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寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

寺岡 篤志

高校、大学時代は専らラグビーに励む。2008年に日本経済新聞に入社。社会部や西部支社(九州・沖縄)で事件事故、行政訴訟、暴力団対策、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故などの取材にあたる。2016年4月から日経ビジネス編集に出向し、自動車や化学業界を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニュースを斬る

マツダがミニバンを見限った理由

2017年9月21日(木)

 マツダは3列シートSUV(多目的スポーツ車)「CX-8」の予約受注を始めた。北米専用の大型SUV「CX-9」をベースに、日本の駐車場などの大きさに合わせてサイズを変更。国内SUVの最上位車種として売り出す。一方、同じ3列シートの「プレマシー」などミニバンの生産は今年度内に終える計画。年間わずか3万台程度とされる3列SUV市場 に参入し、20倍以上の規模を持つミニバン市場から撤退する。決断の背景には、マツダが積み上げてきた生産改革がある。
「新たな市場をつくりたい」と小飼雅道社長は意気込む

 「3列シートSUVはまだ大きい市場ではないが、この車で需要喚起をしていきたい」。9月14日、主に日本での販売を想定したSUV「CX-8」の予約受注開始を発表する記者会見で、マツダの小飼雅道社長はこう強調した。

 CX-8は3列シートの7人乗りSUVで、発売は12月14日。価格は319万6800円からだ。開発責任者、松岡英樹氏は「ターゲットの年齢や世帯構成を事前に想定していない。マツダの価値観に共感してもらえる人が想定顧客だ」と、マツダのファン層拡大に自信を見せる。実際、CX-8の購入を検討している消費者には、独アウディなど高級車メーカーからの乗り換えを検討している人も多いという。

 もっとも、国内の3列シートのSUV市場はそれほど大きくない。マツダの推定では月間3000台程度。CX-8の販売目標は月1200台だから、市場シェアという観点から見れば、意欲的な目標にも見えなくもないが、2016年で約82万台あった国内のミニバン(セミキャブワゴン)市場と比べれば、その差は歴然だ。

 ミニバン市場は00年代までのブームは収束したとはいえ、今も前年実績を上回るペースで伸びている。ホンダの「フリード」や日産自動車の「セレナ」など人気車種の新型車も相次ぎ、今年1~8月は前年同期比26%増だ。

 そんな「成長市場」をマツダは見限る。CX-8の予約開始を受け、主力ミニバン「プレマシー」を今年度中に、上位車種の「ビアンテ」は9月内で生産を終える。かつての代表格だった「MPV」はすでに昨年4月に生産をやめている。

 スライドドアの機能や価格などのミニバンの優位性を捨ててでも、CX-8に注力する理由は何なのか。

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