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モリナガ・ヨウ(もりなが・よう)

イラストレーター、ルポライター

モリナガ・ヨウ

 1966年東京生まれ。身長180センチ。早稲田大学漫画研究会出身。教育学部で日本近現代史を専攻。卒論はジャーナリストの長谷川如是閑について。
 いまだにお仕事のデジタル化はしていません。使用中のペンはブラウゼのナンバー46、インキは水に流れないパイロットの証券用。なんでも凹凸のある水彩紙に描いています。書き文字はミリペンなど、絵の具はホルベインの透明水彩が主です。ここ数年、筆はナムラの「東紅」という骨描き筆を気に入っています。
 模型雑誌「アーマーモデリング」や、東京大学出版会「UP」、吉川弘文館「本郷」などで連載をしています。2016年、『築地市場:絵でみる魚市場の一日』(小峰書店)で、第63回産経児童出版文化賞・大賞をいただきました。

◇主な著書
築地市場: 絵でみる魚市場の一日』(小峰書店) 2016
モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!』(アスペクト) 2010
東京右往左往』(大日本絵画) 2006

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

百年企業図鑑

僕らが初めて手にしたブランド商品「ユニ」

2016年10月24日(月)

(前回から読む



モリナガ・ヨウ(以下モ):出ました、「ユニ(uni)」、そして「ハイユニ(Hi-uni)」。1ダースの箱入り鉛筆って入学式っぽいですね。金で自分の名前が刻印されてたりしているイメージです。ユニは高級品で、私は買ってもらってないかもしれませんけど。

編集Y:私はたしかプレゼントしてもらったのですが、大事にしすぎて使い切れなかったような記憶があります。子供心に初めて意識した「元祖・ブランド商品」だったかもしれません。

三菱鉛筆広報・小笠原さん(以下小):ユニこと「uni」は、ただ唯一のという英語の「unique」から名づけられ、当社のコーポレートブランドとなりまして、国内外で使っています。「uni」の発売は1958年(昭和33年)。発売して58年のロングセラー商品です。「Hi-uni」は1966年(昭和41年)発売です。

Y:「百年企業」の三菱鉛筆の、まさに象徴ですね。1958年というと、東京タワーができて、「鍋底景気」が終わって「岩戸景気」が始まった年でしたか。(スマホを検索し)「東京通信工業」が社名を「ソニー」に変更し、在来線特急の「こだま」の運転開始、日清食品がチキンラーメンを発売開始、いろいろ始まった年ですね。総理大臣は岸信介氏ですか。ザ・高度成長期って感じです。

:この色、「えび茶」っていうんですか、独特ですよね。どうしてこの色になったんでしょうか。

:ユニ色と呼んでいるこの色は日本の伝統色であるえび茶色と、高級感のあるワインレッドを組み合わせたものです。当時「どこの鉛筆にも使われていない独自の塗り色を」と、世界中の鉛筆を集められるだけ集めて、そのどれとも全く重ならない色を探したそうです。

超高級品ながら大ヒット

:決める際には、約160種類の色を実際に鉛筆に塗って試したという話です。2015年から、色も商標登録が可能になったので、さっそく出願しています。

:当時としてはすごく価格が高かったんですよね。

:当時の輸入品の鉛筆と同価格帯の1本50円、ダース箱は1箱600円でした。当時の当社の鉛筆は10円ほどでしたから、その5倍という価格に「こんな高いものが売れるだろうか」と心配する声もあったようです。

 でも、発売するや大ヒットしました。高価格帯ということもありプロ向けの鉛筆として発売されたのですが、小学校の前にあるような文具店さんでも売れたようです。小学生にヒットした理由として、色やケース、金色の文字をつけるなどのデザインが目新しく映ったことがある、と聞いております。

Y:わかりますねえ。そして、高度成長期の日本人の消費意欲にもばっちり重なったんですね。

:加えて、ユニの発売後、1960年(昭和35年)は鉛筆の貿易自由化がありました。国際競争になる、という危機感も、品質の良さを追求した製品の開発を後押ししたのではないかと思います。

Y:それ以前と比べて値段が上がっても、世界に通用する品質の鉛筆を、と。

:uniは、塗装だけでも通常の鉛筆より多く何層にも塗り重ねています。

:漆塗りですか?!

:さすがに漆ではないですが、何層にも塗り重ねることで書く時のタッチが柔らかくなることも狙っています。無塗装のとくらべてみてください。

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