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近藤 慎太郎(こんどう・しんたろう)

医師兼マンガ家 日赤医療センター、亀田総合病院、クリントエグゼクリニックなどで勤務 

近藤 慎太郎

北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。
日赤医療センター、東京大学医学部付属病院を経て、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。
消化器の専門医として、これまで数多くのがん患者を診療。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手がける。
診療を行っていく中で、医療についての情報が世の中に正しく伝わっていないことを痛感し、講演や各種メディアを通じて啓蒙活動をおこなっている。特技はマンガで、解説マンガも著者が自ら描いている。

◇主な著書
がんで助かる人、助からない人』(旬報社) 2017

◇関連リンク
医療のX丁目Y番地(ブログ)
Facebook

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

学生時代を過ごした札幌で、3か月ほど仕事をする機会がありました。訪日観光客の多さは札幌も例外ではなく、有名な商店街である狸小路は、大手の量販店が立ち並び、観光客で溢れかえっていました。思い出の土地の変容に戸惑う気持ちが無いと言えばウソになりますが、札幌にとっては大きな恩恵でしょうし、人が少なくなって活気がなくなるよりはずっと良いことだと思います。
観光とともに、最近はメディカルツーリズムも活況を呈しています。たいへん喜ばしいことなのですが、一抹の懸念もあります。というのは、医療機関によっては目先の利益を得ることだけを優先し、必ずしも高いレベルの医療を提供できていないケースが散見されるのです。外国の方が医療を受けにわざわざ日本に来るのは、日本の誇る優れた医療が世界的に信頼されているからです。そしてそれは医師をはじめ多くの医療関係者が骨身を惜しまず働き、長い年月をかけてコツコツ積み上げてきたものなのです。いったん信頼を損なえば誰も日本には来なくなり、取り返しのつかない損失となるでしょう。私たちは先達の残してくれた土台の上に立っており、それを継承、発展させていく責任があるのです。

医療格差は人生格差

「がん検診」運用ルールは100点ではない

2018年4月25日(水)

 これまで2回にわたって、「がん検診は寿命を延ばしていない」「がんの死亡率が減っていない」「がん検診で見つかるがんが少ない」「がん検診は医学界の既得権益を守るためにある」といった主張に回答してきました。

 その過程で、重要な論点も明らかになりました。

   [1]がんのリスクが高い人たちにがん検診が届いていない

   [2]がん検診は医療費を抑える効果も期待されている

 [1]は非常に重要なポイントです。これが理由で、がん検診の死亡率の減少効果や、医療費の抑制効果が減弱していると言っても過言ではありません。この問題が改善されるほど、がん検診に対して疑問を感じる人の数は減っていくでしょう。

 では、それさえ解決すれば、[2]は達成されるのでしょうか?

 実は、そうでもありません。

 がん検診は、医療費を増大しかねない側面を持っているのです。それが、「がん検診は境界病変をたくさん見つけている」という、いわゆる「過剰診断」の問題です。

 確かにその通りで、すべてのがん検診がはらむ本質的な課題です。

 「過剰診断」とは一体どういうことでしょうか。順を追って解説します。

 医療は日進月歩の世界。CTやMRI、内視鏡などの画像検査法も、長足の進歩を遂げており、今までならば発見できなかったようなごく小さな病変や、良性なのか悪性なのかはっきりしない「境界病変」が、多数見つかるようになりました。

 「がん」とはっきり診断できれば話は早いのですが、良性なのか悪性なのかはっきりしないものをむやみに治療するわけにはいきません。そのため、診断を確定させるために、さらなる精密検査が必要になるケースが増えているのです。

 その結果、やっぱりがんだったということもあれば、良性と判断されて経過観察になることもあります。

 後者の場合、結果から見れば、受診者は良性なのに精密検査を受けることになってしまいます。一定の時間や費用を失うし、心理的・肉体的なストレスにも晒されます。また精密検査の分、医療費を押し上げることにもなります。

 この問題を「過剰診断」と呼ぶことがあります。呼称の問題はさておき、確かにがん検診に特有のデメリットと呼んでいいでしょう。

 ただし、これにはいたしかたない面もあります。

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我々は10年先を占うことはできませんが、仮説を立てることはできるはずです。

中埜 和英 ミツカンホールディングス会長