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黒川 二郎(くろかわ・じろう)

ドア・インターナショナル・ジャパン代表取締役

黒川 二郎

1977年に語学研修センターを設立し、92年には米国研修企業の日本支社長に就任。97年からは経営コンサルタントとして米国企業の日本進出を支援する中で、代表取締役を歴任。各種セミナー講師としても高い評価を得ている。2011年よりドア・インターナショナル・ジャパンの代表の傍ら「主体性の向上」「組織風土改革」「時間管理」「目標達成」「実行推進」をテーマとしたセミナー講師として全国を飛び回る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

『オズの魔法使い』に仕事と生き方を学ぶ

結局、主人公のドロシーは何を得たのか

2017年3月11日(土)

 ミュージカル映画『オズの魔法使い』を通して、仕事をするうえで参考になる考え方などをお伝えするこのコラム。今回が最終回となります。

 主人公ドロシーは愛犬のトトを飼っているのですが、そのトトがミス・ガルチを噛んで怒らせ、ガルチはトトを連れ去ろうとします。トトを取り戻したドロシーが、「心配しないですむ場所」を求めた結果、夢の国マンチキンに大竜巻で飛ばされ、冒険の物語が始まります。ドロシーは、マンチキンからオズの国へ旅をして、そして故郷のカンザスに戻ってきます。

 この連載の第1回では、ドロシーがトトをミス・ガルチの農場に連れていったことを反省せずに、自分のいるカンザスではない場所を求めたことを問題にしました。そんなドロシーの被害者意識を取り上げて、「責任を引き受ける」ことの意味を示しました。やがて、ドロシーは、オズの国を旅する中で、わらのかかし、ブリキの木こり、ライオンという仲間を得て、協力して北の魔女を倒します。そして、それぞれが求めていたものは、実は最初から持っていたことに気づくのです。この連載の中盤では、魔女の意味やトトの役割など、さらに後半では、求めていたものは最初からあったことにフォーカスしました。

 求めていたものは、かかしは脳、木こりは心、ライオンは勇気でしたが、ではドロシーが得たものは何でしょうか。ドロシーは、ルビーの靴の魔法で、オズの国からカンザスに戻ることができました。そして帰ってくると、かかしもきこりもライオンも、実はエム叔母さんの農園の農夫たち、仲間たちでした。つまり、その仲間との絆を深めることができたのです。ドロシーは、求めていたものが実は身近にあること、本当に大切な場所はカンザスの家であることがわかるのです。そして、家族や仲間たちの大切さも知ることになりました。

 ドロシーは、最初は子どもらしいわがままな被害者意識で、トトのことをミス・ガルチ、つまり他人に責任転嫁していたのですが、その結果、オズの国で冒険をする羽目に陥ります。その試練を乗り越えることによって、「心配しないですむ場所」は外にあるのではなく、身近にあることを知るのです。

身近な問題

 私たちの身近にも同じようなことがないでしょうか。問題が生じると、つい他人に責任を転嫁しがちです。また、現在の生活や仕事などがうまくいかないと、別の場所を求めます。もちろん、別の場所に移ることでうまく行くこともあります。でもその前に、自分と周囲を見つめてみましょう。自分の責任を自覚して主体性を持つことで、自分で状況を切り開くことができるなど、事態が改善に向かうことも多いのです。もちろんいじめのように、こちらに原因がなくても生じる理不尽な問題もあるでしょう。ただ、そのときも主体的な意識と行動は必要なのです。

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