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加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

加藤 崇

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。法人融資業務などに従事したのち退職。KPMG日本法人を経て、オーストラリア国立大学で経営学修士号(MBA)を取得。技術系ベンチャー企業社長などを歴任し、2011年、加藤崇事務所を設立。ヒト型ロボットベンチャーSCHAFT共同創業者兼取締役CFO就任。2013年にSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。スタンフォード大学客員研究員(兼任)。

◇主な著書
未来を切り拓くための5ステップ』(新潮社) 2014
無敵の仕事術』(文春新書) 2016

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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2017年9月21日(木)

真夏のサンタクルーズでオフサイトミーティングです

 8月16日、僕たちの会社フラクタの面々は、ギラギラと太陽が照り映える、真夏の太平洋に面した街、サンタクルーズにいた。レッドウッドシティのオフィスから、車で南に1時間半ほど、第二回のオフサイトミーティングをここで行うため、一泊二日の旅程が組まれているのだ。

 朝はオフィスに集合し、ちょっと打ち合わせをして、ランチを食べてから向かったので、サンタクルーズの宿泊先(またAirbnbという民泊サイトで借りた一軒家)には16時くらいに到着した。この家から歩いて10分ほどで海に出られるというので、せっかくだから海を見に行こうということになった。みんなで海を目指して雑談をしながらしばらく歩くと、ボードウォークという、海に面した、昔からそこにあったであろう古びた遊園地に到着した。もう海は目の前なのだが、波打ち際まで出る前に、さらにちょっと寄り道していこうという話になり、遊園地の名物らしいゴーカートに乗って皆でレースをしたり、木製のジェットコースターに乗って遊ぶことにした。

安全バーから手を離せ!

 だいたいこういう寄り道を提案するのはCOOのラースさんで、何をやるにも本人が一番盛り上がる。ゴーカートでは一方通行を逆走し(僕たちの車にニヤニヤしながら突っ込んでくる)、ジェットコースターでは「安全バーから手を離さなければならない」という勝手なルールを作って皆に強要している。彼は何とも大人げない、しかし愛すべき人間だ。

 ところで、ラースさんという人は特殊な人生観を持っており、とにかく何でも新しいものを端から試していくようなところがある。ランチを食べにレストランに行っても、もしそれが以前来たことがあるレストランならば、必ず前回と違うメニューを頼む。特に変わった名前のメニュー、知らない名前のメニューを頼むのが好きで、たまに見事に大ゴケする。

 たとえば以前、日本食レストランにランチを食べに行ったときには、「お刺し身セット」みたいな名前のメニューを頼んで、マグロの刺身3切れと味噌汁だけがラースさんのもとに運ばれてきて、それだけでランチを終えたことがある(たぶんそのメニューは、お酒の肴みたいなメニューだったのだ)。またある時は、中華料理店にランチを食べにいって、これまた「◯◯の炒め物」という目新しいメニューを頼み、結果としてチンゲン菜のような青菜が4、5切れだけ小皿に盛られて出てきたこともあった。みんなが普通のランチを食べているのを横目に、常に目新しいメニューに挑戦していくラースさんを見ながら、僕はいつも感心している。

 さて、遊園地のジェットコースターから降りると、僕たちは小さな波が押し寄せるサンタクルーズの白い砂浜に出た。しばらく歩いて水際まで来たかと思って隣りに目をやると、ラースさんがTシャツを脱いで急に走り出した。一瞬自分の目を疑ったが、ラースさんは全力で走っていって、思い切って海に飛び込んでしまった。いったいこの人の明るさはどこから来るのだろうか。「カリフォルニア」を絵に描いたようなパーソナリティーとは、まさにこの人のことを言うのだろう。そして、気づけばそこに吉川君も合流している…。2人はズブ濡れになったものの、何だかとても楽しそうだった。

 夕方を迎え、海辺でシーフードいっぱいのディナーを食べると、宿に戻って、オフサイトミーティング恒例の映画タイムになった。今回は、前回の記事で紹介した映画『タッカー』を全員で見た。

 変わっているということは悪いことじゃない、挑戦することは悪いことじゃないと気づかせてくれる、実に良い映画だ。大手自動車メーカーの政治力に潰されていく自動車ベンチャー。大手自動車メーカーはタッカー社を陥れ、局地的な戦いに勝ったように見えるかも知れないが、弱い者いじめをして足を引っ掛けたところで、全体として見ればアメリカの国力が落ちるだけだ。タッカーは最後の裁判でそう訴える。僕も一度きりの人生ならばタッカーのような心持ちでありたいと思いつつ、その日は眠りに落ちた。

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