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杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

杉原 淳一

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部で金融機関や流通・アパレル業界などを取材。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2012年から日本郵政の取材を始め、2014年末には日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の3社同時上場計画を他のメディアに先駆けて特報した。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニュースを斬る

有明で進める「ユニクロ大転換」

2017年3月23日(木)

ファーストリテイリングが全社を挙げて進める「有明プロジェクト」の概要を公開した。新しいオフィス兼物流倉庫が本格稼働し、生産から物流、働き方まで事業モデルを刷新する意気込みだ。ネット企業の攻勢など業種の壁を越えて衣料品販売の競争が激化する中、自己変革によって生き残りを図る。

オフィスには社員が交流できる「図書館」も備える。(写真=竹井 俊晴)

 ファーストリテイリングは商品の企画・生産、物流、社員の働き方までを一体改革する「有明プロジェクト」の概要を公開した。

柳井氏は「物理的な変更以上に、社員の意識を変えることが必要」と話す(写真=的野 弘路)

 東京・有明に大型のオフィス兼物流拠点を開設。2月にオフィス部分が稼働し、これまで東京・赤坂の本部で勤務していた社員など約1000人が移動した。商品企画、マーケティング、生産など、ほぼ全ての部署を1フロアに集めたのが特徴だ。

 IT(情報技術)を活用し、傘下の「ユニクロ」を中心に、商品作りに関わる全ての仕事を根本的に変える。目的は、不良在庫の徹底した削減だ。

 ユニクロでは現在、半年から1年前にデザインを決めて素材を調達し、商品を作る「期初生産」が主流だ。高品質な商品を大量に作るには適した方法だが、店頭に商品が並ぶ頃には流行とずれて過剰在庫になったり、寒暖の差で思わぬ商品が売れたりといったことが発生。販売機会を逸するだけでなく、在庫を減らすセールが避けられない。

 有明の新拠点ではITを駆使して社内コミュニケーションの速度を上げる。店頭やインターネット通販で顧客の動向を把握し、その需要データを生産部門や物流部門が瞬時に共有することで、余剰在庫の削減を目指す。現在の商流では、企画から生産、物流を経て店舗で消費者に商品が届くまで、リレーのように商品と情報が移動している。今後は消費者を起点に、各部署が情報共有できる体制にする考えだ。

「消費者が求めるものを作る」

 これを実現するため、今年中をメドに、ICチップを埋め込んだRFID(無線自動識別)タグを全商品に取り付ける方針。RFIDで在庫や販売動向が精緻に分かるようになれば、「週単位で行っている企画・生産の流れが1日単位へと進化し、究極的にはリアルタイムになる」(ファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長)。店ごとの状況を見て「明日、何が売れるのか」を予想できるという。「作ったものを売るのではなく、消費者が求めるものを作る」(田中大・執行役員)のが目標だ。

 物流倉庫と一体となったオフィスで社員が働くのも、生産業務に関わる全ての事業を見直すために欠かせないと考えたからだ。「最も大きいのは社員の意識の問題。物理的なことよりも、社員の習慣や仕事のやり方の見直しが、大きな挑戦になる」と柳井会長は話す。今後は「個客への対応」も重点課題だ。すでにネット通販で袖丈や首回りを調整したシャツを中心に簡易オーダーを行っているが、商品などを拡充する。

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