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加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

加藤 崇

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。法人融資業務などに従事したのち退職。KPMG日本法人を経て、オーストラリア国立大学で経営学修士号(MBA)を取得。技術系ベンチャー企業社長などを歴任し、2011年、加藤崇事務所を設立。ヒト型ロボットベンチャーSCHAFT共同創業者兼取締役CFO就任。2013年にSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。スタンフォード大学客員研究員(兼任)。

◇主な著書
未来を切り拓くための5ステップ』(新潮社) 2014
無敵の仕事術』(文春新書) 2016

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

サムライ経営者、アメリカを行く!

なぜ引っ越すか? そこに成長の芽があるからだ

2017年4月19日(水)

 3月15日、一昨年の秋から1年半過ごしたサンノゼのオフィスを引き払い、レッドウッド・シティにオフィスを移転した。

 レッドウッド・シティは、地理的に、ちょうど南のサンノゼと、北のサンフランシスコの間くらいにある都市だ。ダウンタウン(目抜き通りのある繁華街)は人で賑わい、サンノゼと比べると、エンジニアだけではなく、ビジネスマンやファミリー層など、国籍の違いだけではなく、色々と異なる生活を営む人たちが街を行き交っているのを感じる、元気のある街だ。

レッドウッド・シティの街並み、ダウンタウンです

ありがとうリンダ、よろしくレッドウッド

 僕たちの会社も、だんだんと人が増え、サンノゼのオフィスが手狭になってきたので、昨年末から移転をするためにいくつかのオフィス物件を検討してきたのだが、レッドウッド・シティのダウンタウンの一角に、ちょうどよく空きスペースとなっている賃貸物件を見つけ、これを比較的安く借りることができそうだったので、思い切って移転を決めた。

 引越しとは言うものの、何の事はない、僕たちは小さな会社だ。サンノゼのオフィスも家具付きだったし、今回のオフィスも家具付きなので、引越しは思いのほか簡単に済ませることができた。会社のメンバーは皆自分の荷物をダンボール箱に詰め込んで、自分の車でサンノゼからレッドウッド・シティまで運転するだけ。本当にあっけなく、引越しが終わってしまった。

 サンノゼオフィスの大家さんであるリンダとはとても仲が良く、毎日挨拶してはちょっとした立ち話をする仲になっていたので、別れが少々名残惜しくもあった。

 最終日、彼女とすれ違うと、「会社が大きくなって、引越しをするのは素晴らしいこと。ビジネスが上手くいっているようで何よりよ。あなたたちの会社がもっと大きくなって、証券取引所で取引されるようになったら、私は必ず株を買いますからね」という言葉をもらって、お別れした。シリコンバレーの不動産屋さんでは、きっとこういうこと(入居していた小さな企業が、後に大きくなって証券取引所に上場すること)が多いのだろうなと思って、嬉しくなった。

 レッドウッド・シティに移転をしたのには、オフィスが手狭になったということの他に、ビジネス上の大きな理由があった。サンフランシスコ周辺の水道公社との契約が締結され、諸々の話が進むにつれ、サンノゼからサンフランシスコ周辺までの移動時間がばかにならなくなってきたのだ。

 朝、渋滞の中、サンフランシスコ周辺まで1時間半かけて車を走らせてから、場合によっては渋滞で2時間近くかけながらサンノゼまで戻ってくるというのが、あまり生産的だとは言えない状況になり、またそれが連日繰り返されるとなると、従業員の負担も相当なものなので、このあたりでオフィスの場所をサンフランシスコ方面に近づけなければ、という状況になっていた。とはいえ、北に向かえば向かうほど家賃が上がるのがシリコンバレーというものなので、まずはサンフランシスコとサンノゼの間であるレッドウッド・シティまで北上したというわけだ。

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