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神野 正史(じんの・まさふみ)

予備校世界史トップ講師

神野 正史

予備校世界史トップ講師、世界史ドットコム主宰、歴史エヴァンジェリスト。「スキンヘッド、サングラス、口髭」の風貌に、「黒スーツ、黒Yシャツ、金ネクタイ」という出で立ちで、「神野オリジナル扇子」を振るいながら講義する。誰にでも分かるように立体的に、世界の歴史を視覚化する真摯な講義は、毎年受講生から支持されている。近年はテレビや講演会でも活躍。著書の『世界史劇場』はシリーズで人気。『最強の成功哲学書 世界史』や『戦争と革命の世界史』、『[覇権」で読み解けば世界史がわかる 』、『現代を読み解くための「世界史」講義』なども好評発売中。

◇主な著書
現代を読み解くための「世界史」講義』(日経BP社) 2016年
「覇権」で読み解けば世界史がわかる』(祥伝社) 2016年
戦争と革命の世界史』(大和書房) 2016年

◇関連リンク
世界史ドットコム

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

神野正史の「人生を豊かにする世界史講座」

「知の解放」が歴史を動かす

2017年9月21日(木)

 人類の歴史を紐解いていくと、ときどき歴史が大きくうねることがあります。

 歴史が大きく動くその要因は様々ですが、そのひとつに「知の解放」があります。支配者側の都合でいえば、民衆が無知であればあるほど御しやすいため、洋の東西を問わず古今を問わず、支配者側は「知の独占」を望み、大衆をできるかぎり“無知の檻”に閉じ込め、それによって支配を円滑かつ盤石なものにしようとしたがります。

 しかし、「知の独占」をつづけたい支配者側と「知の解放」を求める庶民との間でしばしば衝突が起こることになりますが、このときかならず歴史が大きくうねることになるのです。

 現在、まさに世界は「知の解放」の只中にあり、歴史が大きく動こうとしています。今回はそのことについて歴史的に迫ってみたいと思います。

古代における「知の解放」

 人類史上唯一、地中海世界を統一することができた国は、後にも先にも古代ローマのみで、これ以外ひとつたりともありません。

 それほどの“偉業”を成し遂げた古代ローマですが、建国当初はイタリア半島の中ほどにポツンと生まれた小さな小さな都市国家にすぎませんでした。そんな“点”のような国が、なぜ人類史上唯一の「地中海帝国」を築きあげることができたのでしょうか。

紀元前6世紀頃から紀元3世紀頃まで、古代ローマの政治・経済の中心地だった「フォロ・ロマーノ」の遺跡。(写真:PIXTA)

 ローマが初めて共和政を打ち建てた当初、ローマは貴族(パトリキ)による「知の独占」状態にありました。当時はまだ「慣習法」であり、法体系が成文化されておらず、それは貴族だけに独占されていたのです。

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