• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

気仙沼から歩き出す“エルメス”の道

『気仙沼ニッティング物語』著者、御手洗瑞子さんに聞く。

  • 柳瀬 博一

バックナンバー

2015年9月9日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2012年、東日本大震災の爪痕の残る東北・宮城県気仙沼市にひとつのベンチャーが生まれました。地元の女性たちを編み手に高品質のカーディガンやセーターをつくる「気仙沼ニッティング」。その社長が本書の著者、御手洗瑞子さんです。

 御手洗さんは、それまでブータン王国で首相フェローの立場で公務員職につき、同国の観光などの産業育成の仕事をしており、当日経ビジネスオンラインでも『ブータン公務員だより』を連載していました。

 それがなぜ、気仙沼で手編みニット事業なの? 
 その先に、何があるの?
 率直な疑問をぶつけてみました。

 (聞き手 柳瀬博一)

疑問その1 なぜブータンから気仙沼へ?

御手洗さんは、もともと米系コンサルティング会社から転身し、ブータン王国の首相フェローとして、2010年から2011年にかけて「ブータンの公務員」仕事をされていました。国の産業育成の仕事でしたよね。なぜ、ブータンから気仙沼へ?

御手洗:直接のきっかけは東日本大震災です。当時、私はブータン政府で公務員として働いていました。テレビやネットで震災の様子を見て、「日本人として、このあと、東北のために仕事すべきじゃないか」という思いが頭から離れなくなってしまって……。ブータンでの任期終了後、帰国してすぐに東北に向かいました。

東北の中でも気仙沼に向かったのはどうしてですか?

御手洗:私がこの街に惹かれた、というところが大きいですね。詳しくは本を読んでいただきたいのですが、ブータンと気仙沼って、ちょっと似ているところがあるんです。

ブータンと気仙沼が似てる?

御手洗:ええ。まず、人々の気質が似ている。自然とともに生きているせいか、どちらの人も胆力があります。相手の目を見据えて、自分の意見を言う。それでいて、オープンでからっとしている。外交的なんです。農耕民族というよりは狩猟採集民族的、というか。

グローバルな町、気仙沼

御手洗:さらにいうと、世界を見ている、世界とつながっている、という点も似ています。ブータンは中国とインドという大国に囲まれている、ということもありますし、気仙沼は遠洋漁業の港町ですから、「うちの船、いまケープタウン沖を航行して、スペイン沖に向かってるよ」なんて話が日常会話に出てくる。外国人船員も港にいるし。気仙沼の人、感覚がグローバルなんです。

気仙沼、なんとグローバルな場所なんですね。

御手洗:東北人、というと無口なイメージがありますが、気仙沼の人に関しては全然違います(笑)。それから、私がブータンで取り組んでいた産業育成と、現在の気仙沼ニッティングは、本質的にはほとんど同じ仕事なんです。両方とも、地域の人たちが自立して暮らしていけるように、仕事を生み産業を育てるというものです。ブータンにいたときは政府で、気仙沼では会社でやっていますが、それぞれの状況で、一番役に立てそうな立ち位置についているつもりです。

 そういえば、ブータンでは主に観光産業の育成を担当していたのですが、気仙沼ニッティングも「観光」的な側面を持っているんですよ。

セーターの会社が、観光?

御手洗:よくセーターやカーディガンを注文したお客さんから「気仙沼にひとり親戚ができたみたいです」と言われます。自分のためにセーターを編んでくれる人がいて、ほつれたら相談もできる。「そうだ、夏休みに気仙沼に遊びに行こうか」なんて気軽に出かけ、自分のセーターを編んでくれた人に会うこともできる。手編みのニットが、お客さんと気仙沼をむすびつけてくれるんです。

 うちのセーターは、一着一着誰が編んだかわかるようになっていますし、オーダーメイドの商品だと編み手からお手紙も出します。単なる物の売買の関係を超えて、人と人がつながっていくんです。

気仙沼ニッティングの最初の商品。左は「カーディガンMM01」、右は2番目の商品「セーター エチュード」(写真:操上和美)

コメント1件コメント/レビュー

「事が成ることを重視する」、it's beautiful。(2015/09/09 12:25)

「著者に聞く」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「事が成ることを重視する」、it's beautiful。(2015/09/09 12:25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長