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飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

飯山 辰之介

2008年に日経BPに入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰し、電機・通信関連業界を中心に取材する。日経ビジネスオンラインのリニューアルにも携わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

企業研究

再エネで電力の秩序を変える

2017年10月18日(水)

国内最大級の洋上風力発電プロジェクトに、再生可能エネルギー発電ベンチャーが挑んでいる。大規模太陽光やバイオマスの発電にも注力。再エネを社会インフラに育てようと奮闘する。

(日経ビジネス2017年8月21日号より転載)

再エネ発電所が続々
2016年4月に7カ所目の太陽光発電所を 稼働させた。26年度に大規模洋上風力 発電所の稼働も計画する(左下はイメージ)

 秋田県由利本荘市の沖合に、2026年度にも巨大な風力発電所が出現する。洋上の風を受けて発電する巨大な風車が立ち並び、最大56万キロワットという大型火力発電所並みの出力で電力を生み出す。これほど大きな洋上風力発電は国内初だ。四方を海に囲まれた日本にとり、洋上に吹く強い風は発電資源として有望視される。この計画はその試金石になりそうだ。

 プロジェクトを主導するのは、今年2月に東証マザーズに上場した再生可能エネルギー発電ベンチャー、レノバ。17年5月期の売上高は82億円で総資産は約500億円にすぎない。東京電力ホールディングス(17年3月期の売上高約5兆円、総資産約12兆円)など電力大手と比べると規模ははるかに小さい。そんな小粒な発電ベンチャーが、なぜ大規模な風力発電に乗り出せるのか。

震災をきっかけに転身

 プラスチックのリサイクル事業などを手掛けていたレノバが再エネ発電に本格参入したのは11年。東日本大震災が起きた直後のことだ。再エネの電力を固定価格で買い取る制度(FIT)の動向をにらみ、その時々で最も経済性が高いとみられる再エネ発電所を矢継ぎ早に手掛けてきた。

 現在までに7カ所の太陽光発電所を稼働させ、19年には岩手県に合計約13万キロワットという大規模な太陽光発電所も2カ所稼働させる。足元で太陽光発電の買い取り価格は下落しているが、レノバはこれを見越していち早くバイオマス発電にも注力。昨年7月には秋田県で2万キロワットのバイオマス発電所を稼働させ、今後も新しい発電プラントの稼働が控えている。

 大規模な再エネ発電を手掛ける事業者は、商社や既存の電力大手のグループ会社ばかりだ。そんな中で、太陽光からバイオマス、風力まで幅広い再エネ発電を単独で展開するベンチャーのレノバは異彩を放つ。だが、「独立系だからこそ、親会社の意向に縛られることなく有望な地域を素早く見極め、大胆に投資できる」。木南陽介社長はこう強調する。

 14年に千葉県富津市で稼働させた富津ソーラー発電所はその象徴だ。総工費は150億円と当時のレノバからすれば巨額の資金を必要とした。有望なプロジェクトとはいえ、失敗すれば企業の存亡にかかわる。だがレノバは借入金を増やし、乾坤一擲の勝負に出ることを決断する。「大企業の子会社では、こうしたリスクの高い決断をするのは難しいだろう」(木南社長)

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官