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加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

加藤 崇

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。法人融資業務などに従事したのち退職。KPMG日本法人を経て、オーストラリア国立大学で経営学修士号(MBA)を取得。技術系ベンチャー企業社長などを歴任し、2011年、加藤崇事務所を設立。ヒト型ロボットベンチャーSCHAFT共同創業者兼取締役CFO就任。2013年にSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。スタンフォード大学客員研究員(兼任)。

◇主な著書
未来を切り拓くための5ステップ』(新潮社) 2014
無敵の仕事術』(文春新書) 2016

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

サムライ経営者、アメリカを行く!

水道業界「世界2位の革新的企業」に選ばれた!

2018年4月20日(金)

 3月10日の週は大忙しだった。Imagine H2O(イマジン・エイチ・トゥー・オー)という、水道産業のイノベーションに特化した団体が発表する「世界の水道業界で最もイノベーティブなスタートアップ」を決めるコンテストがあり、僕たちフラクタはその最終選考(12社)まで残っていたためだ。応募企業は206社。その中から12社まで残ったことに、フラクタチーム一同は興奮していた。

 Imagine H2Oは、最終選考に残った会社たちに対して、向こう1年間にわたって営業やマーケティング、資金調達など、水道産業でベンチャー企業を成長させるためのサポートを無償で提供してくれる(なぜ無償でこのような支援が得られるかというと、ペプシコやウェルス・ファーゴ銀行など、水の将来に関心がある大企業たちがこの団体を強力にサポートしているためだ)。その手始めに、3月10日(日曜日)から始まる1週間にわたって、サンフランシスコで行われる各種イベントに僕たちは招待されていた。

最終選考12社が問われる「本当に本当なのか」

 日曜にはキックオフのレセプション(パーティー)がサンフランシスコ中心部で開催され、僕は夕方、着慣れないジャケットを着用してタクシーで現地に向かった。

 パーティーに招待された12社は、さすが最終選考に選ばれただけあって、どの会社もユニークな価値を持っていた。

 「スマートメーター」と呼ばれる検針のいらない水道メーターを、競争相手の半分のコストで作っている会社、人工衛星画像を解析して洪水の発生を予測する会社、魚のようなデバイスが水道配管を泳いでいきその状態を内側から測定する会社など、水道産業の中で、テクノロジーを使った会社のCEOたちと話をすることは楽しく、ビールやワインを片手に、彼ら彼女たちと、最終選考に残った喜びを分かち合った。

 3月13日には、投資家と話をすることができるセッションがあり、Googleの投資部門他、何社かのベンチャーキャピタルに対してフラクタの事業を積極的に紹介する機会を得た。

 面白かったのは、どのベンチャーキャピタルも、最初は「水道産業におけるテクノロジーの変化はさほど大きくなく、スタートアップといえども、それほど大きな(産業全体を揺るがすほどの)プランは出てこないのではないか?」という前提で話を聞き始めるものの、ものの20分もしないうちに、どんどん前のめりになり、最後には「本当にそんなことができるのか?」「本当に本当なのか?」と確認をしてくることだった。

 そう、本当なのだ。僕たちが機械学習(人工知能)を使ってこの数年で水道産業にもたらす変化は、水道産業がこの数十年をかけて経てきた変化以上に大きくなるのだから。

 しかし、この一週間におけるイベントの集大成は、何といっても、3月14日の夜にこれまたサンフランシスコ中心部のパーティー会場を貸し切って行われる、世界中の水道産業関係者を数百名集めてのパーティーだろう。ここで、最終選考に残った会社のうち、優勝(1位)、準優勝(2位)が発表されることになっており、当日になると、関係者がやや緊張した面持ちで会場入りしていた。僕たちフラクタチームも、夕方には、自分たちの会社が「もしかしたら優勝、準優勝に選ばれるかも知れない」と淡い期待を抱きながら、会場に足を運んだ。

Imagine H2Oイベント会場、大盛況です(写真:Nick Otto)

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