• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「文春砲」では、やっぱり政治は動かない

津田大介×安部敏樹 特別対談1

  • 日経BP出版局

バックナンバー

2016年6月20日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「日本死ね!」――そんな極端な物言いをしなければ言葉が届かない、“週刊誌的”な状況の中で、社会を変えていくにはどうしたらいいのか。ジャーナリストである津田大介さんと、津田さんとは旧知の仲である社会起業家の安部敏樹さんに対談してもらいました。

今年の夏の参院選が迫ってきました。いろいろ争点はありますが、何と言っても選挙権年齢が「18歳以上」へと引き下げられることが大きい。各党とも若年層へのアピールを考えているようですが、これを機に本当に若い世代の政治参加が進むのか。今後の社会の変化を考えるうえでの重要なトピックです。

 政治情報サイト「ポリタス」を運営するジャーナリストの津田大介さんと、若者代表として、1987年生まれの社会起業家の安部敏樹さんに語らっていただきたいと思います。

安部:よろしくお願いします。

津田:安部さんがやっている「リディラバ」っていう団体は、ソーシャルベンチャー界隈ではとても有名ですけど、日経ビジネスオンラインの読者にとっては、あんまりなじみがないかもしれませんね。

安部:そうなんですよ。悔しいですけど(苦笑)。僕たちは社会問題の現場に行く「スタディツアー」というのをやっていて、2014年には「観光庁長官賞」(若者旅行を応援する取組表彰)を受賞しました。翌年には、観光立国推進閣僚会議で決まった「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」で、スタディツアーが政策として盛り込まれたんです。

津田大介さん(右)と安部敏樹さん(写真:鈴木愛子、以下同)

安部さんは、「KDDI∞Labo」や、「IVSローンチパッド」といった、通常のベンチャーが競う場でも、ソーシャルベンチャーでありながら優勝したり入賞したりしていますね。

安部:「社会起業なんて儲からないんでしょ」と言われて腹が立ったことがありまして。だったらビジネスとして成立することを証明してやろうと思って、そういったコンテストに出て、賞もたくさんいただきました。ソーシャルビジネスが、優秀な人を引き付けるような魅力的な仕事だということも示したかったんですよ。

津田:リディラバって、もともとは東大の学生団体から始まったんですよね。学内では伝説的な存在になっているし、僕も複数の大学で講義を持っているので大学生と話すことも多いんですが、社会への問題意識があったり、ちょっと変わった大学生はだいたいリディラバのこと知ってる印象があります。

安部:そういった活動もしつつ、4年前には、東大教養学部のゼミで教える側になって、それをまとめた本も昨年出版されました(『いつかリーダーになる君たちへ』)。そのゼミは、社会問題を解決するためのビジネスプランを学生にチームで作ってもらうという内容です。東大生って勉強はできるけど、チームで何かやるのは苦手。だから、体系的にチームビルディングを学んで、グループワークを通じて実践できるようなゼミにしました。

政治は「お金」と「電話」で動く?

本の話が出たところで、津田さんにおうかがいします。2012年に『ウェブで政治を動かす!』という本を出版されてから3年たちますが、最近のインターネットと政治の関わりをどう見ていますか?

津田:いやー、最近とみに思うのは、「政治は『ウェブ』じゃなくて、『お金』と『電話』で動いているなぁ」ということですね(笑)。

安部:(笑)。

一方で、「保育園落ちた、日本死ね!」という匿名ブログが国会を動かした例もあるのでは?

津田:もちろん、かつてと比べればずいぶん変わってきたなとは思います。匿名ブログで書かれたことが瞬間的に爆発して、国会で首相が「匿名である以上、本当のことなのか確認しようがない」と、問題の焦点がずれている答弁をしたためにさらに火がついて、国会前でのデモにもつながった。あれは数年前なら考えられなかった現象で、人々が政治的な主張を国会前デモというかたちで示すようになった背景には脱原発デモやSEALDsなどの存在があると思います。路上で声を挙げることのハードルが下がったんだろうと。

 とはいえ、保育園落ちたブログ騒動で残念だったことが二つあるんです。一つは政府がそれに反応して出した「待機児童解消緊急対策」の中身。小規模保育所の規制を緩和して、預かれる子供の数を増やしている。保育士の待遇改善に予算をつけるんじゃなくて、保育の「質」を下げる方向にいってしまった。骨抜きもいいところで、これではウェブで政治が動いたように見えて、実質的にはぜんぜん「動いて」いないわけですね。

安部:メディアだと政治家の言動につい目がいきがちだけど、予算がどこについているかを見れば、実態は一目瞭然ですからね。この10年間、「少子化対策」っていう言葉はどの政治家のマニフェストにも書かれていたけれども、あまり進展していないですよね。何にどれだけ予算がつけられたのかを見れば、政治家の本気度がわかりますよ。

 (※参考 内閣府の資料によると少子化対策関係予算は平成22年度ごろから3兆円台半ばであまり変わっていなかったが、ここ1~2年はようやく増加傾向にある)

コメント3件コメント/レビュー

2~3年くらい前までソーシャルメディアの力で社会を動かすっていうのを好意的に見ていられたけど、今はそうでもなくて、「ウェブは何かを『壊す力』はすごくあるんだけれども、一つひとつ積み上げて何かを作っていく継続性に欠ける」というのはそのとおりだと思います。
記事に出てくるサービスではありませんが、情報サイトや口コミサービスも運営側の恣意的な操作が疑われたり、便利だと思っていたツールが自分にとって価値のないものに変わってしまったことが多く、ネットはしょせん玉石混交とはいえ、ひどすぎないか?と感じます。
「社会問題をやっているやつはカッコいい」という言葉からはSEALDsみたいなのを連想してしまうわけですが、ああいう扇動のツールにウェブが使われるのは仕方がないのかもしれないけど、そこから距離を置きたい人もたくさんいて、結果的にウェブが社会問題に無関心な人を増やしているんじゃないかと思いました。(2016/12/02 11:24)

「著者に聞く」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

2~3年くらい前までソーシャルメディアの力で社会を動かすっていうのを好意的に見ていられたけど、今はそうでもなくて、「ウェブは何かを『壊す力』はすごくあるんだけれども、一つひとつ積み上げて何かを作っていく継続性に欠ける」というのはそのとおりだと思います。
記事に出てくるサービスではありませんが、情報サイトや口コミサービスも運営側の恣意的な操作が疑われたり、便利だと思っていたツールが自分にとって価値のないものに変わってしまったことが多く、ネットはしょせん玉石混交とはいえ、ひどすぎないか?と感じます。
「社会問題をやっているやつはカッコいい」という言葉からはSEALDsみたいなのを連想してしまうわけですが、ああいう扇動のツールにウェブが使われるのは仕方がないのかもしれないけど、そこから距離を置きたい人もたくさんいて、結果的にウェブが社会問題に無関心な人を増やしているんじゃないかと思いました。(2016/12/02 11:24)

「保育園落ちた、日本死ね!」ブログ騒動は、多分肝心のご当人は踏み台にされ救済されずに不満を鬱屈させたままだと思いますが、待機児童問題の深刻さの問題や民間保育士の給与水準の低さの問題を世間に知らしめたこと。保育の質の低下が懸念され始めている問題を表面化させたという意味では十分役にたってくれたと思いますし、お役所も保活調査を発表して当事者に危機感をシェアしてもらう活動を行い始めるなど、少しずつ変わり始めてはいます。
ただ、本当に情報を必要としている方に必要な情報が伝わってくれないのが一番の問題(だからぎりぎりになって暴れる人が出てくる)なんですね。
役人やおじさん世代は情報を提供する側に回り、その情報をわかりやすく加工して伝えていくことは若い世代が共感してくれる対談者のような方や、フローレンスの駒崎さんのように、この人からなら話を聞いてみようかなと思わせられる影響力のある方に役割分担して貰うのも一つのやり方だと思います。(2016/06/20 11:34)

ネット活用の話になるとなぜ若者しかターゲットにしないのか。ネットでネガティブなことを書いて、やりすぎたため逮捕されたニュースでは若者だけでなく40,50代の人も多いではないか。電車内でもスマホを見てるのは若者だけではなくあらゆる年代がスマホを持っている。(2016/06/20 09:38)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長