構 執行役員等を経て現職。

◇主な著書
M&Aを成功させる組織人事マネジメント』(日本経済新聞出版社) 2007
人事デューデリジェンスの実務(共著)』(中央経済社) 2006

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

「大企業からイノベーションは興らないという定説を覆す活動」に注力。イノベーション経営を推進する経営者のコミュニティ「イノベーション100委員会」を経産省や株式会社WiLと共同運営するなど、経営者の役割の重要性と具体的な企業内アクセラレーションプログラムの運営に焦点を当てる。
オープン・イノベーション活動としてSDGs(持続可能な開発目標)をイノベーションの機会として捉える「SHIP(SDGs Holistic Innovation Platform)」をUNDP(国連開発計画)と共同運営。文部科学省 国立研究開発法人審議会 委員、ISO90001 TC279 委員。

日本と世界の最新イノベーション事情

パナソニック社長:失敗のスピードを速めよ

2017年9月14日(木)

 パナソニックの津賀一宏社長は、消費財メーカーらしい発想でイノベーションのあり様を見ている。曰く、「短期的にコンペティター(競合)の少ない世界を作り出す」。長期に独占できる市場づくりは不可能に近い。だから、短期的に独占できる市場を常に作り続けていく。コンペティターの先を常に走る。それしかない。その歩みが鈍化した会社から朽ちてしまう。
津賀一宏(つが・かずひろ)氏
パナソニック社長。1979年、松下電器産業入社。マルチメディア開発センター所長、AVCモバイル・サーバー開発センター所長を経て、2008年にオートモーティブシステムズ社社長、2011年にAVCネットワークス社社長に就任。2012年6月より現職。「素直な心で衆知を集めて、未知なる未来を創造する」を座右の銘とする(写真:北山 宏一、以下同)

 「ビジネスが儲からないのは、ひとえにコンペティターが多すぎて、価格競争に力を注がなければいけなくなるからです。そんなマスマーケットで先を行く技術開発や製品開発をやり続ける環境ではもはやないと思っています。ではどうするのか?ニッチマーケットに行くわけです。なかなか採算が合わないのがニッチマーケットですが、私たちは採算が合うマーケットを探します」(津賀氏)

 そこでパナソニックが、今、力を入れているのが自動車メーカー。主戦場はデジタルコックピットだ。

 「各メーカーにはこだわりがあって、どのメーカーのデジタルコックピットも似て非なるものです。それぞれ求めるスペックが違う。だからニッチです。ニッチに尖らなければいけない。その分、コンペティターが少ない。外国勢もそうそう参入できない。そういうマーケットを見つけて、社内のリソースを有効活用しようというわけです」(津賀氏)

 もっとも、それだけでは将来をまだ見通せない。新たなマスマーケットを自ら切り開くことも必要になる。同社にとってのそのためのターゲットのひとつは、介護事業だ。

 「『パナソニックがなぜ介護事業?』と疑問を投げかけられる領域にも投資をしています。ある程度規模を目指しますが、あくまでもメインに追い求めるのはボリュームではなく、そこでITなどを使って、どのような進化を成し遂げることができるかということです」(津賀氏)

 介護事業も現在はニッチマーケットだが、このマーケットは未来のマスマーケットだという。しかも、津賀氏曰く、「ITメーカーはバーチャルな世界で暮らしているから、リアル性が高くなればなるほど、足が引けるもの」と。

 「以前、ある大手IT企業が自動車のナビゲーションシステムを受注したのですが、バグばかり出してしまうということがあった。たとえどんなに素晴らしいIT企業でも、泥臭い現場まで下りていくのはむずかしい。だから勝手がわからない。同様に介護現場まで下りてこられるITメーカーはそう多くないと踏んでいます。そんなふうに現場感あふれる事業はITメーカーが最も苦手とするので、いまだにITやロボティクスなどの進化の可能性が大きなニッチ領域ということになります。私たちは今後、そうした場所を増やしていくつもりです」(津賀氏)

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グローバル市場でいい仕事をしたければ、まず「世界に通用する見識」を磨くことだ。

中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授