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鈴木 哲也(すずき・てつや)

日経ビジネス副編集長

鈴木 哲也

1993年早稲田大学法学部卒業、日本経済新聞社入社。大阪整理部に配属。96年に東京流通経済部。それ以降、小売業、外食のほかビール、化粧品、衣料品などの消費財関連を幅広く取材してきた。03~07年はニューヨークに駐在し、ウォルマートなど流通・消費分野、国連を担当した。企業報道部デスクなどを経て、15年10月に日経BP社に出向し現職。埼玉県に生まれ北海道で育つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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最近はロックのコンサートによく行きます。音楽ソフトが売れない中で、ライブの市場は伸びており、私も微力ながら貢献しています。好きなジャンルはヘビーメタル。アイドル×メタルの「ベビーメタル」が世界的に人気ですが、1980年代に活躍した国内外の「おやじバンド」も健在です。30年前のブームが再来している感もあり、うれしいです。

ニュースを斬る

ビール安売規制強化とインフレ誘導の無理筋

2017年3月14日(火)

物の値段は本来、消費者がどれだけの価値を認めるかによって決まるはずだ。このところ、価格を人為的に引き上げようとする政府の動きが目立つが、消費者や経済へのプラス効果は薄い。

 チラシからキリンのビールだけが消えた──。首都圏が地盤の酒類ディスカウント店チェーンのチラシに最近、異変が起きた。各メーカーの多種多様なビール類の商品写真が並ぶ中、キリンだけが掲載されていない。このチェーンの担当者に理由を聞くと、キリンビールの意向で取引条件が変わり、安値で提供できなくなったという。

 キリンは具体的な内容は明らかにしていないが、1月から各社との取引条件を見直している。メーカー、卸、小売り、それぞれが適正な利益を確保するという大義名分の下、キリンは販売促進費などの支出を絞る方向とみられる。企業を疲弊させる安売り競争に歯止めをかける狙いがある。

 全国のチラシを調査・分析するチラシレポート(東京・中央)によると、キリンの「一番搾り」(350ミリリットル6缶)のスーパーでの平均価格は2月第4週に1103円。前年同期比で7週連続で上昇した。対照的に、アサヒビールの「スーパードライ」は1084円で、前年同期比でも価格下落が続いている。キリン製品がチラシに登場する、延べ店数も減っており、2月第4週の一番搾り(6缶)は同4分の1、「のどごし生」(同)は同4割にとどまった。

 2005年にもキリンは価格政策やリベートの見直しなど、ビール業界の取引改革を先導して安売り阻止に動いたが、小売り大手の反発や業界内の足並みの乱れから、自社にだけ販売のマイナス影響が大きいという事態となった。だが「今回こそは他のメーカーもキリンと同様に動くことが、期待できる」(証券アナリスト)との見方が出ている。

安売り規制は消費者置き去り

 なぜなら今、業界には、国税庁などの大きな規制強化の動きに連動しようという思惑があるからだ。昨年5月、過度な安売りの撲滅を目指して酒税法などの改正法が成立し、今年6月に施行される。これに合わせ財務省と国税庁は新たな公正取引基準を定めた。悪質な安売りの継続に対しては、小売店の販売免許を取り消す罰則も盛り込む。

 だが今回の規制は問題が多い。参院選を控える自民党議員らが、票田である中小酒販店の要望を受けて立法を急いだ。現状でも独占禁止法の「不当廉売」を公正取引委員会が取り締まる仕組みがある。スーパーなどの攻勢に苦しむのは電器店や青果店も同じだ。酒販店だけを保護する理由は薄い。

 税収として重要な酒税は、出荷段階でメーカーが納める。国税庁には、安売りで流通各段階の利益が薄くなると、税徴収の基盤が危うくなるとの懸念があるようだ。だからといって、規制強化によって、小売店が萎縮して競争を控えれば、消費者の負担が増す。

 「政治の力を感じる。値付けに慎重にならざるを得ない」。大手食品スーパーの首脳は、国税当局の動きに神経をとがらせる。一方、日々の店頭をみれば「顧客の節約志向は強まっている」といい、簡単には値上げできない。

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