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長門 正貢(ながと・まさつぐ)

日本郵政社長

長門 正貢

1948年生まれ。1972年4月日本興業銀行入行、常務執行役員を経て2002年にみずほ銀行常務執行役員。2003年みずほコーポレート銀行常務執行役員。2006年6月富士重工業専務執行役員。同社専務、副社長を経て、2011年6月シティバンク銀行副会長。2012年1月同社取締役会長。2015年5月ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長、2016年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長門 正貢 日本郵政社長 読書の時間はありません

「よきプレゼン」を三島由紀夫に学びましょう

2017年2月10日(金)

あっという間に2月です。年始、年度代わりの度に、企業のトップの方は、いろいろな場所でスピーチをしたり、文章を書く機会があると思うのですが、今回はビジネスパーソンとして「公の場での挨拶や、人に見せる文章がうまくなる本」というテーマでどうでしょうか。

長門:ご存じの通り、私はもともと喋るのが好きですから(笑)、実は、そういう本は気がつくとけっこう読んでいるんです。ではまず、福沢諭吉の『学問のすゝめ』。

えっ、『学問のすゝめ』は、そういうことを書いた本だったのですか?

長門:ええ、『学問のすゝめ』は、とてもプラグマティックな本です。彼はこの本で「栄誉と人望は 努めて求めるべきである」ということを語っています(十七編)。そして、「人望を得る方法は、書き言葉より話し言葉だ」と。しゃべらねばダメだ。沈黙は金ではない。意思疎通を通してこそ、人から信頼される。

 人望の定義が現在のそれとは少し違っています。福沢の言う人望は、「生まれた以上は『あの人に頼もう』と言われなかったらつまらないじゃないか」、と言うものです。

「人から頼まれ事をされない人生などつまらない」。実に耳が痛い。

長門:頼られるような人間となるためには、まず、自分の意見を明晰、達意な言葉で言えるようになれ。オープンに感じよく、開かれた人間になれ、と。

 そうなると、自分のところに人がやって来るようになる。当然ですが、やってきた人間を好き嫌いするのもいけない。自分の周りにやって来る人とは、医者だろうが駕籠屋だろうが、誰とでも議論する。話すだけではなく、囲碁や将棋をやるのもいい。歌舞音曲もいい。飯を食うのもいい。いろんな人間と他流試合をせよ。

弁論部に入りたかったアイアコッカ

なんだか元気が出ますね。

長門:文章はさすがに時代がかっていますが、読みやすいし、とても現代性がある本だと思います。この本で「明晰な言葉で言え」という言葉を読んで、ぱっと思い出したのがリー・アイアコッカの話です。

何で読まれたか、ご記憶はありますか。

アイアコッカ―わが闘魂の経営』リー・アイアコッカ著、徳岡 孝夫訳、ダイヤモンド社

長門:「Iacocca」という本。日本語訳も『アイアコッカ』だったと思います。80年代初頭だったかと。クライスラー立て直して成功した後に、彼の生涯をレビューした本です。そのインタビューの中で彼が「もういちど学生になれるなら、弁論部に入りたい」と言っていたんですよね。

フォード・マスタングをヒットさせ、社長になるもその座を追われ、後にライバルメーカーのクライスラーの再建を成し遂げた人ですね。そんな人が、話すことに苦労なんてないでしょうに。

長門:ええ、米国を代表する大企業の中で、自らの言葉で仲間を鼓舞し、戦略を伝え、チームの意欲をかき立ててきたことでしょう。その彼にして、基本的な弁論を学び直したいと願うのか、と驚いたのです。

 無論、テクニックだけで人を説得しきるのは難しいでしょう。でも、伝え方はある程度技術ですから、鍛えることができる。だったら、学生時代からやっていれば良かったな、と思ったんでしょうね。

長門さんご自身もスピーチを、紙を見ないでやるそうですね。日本の経営者の中ではちょっと珍しい。どうやって鍛えたんですか。

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