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用松 靖弘(もちまつ・やすひろ)

テンコーポレーション社長

用松 靖弘

1955年、大分県生まれ。'77年3月に同志社大学経済学部を卒業し、ロイヤル(現ロイヤルホールディングス)入社。2011年にロイヤルホスト常務を経て、2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

てんや社長の「めしばな奮闘記」

「海老なしの天丼って、あり? なし?」

2017年3月3日(金)

 「ちょい飲み」なんて素敵な言葉が流行っていますけれど、「てんや」はけっこう早くからやっているんですよ。2013年、私がてんやに来て1年経つあたりでしたでしょうか。ブームの“ちょい”前に始めています。

 これは、稼ぎ頭だったビジネス街のてんやの売り上げが、昼はいいのですがディナーのお客様が減ってきたことへの対応です。24時間営業はてんやにはそぐわない。昼と夜のお食事時にしっかり来ていただきたい。では、昼と夜の違いは何だろう。やはり、オンからオフタイムに切り替わるところではないか。私もこの解放感が大好きですから、そう思ったわけです。

 自分に「おつかれさん」で、ビールやお酒をちょっと飲む。それに合わせたおつまみをご提供し、おそばや天丼で締めていただく。あるいは、そのままお家で夕食という方もいらっしゃるでしょう。そういう、気分を変える「ビジネスパーソンのサードプレイス」になればいいなと。あ、私がサードプレイスとか言っても似合いませんかね(笑)。会社でもなく、お家でもない場所、しっかり腰を据えてお酒を飲みたいわけではなく、緊張感を解いてほっと気分転換するのに使っていただけたら、ということです。

 売り物は天ぷら4品と生ビールの「中」で580円の「生ビールセット」です。はい、小グラスじゃなくて生中なんです。私が、やっぱりこれくらいは飲みたいですから(笑)。生中を普通にてんやで注文すると400円ですから、異常に安いと思います。これは、てんやの天ぷらを知っていただく、マグネット商品。回転寿司のまぐろみたいなものですので、原価割れとは言いませんがけっこうなコストがかかっています。つまりお得です。これも私がそうなんですけれど、一杯楽しまれた方はもう一杯飲んでくださいますし、そうするとおつまみや天ぷらも追加してくださったりするので、入り口としてはこれでいいのです。

 てんやでお酒を楽しまれる方は、イートイン(店内)のお客様の1割、これは全日ですので、感覚的には夜のお客様の3割弱は飲まれているんじゃないかと思いますね。特に、てんや一号店で、ビジネスマンの多い東京駅八重洲地下街の店(てんや八重洲店)は凄いです。その近くにある丸の内北口店も、江戸時代の天ぷら屋台風に串に刺して提供する「ちょい飲み てんや」ということで賑わってます。当時は、立ち食いで食べ易いように串で出していたんですね。

今回はメニュー開発陣を呼びました

 我々に限らずファストフード系のチェーンは、商売としての中心が「回転」にあるわけで、その意味では、お酒を出すのはどうなのかという意見もありました。しかし、居酒屋さんとはお客様の滞在時間がまったく違うんです。食事だけのお客様は15分~20分。夜はもうすこしゆっくりですが、お酒を飲まれる方も大差は無く、どれだけ長くても1時間以内です。お一人で飲む方も多いし、一番多いのはお二人でしょうか。3人以上になると、てんやで、という方は少ない。やはり、気分を変えたい、お腹が空いた、そういうお気持ちを、これから通勤電車で帰る前に満たしたいという方が、私たちのお客様です。

 実は、ちょい飲み向けのおつまみには不動の四番打者がいるのですが、何か分かりますか。「モッツァレラチーズの天ぷら」なんです。

 ねぎにら饅頭、たこのやまかけ、鶏唐揚げなど、いろいろそれらしいメニューがある中で、やっぱり「天ぷら」だからなのか、珍しさなのか。モッツァレラはもともと淡泊な味ですから、お塩を振ってもいいし、たれとも合う。食べ方に工夫が出来るところも魅力なのかもしれません。しかし、年に2、3回、毎回4品くらいおつまみを出すんですが、ずっとこれが一番人気というのはどうなのでしょう。「これを越えるモノを作れ」とずっと言っているのですが…。

 ということで今回は、てんやのメニューを開発している人たちにも来て貰いました。まず、「モッツァレラチーズの天ぷら」を作り出した、先代のマーケティング・商品部部長の高橋一志さん。社内では匠の称号を持っています。60歳をこえて嘱託になられて、海外も含めたメニュー開発に知見をいかしていただいています。ではここからは、模擬企画会議形式で(笑)。

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