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長江 優子(ながえ・ゆうこ)

日経ビジネス記者

長江 優子

2012年中日新聞に入社し、事件取材などを担当。14年秋に日本経済新聞社に入社し、企業報道部に配属される。工作機械やロボット、金型などの機械業界を担当し、ものづくりの面白さを知る。その後、ネット業界担当としてNHKの会長人事やコンテンツ産業の取材に携わる。17年4月から日経ビジネス編集部に出向し、食品と飲料、たばこ業界を担当。趣味は料理とスーパー巡り、工場見学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

2018年大予測 ここまで変わる「世界の形」

サイボウズ青野社長「週休三日制より副業を」

2017年12月14日(木)

青野 慶久
サイボウズ社長

 働き方改革に注目が集まった2017年。世間が動き出す12年も前から働き方改革に力を入れていた青野氏。自ら育休を3回も取得する一方、厚生労働省の「働き方の未来2035」の委員も務める「ミスター働き方改革」が考える2018年とは?

 2017年は、電通の新入社員が過労自殺をした事件で社長が退任したことに企業経営者が影響を受けて、働き方改革がこれまでよりも前進した一年だったと思います。ただ最近の動きはいまいちですね。まだ序の口です。

サイボウズの青野慶久社長(撮影:村田 和聡)

 本当に企業が取り組むべきことは、仕事を効率化し、労務時間を減らすことです。しかし企業経営者には労務時間を減らすと、売り上げが減ると思っている人が、まだまだ数多くいます。

 「労務時間の減少で残業時間が減るから賃金が減る」といった理屈で働き方改革を歓迎している経営者もいますが、全く分かってないですね。時代は「1個の商品を売って10円儲ける」経営から、「最初から100円儲かるようなビジネスモデルをつくる」という経営に変わっているんです。「時間で稼ぐモデル」から抜け出さなければなりません。

大企業の動きは依然遅い

 2018年も働き方改革への注目度は高いですが、ポジティブに見ていません。既得権益や古いしがらみで食える大企業が多いため、経営者は思い切った舵を切らないでしょう。東芝のように、倒産の危機に瀕した会社が増えれば、変革を急ぐ危機感が生まれますけどね。

 ただ、労務時間の抑制に乗り出したにもかかわらず、効率性が改善しない会社は、競争力が低下します。もちろん、働き方改革に力を入れない企業は「ブラック」のイメージが付き、採用にも影響が出るでしょう。

 一方でいい兆しもあります。例えば、これまで企業はIT(情報技術)ツールをコストと位置づけていました。ですが、最近では作業効率改善につながると、ITを費用ではなく投資と捉える経営者が少しずつ増えています。ロボットを活用した自動化システムを積極的に導入する企業も増えました。作業効率改善につながるITやロボットへの投資が活発になれば、思いの外、働き方改革が前進する一年になるかもしれません。

 面白い動きになりそうなのは副業です。安倍首相も後押ししているので、副業が広がる追い風の一年になりそうです。特に若い世代の関心が高く、キャリアパスを考えて1社にぶらさがるのはリスクが高いと見ているようです。

 サイボウズでも、副業をしている人は若い世代を中心に増えています。優秀な人は副業ができる会社に移動し始めており、中小企業やベンチャー企業では副業を認める会社も出始めました。2018年以降、副業禁止の企業は採用面で不利になり、大手も副業を認めざるを得ない流れになるでしょう。3~5年の間には副業が当たり前になると思いますよ。

 一方で、2017年に注目された週休3日の取り組みは広がらないでしょう。年功序列型の企業では、能力や成果を可視化できておらず、給与の査定が難しいからです。サイボウズでは週2日勤務など多様性のある働き方を認めていますが、能力や成果を可視化するのに10年もかかりました。

 働き方改革に注目が集まる中で、企業から改革のアドバイザーとしてお声掛けをいただく機会が増えました。働き方改革のメソッドを事業として始め、新たなサイボウズの事業の柱に育てたいと思います。

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