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吉田 徹(よしだ・とおる)

北海道大学法学研究科教授

吉田 徹

1975年東京生まれ。慶應義塾大学卒。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター調査担当ディレクター、東京大学総合文化研究科博士課程などを経て、現在北海道大学法学研究科教授および仏国立社会科学高等研究院リサーチアソシエイト(フランス・ヨーロッパ比較政治)。著書に『ミッテラン社会党の転換』、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』など。

◇主な著書
感情の政治学』(講談社新書メチエ) 2014
ポピュリズムを考える―民主主義への再入門』(NHKブックス) 2011
ミッテラン社会党の転換―社会主義から欧州統合へ』(法政大学出版局) 2008

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニッポン農業生き残りのヒント

達人技「土はなめれば分かる」は本当だった

2015年12月18日(金)

 いい作物をつくるには土づくりが大切だと言われるが、では「豊かな土」とはどんなものなのか――。それを考える手がかりとなるイベントが12月11日、東京・有明にある東京ビッグサイトで開かれた。浮かびあがった答えは、昔ながらのやり方のなかにヒントがあるということだった。

 名称は「第1回世界土壌微生物オリンピック結果発表会」。国内の田畑から51サンプルの土の応募を受け、水田、畑、施設園芸で合わせて9人の生産者が受賞した。「世界」と銘打っているのは、農薬と化学肥料で痛んだ世界の土を救いたいという思いからだ。

どれほど多様な微生物がいるか

 土の豊かさの評価には、土壌微生物の研究者の横山和成氏が開発したシステムを使った。横山氏はもともと国の研究機関の農業・食品産業技術総合研究機構の研究者で、今年の春から尚美学園大学・尚美総合芸術センターで副センター長を務めている。

「世界中の土を調べると、日本の良さがダントツ」と話す横山和成さん

 横山氏の考案した土の評価方法の特徴は、土中の微生物を「総体」としてとらえる点にある。土のなかには膨大な数の微生物がいるため、その種類と働きをひとつひとつ特定するのは不可能。横山氏はそうではなく、土がどれだけ多くの種類の有機物を分解できるかを調べることで、微生物の多様性を推計する方法を開発した(6月5日「『土の中の宇宙』を見つけた男」)。

 なぜ多様な微生物がいる土が、「豊かな土」なのか。この問いに対し、横山氏は例えばこう答える。「微生物の多様性が低い土は、病原菌が繁殖する可能性が大きい」。実際、これまでの研究を通し、微生物の多様性が高い土で育てた作物のほうが、連作障害などが起きにくいことがわかったという。

 大切なのは、農薬を使う現代農法のように病原菌をゼロにすることではなく、作物の生育に影響するほど菌が繁殖するのを防ぐことにあると、横山氏は強調する。同じ作物ばかりつくり続けると、土のなかの環境に偏りが生じ、病原菌がはびこりやすくなる。それが連作障害だという。

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