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用松 靖弘(もちまつ・やすひろ)

テンコーポレーション社長

用松 靖弘

1955年、大分県生まれ。'77年3月に同志社大学経済学部を卒業し、ロイヤル(現ロイヤルホールディングス)入社。2011年にロイヤルホスト常務を経て、2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

てんや社長の「めしばな奮闘記」

てんや、海外で「てんやわんやですよ」

2017年3月29日(水)

 前回(「海老なしの天丼ってあり?なし? ~てんやの商品開発会議は言いたい放題」)で、開発三人衆の紅一点、“肉系天丼の女王”の小竹(マーケティング・商品部の小竹香織さん)が予告していた「ベーコン・チキン天丼」が、この23日からとうとう発売になりました。

 8ミリの分厚い「厚切りベーコン」と、九州の“華味鳥”を使った「華味鳥とり天」、そして、「クラムチャウダー風天ぷら」を、マスタードがぴりりと効いたソースで味わう新商品です。この時期には、肉天丼系で「面白いものを」と心がけてもらっているのですけれど、今回はひときわではないかと。

 ベーコンもさることながら、やっぱりクラムチャウダー風天ぷらが話題になっているみたいです。「そもそも、スープがどうやったら天ぷらになるの?」と、よく聞かれます。クラムチャウダースープのフィリングと、濃度の高いスープで組み立てています。以前、「ポテサラ天」が好評だったので、なにか展開できないかと探して、クラムチャウダーで試してみたら大当たり。すごくおいしいですよ。和風クリームコロッケみたいな感じかもしれません。とろっとしていて食感もいいし、香りもいい。アサリなどが入ってますから。主役の厚切りベーコンや、とり天を喰いかねない強力な脇役です。

 年配の方や、天ぷらの王道を愛する方から見ると「てんやがまた、あんなハチャメチャなことをやって…」と思われるかもしれませんが、これは新しいお客様にご興味をもっていただくメニューですので、むしろそのくらいの勢いがある天丼でなくては困ります。若いお客様にてんやに来店していただいたり、話題になったりすることで、天ぷらそのものになじみを持ってもらいたいと考えています。王道の方には「桜海老天丼」をご用意してありますので、こちらも是非お試しください。

てんやの海外出店はアジアへ

 さて、国内で若い方にアプローチする一方で、てんやは海外出店にもチャレンジしています。

 もともと、関東のドミナントチェーンだった我々てんやが、なぜ海外に、と思われるかもしれません。理由を挙げますと、そもそも、天ぷらという油で揚げた料理は、世界中の人が大好きな料理である事です。例えばフライドチキンやチキンナゲット、フィッシュアンドチップスやドーナツなどなど、全て油で揚げた商品です。

 また、海老の天ぷらは日本食の中でも、日本に来た多くの外国の方が大好きになる一品です。この世界の人々が大好きな天ぷらを世界中の人に食べて貰いたい。そして、てんやにはそれを実現するオートフライヤーがある。つまり、愛されるメニューと合理的な提供手段があるわけで、てんやの天ぷらは海外に対して「鬼に金棒付き」だ、ということです(笑)。

 というわけで、私は、てんやは世界中で愛されるブランドのひとつになると思っています。正直に言って、今は投資と苦労が先行しています。でも、必ずその日が来ると信じています。

 2013年10月、タイのバンコクに1号店を開店したのを皮切りに、1年1カ国のペースで3カ国に出店しました。14年6月にインドネシアに、15年3月にフィリピンです。いずれも東南アジアの国ですが、それぞれまったくといっていいほどお客様の嗜好や、市場の特徴が違うので、昨年はいったん出店を抑えて、現地で召し上がるお客様のことを本当に考えたのかどうか、我々の文化を強く出し過ぎていないか、なにをしなければいけないか、またなにを変えてはいけないかをしっかり考える年にしました。

 店舗数は現状で、タイに5店舗、インドネシアが3店舗、フィリピンが6店舗です。最後発のフィリピンが一番伸びがいいことが分かります。

 それぞれの市場で受け入れてもらうために、どんな工夫をしていて、どんな苦労があるのか。前回は開発三人衆に出てもらいましたが、今回はタイの1号店からずっと海外を担当している、青木宣行海外FC部長に来てもらいました。

青木宣行海外FC部長(以下青木):よろしくお願いします。

用松:よろしくお願いします。ではまず、3つの市場の特徴から説明してもらえますか?

青木:そうですね、端的に国民の平均年齢からして、タイ、インドネシア、フィリピンはかなり違います。

 バンコクは3カ国のなかでいちばん高い。たしか30代後半だったかと思います。実感としましても、都市部では子供の姿が少ないです。先進国化が進んでいて、日本同様に晩婚化しているので、少子高齢化が早く来るように思います。一方、フィリピンの首都マニラはもう、子供だらけです。資料によっていろいろな数値があるのでざっくりになりますが、平均年齢は24歳前後です。インドネシアのジャカルタは、バンコクとマニラのちょうど中間くらいの感じですね。

用松:日本は平均年齢46歳(2014年推計)だから、比べると若い市場だよね。特にフィリピンは。

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