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渡辺 善忠(わたなべ・よしただ)

司法書士法人渡辺総合事務所代表

渡辺 善忠

1971年生まれ。2003年渡辺司法書士事務所開業、07年渡辺行政書士事務所開業。14年司法書士部門を法人化。相続問題を筆頭に過去の相談実績は2000件以上に及ぶ。公益社団法人成年後見リーガルサポート正会員、一般社団法人民事信託士協会認定民事信託士(第1期)、龍谷大学非常勤講師、京都商工会議所青年部会員、全国相続協会相続支援センター京都市支部会員。相続問題のプロフェッショナルとして活躍している。

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司法書士法人渡辺総合事務所

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

これでスッキリ!?みんなの相続

同居の次女と別居の長女、譲歩したのはどっち?

2017年1月24日(火)

 相続トラブルに発展しやすいパターンを事例を通して紹介するこのコラム。2回目の今回は、長男、長女ではなく、親思いの優しい「同居の次女」に、自宅や現金を含めなるべく多くの財産を残したい――こんな相続事例を見ていきたいと思います。

 兄弟姉妹が親と同居されているケースはよくあります。どのあたりがトラブルの原因だったのでしょうか? 住んでいる自宅マンションを処分することになるまでを見ていきます。

 3人の子を持つ中村家。2012年にお父さん(1929年生まれ)が亡くなり、その3年後の2015年にお母さん(1933年生まれ)も他界しました。相続人は、長男寛(1957年生まれ)、長女由美(1960年生まれ)、そして次女麻里(1965年生まれ)の3人です。

 次女の麻里は、親思いの優しいお嬢さんです。体が強くなく、パートには出ていますが独身でずっと親と同居をしていました。

 長男の寛は、結婚後独立した生計を維持しています。長男として親の面倒を見ることは当然のことと思っていましたが、次女の麻里が同居していたので、親のことはまかせっきりでした。麻里にはとても感謝し、同居しているマンションは次女に引き継がせるつもりでした。

あなたは現金や貴金属ももらっているでしょ

 そして、長女の由美。嫁いで実家とも疎遠になっていました。長女の由美からすると、次女の麻里が「親の面倒を見てくれている」のではなく、「親に面倒を見てもらっている」と思っていました。立場が変われば受け取り方が全く違う例です。

 お母さんの1周忌が終わり、相続の話になりました。

長男寛:「1周忌が終わって、そろそろおふくろの相続手続きをしようか。俺は、次女の麻里がずっと親父やおふくろの面倒をみてくれてきたので、遺産は基本的に麻里に渡してあげようと思う。

 マンションの名義は、親父が購入当初から親父と麻里名義(現在は、母と麻里名義。父の持ち分2分の1は相続登記が終わっている)になっているが、これも麻里に渡す考えがあったからだ。それで、みんないいな? 預金なんかは、3人で分けても良いと思うけど」

次女麻里:「うん。ありがとう。私は結婚もしていないし、私の後は相続する子供がいない。先には、甥っ子、姪っ子に私の遺産はいくことになると思うけど、このマンションでずっと住んでいるので、お兄さんの言ってくれたようにマンションの名義を私にしてくれたらうれしいわ」

長女由美:「ちょっと待って。みんな平等にわけなきゃいけないでしょ。お父さんもお母さんも、みんな平等に育ててくれたわ。そして、麻里はずっと親の世話になっているじゃない。住むところまで世話になって、年金なんかもあなたが使っていたんじゃない? 数年前にあったお母さんのネックレスもいまは無くなっているし。ほかにも私の分からないところでお金を使っていたんでしょ。そして、生命保険金の600万円。なんであなただけが600万円もらえるの?」

 残念ながらこんなやり取りになってしまったのです。

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