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中田 敦(なかだ・あつし)

シリコンバレー支局

中田 敦

1998年慶應義塾大学商学部卒業、同年日経BP社に入社。ITproや日経コンピュータを経て、2015年5月からパロアルトに開設したシリコンバレー支局を拠点に、シリコンバレーの最新事情を取材中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

シリコンバレーNext

Googleクラウドの凄い内側

2017年3月16日(木)

 設備投資額は3年で294億ドル(約3兆3000億円)に達し、世界中にプライベートネットワークを張り巡らせ、独自開発のセキュリティチップでハードウエアを防御――。米GoogleのUrs Holzle上級副社長が2017年3月9日(米国時間)、「Google Cloud Next 2017」の基調講演で同社のインフラの内側を明かした(写真1)。

写真1●米GoogleのUrs Holzle上級副社長
[画像のクリックで拡大表示]

 Holzle上級副社長はまず、通信事業者をしのぐ規模に成長したGoogleのネットワークインフラの現状を紹介した。例えば「G Suite」などGoogleのサービスを利用するユーザーの通信パケットの98%は、Googleのプライベートネットワークから直に、ユーザーが利用するISP(インターネット接続事業者)に届いているのだという。

 Googleは現在、182の国と地域にネットワーク拠点を配置し、拠点間をGoogleのプライベートネットワークによって接続している(写真2)。そしてGoogleのプライベートネットワークは、「世界中のほぼすべてのISPと相互接続している」(Holzle上級副社長)。そのためパケットは、他社のネットワークを介することなくGoogleのクラウドからユーザーのISPに直接届く。

写真2●世界182カ国に広がるGoogleのネットワーク網
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 「(プライベートネットワークとISPを相互接続することで)より多くの帯域(スループット)を実現し、遅延(レイテンシー)を短くするだけでなく、より良いセキュリティを実現できる」。Holzle上級副社長は、他社のネットワークを介さないメリットをこう説明した。

 世界規模のネットワークを構築するためにGoogleは毎年1兆円に近い設備投資を行い、自社海底ケーブルまで張り巡らせた。自社海底ケーブルは今日では、米Microsoftや米Facebook、米Amazon.comなども保有するが、「通信事業者以外で初めて海底ケーブルを敷設した民間企業はGoogleだ」(Holzle上級副社長)と胸を張った。Googleは2009年に日米間海底ケーブル「UNITY」を敷設し、それ以降も海底ケーブルを増やし続けている。「あるアナリストは、グローバル・インターネット・トラフィックの25~40%をGoogleが占めていると分析している」。Holzle上級副社長はGoogleのネットワーク規模をそう説明した。

2018年までにクラウドのリージョンを18カ所へ増強

 データセンター網も拡大が続いている。Googleは現在、クラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」の「リージョン」を6カ所、データセンターの単位を示す「ゾーン」を18カ所設けている。一つのリージョンは、約3カ所のゾーンによって構成されている計算だ。これを2018年までに、17カ所のリージョン、50カ所のゾーンにまで増やす。数カ月以内にシンガポール、米国バージニア州、オーストラリアのシドニー、英ロンドンにリージョンを開設し、その後はオランダ、カナダ、米カリフォルニア州にリージョンを設ける予定だ。

 Holzle上級副社長は、Googleの徹底したセキュリティ対策の詳細も明かした。例えば物理層でのセキュリティ対策として、オクラホマ州にあるデータセンター1カ所だけで、175人もの警備員を配置しているという。

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