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永禮 弘之(ながれ・ひろゆき)

株式会社エレクセ・パートナーズ代表取締役

永禮 弘之

化学会社、外資系コンサルティング会社、衛星放送会社などを経験後、2008年に株式会社エレクセ・パートナーズを設立、現在に至る。
幅広い業界の180社以上の企業および官公庁に対し、13000人以上の経営者、経営幹部、若手リーダーの育成を支援。
ATD(世界最大規模の人材開発・組織開発の会員組織)日本支部理事、リーダーシップ開発委員会委員長。立教大学のリーダーシップ教育プログラム講師も務める。

◇主な著書
リーダーシップ開発の基本』(ATDグローバル・ベーシック・シリーズ翻訳版監修 ヒューマンバリュー) 2013
マネジャーになってしまったら読む本』(ダイヤモンド社) 2011
強い会社は社員が偉い』(日経BP) 2008

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ホワイト企業のつくり方

20代社員も子会社の社長にし、経営を任せる理由

2016年1月28日(木)

 「ホワイト企業」――。筆者らは新しい組織のあり方として、「ブラック企業」ならぬホワイト企業を提案している。ホワイト企業とは決して、福利厚生を重んじた社員に優しい会社という意味ではない。価値創造力を高めるため人材開発に力を入れ、イノベーション(ここでは「技術革新」ではなく「価値創造」を指す)に結びつける実力重視の会社だ。組織のイノベーション力を高めるには、価値創造を牽引する「クリエイティブ・キャピタル」を組織内で増やし、価値創造に向けた「創造的学習」を促すことがカギとなる。クリエイティブ・キャピタル(資産)とは、専門知識や技能を身につけ、顧客や社会にとって価値が高い仕事をする人のことを指す。

 クリエイティブ・キャピタルになろうとする社員を歓迎し支援する会社であれば、ポテンシャルの高い人材が続々と集まってくるだろう。一方で、人材を単なる必要経費(コスト)としか見なさず、人を使い捨てにするような企業からは、クリエイティブ・キャピタルは育たない。そんな企業はブラック企業と呼ばれても仕方があるまい。

 なぜ今、企業はホワイト企業を目指すべきなのか。どうすればホワイト企業になれるのか。そして個々人がクリエイティブ・キャピタルになるにはどうすればいいのか。筆者らは約2年をかけて取材と調査を繰り返し、経営者、事業家、現場で働くプロフェッショナルたちの声を盛り込みながら、書籍『ホワイト企業 創造的学習をする「個人」を育てる「組織」』(日経BP社)としてまとめ上げた。

 書籍ではページ数の都合もあり、一つひとつの事例を深掘りして書けなかった。そこで本連載では、書籍に登場した主要人物に再取材し、クリエイティブ・キャピタルに至る道、イノベーティブな組織のつくり方、ホワイト企業を支える人々の考え方など、詳細を迫っていくことにした。

 最終回である今回はサイバーエージェントの執行役員人事統括本部長の曽山 哲人氏に登場して頂いた。サイバーエージェントはこれまで様々な組織運営や独自の人事制度を取り入れてきた。その中でもユニークなのが「新規事業の立ち上げや子会社の経営を人材育成の場として活用している」ことだ。人材育成のため入社数年目、20代の社員にも、社長に据え子会社の経営を任せている。その大胆な発想と仕組みについては、他社も注目している。その狙いなどについて改めて伺った。

(聞き手 永禮弘之 瀬川明秀)

曽山 哲人
1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、20名程度だったサイバーエージェントに入社。インターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任。2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員制度「CA18」に選任され現職。
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人事の役割は言行不一致をなくすこと

永禮:人事統括本部では自分たちの仕事の役割、ミッションを定義しているそうですね。そのミッションが、昨年、変わったとか…。

曽山:ええ。これまで人事が掲げていたミッションが「コミュニケーション・エンジン」でした。それを昨年、「パフォーマンス・ドライバー」というスローガンも加えることにしました。

 そもそも、私が人事本部にきた2005年、人事としてのビジョンやミッションや役割を当時の幹部と話をする機会がありました。サイバーエージェント全体のビジョンは「21世紀を代表する会社を創る」です。我々、人事部としてもこの会社に合ったビジョンやミッションを突き詰めていこうと考えたのです。いろいろ議論する中で、人事の役割が明確になってきました。それが「コミュニケーション・エンジン」です。

 コミュニケーション・エンジンは「経営」と「現場」をつなぐという意味です。組織ではトップが言っていることと、実際に現場で起きていることにズレが生じる、言行不一致なことが多々起きます。ですから、こうした組織内の不一致をできる限りなくすこと、そのための仕組みを考えたり、風土づくりをしたりする担い手になることを人事の役割と決めました。

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