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寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

寺岡 篤志

高校、大学時代は専らラグビーに励む。2008年に日本経済新聞に入社。社会部や西部支社(九州・沖縄)で事件事故、行政訴訟、暴力団対策、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故などの取材にあたる。2016年4月から日経ビジネス編集に出向し、自動車や化学業界を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

トレンド・ボックス

AIがAIを「だます」ことで賢く成長

2018年4月9日(月)

AI(人工知能)は多種多量なデータを「深層学習」することで賢くなる。この学習プロセスを加速し、弱点を補えるのが「敵対的生成ネットワーク(GAN)」だ。敵対するAIを「だます」ことで賢く成長し、従来のAIにはない「想像力」を獲得する。

(日経ビジネス2018年2月5日号より転載)

 実在するセレブの写真を基に「存在しそうなセレブ」の画像を大量に作り出す──。米半導体大手エヌビディアがユーチューブで公開した動画が、注目を集めている。AI(人工知能)の新技術である「敵対的生成ネットワーク(GAN)」の威力を見せつけたからだ。

米エヌビディアはAIを使い
「存在しそうなセレブの顔」を大量生成
(イラスト=ALFRED PASIEKA/SCIENCE PHOTO LIBRARY)

 エヌビディアが用意したのは約3万枚の顔写真。これをAIに読み込ませると、別のAIとの“知恵比べ”が始まった。片方のAIが目や口などのパーツを微妙に変えた画像を作ると、もう一方のAIはその画像が本物かどうかを判定する。AIが生成した偽の画像だと見破られた場合は失敗原因を分析し、新たな画像を生成して再挑戦する。

 最初は顔がゆがんだり肌の色が不均一になったりして、明らかに不自然な画像になったが、試行錯誤を続けることで精度が向上。20日程度すると「いかにもセレブ」な雰囲気を持った画像をAIが生成できるようになったという。

 「敵対」するAI同士が切磋琢磨し、お互いの能力を高められるのがGANの最大の特徴だ。あるAI研究者は「学会では2017年、GANが最も話題に上る技術だった」と語る。昨今のAIブームの主役である「ディープラーニング(深層学習)」の弱点を補えるからだ。AIを成長させるためのデータを、実世界だけではなく、コンピューター上の仮想空間からも獲得できるようになる。

 深層学習はヒトの脳機能をモデルにしたAIの学習方法だ。例えば猫の画像を「学習データ」として大量に読み込むと、耳やヒゲの形など見分けるポイントをAIが自ら発見。すると、学習データ以外の猫の画像をAIが見ても、猫と判別できるようになる。

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