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人民を裏切っていたのは「建国の父」だった。

『毛沢東 日本軍と共謀した男』/『ヤンキー社長』

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2015年11月25日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

毛沢東 日本軍と共謀した男』 遠藤誉著、新潮新書
担当:新潮社 横手大輔

 この本を読むと、びっくりすると思います。同時に、毛沢東について完璧にイメージがつかめ、中国共産党の「歴史認識」の虚構がはっきりと分かるはずです。編集者の私が言うのも何ですが、「すごい本」です。

 ただ、企画を思いついたのは、ささやかな理由からでした。

 新潮新書の編集部では毎日、前日の教養新書の売り上げデータ(出版関係者なら誰でも見ている紀伊國屋さんの「パブライン」)をプリントアウトして、センターテーブルに置いているのですが、少し前にそれを眺めていると、個人名を冠した新書が手堅く売れているのに気付いたのです。具体的に言うと、中公新書の『スターリン』『田中角栄』といったタイトルです。

「これは恐らく、退職した団塊世代がビジネスの世界から切り離され、『昔の名前』に先祖返りしているからだろう。だとしたら、団塊世代にとっての『昔の名前』には鉱脈があるかも知れない」

 そんなことを考え、「誰が鉱脈か」を頭の中でころがして、真っ先に出てきたのが「毛沢東」だったのです。

 実際、平均的な日本人にとって、毛沢東は「どう理解すればいいか」が分かりにくい存在です。恐らくは人類の歴史上、もっとも多くの人間を(平時に!)殺した人物。それでいて(であるがゆえに?)、現代の中国では神のごとくあがめられている人物。政治家・革命家であり、同時に思想家・文人としても知られており、その思想に「かぶれた」人も数知れず。あまりにも巨大すぎて、善悪の判断すらつきにくい。だとしたら、その全体像を「日本人にとって知る価値のある範囲で」まとめられれば、よい新書になるかも知れない……。

 そう考えたのです。

体験の裏打ちがある筆者

 そして、毛沢東について書いてもらうと決めたら、著者としては遠藤誉さん以外考えられませんでした。

 遠藤さんは1941年に満州国新京(現・長春)に生まれ、国共内戦を決した「長春包囲戦」を経験されました(この時、ご兄弟を餓死でなくしています)。その後も中国にとどまり、53年に日本に帰国されるまで毛沢東時代の中国で過ごすという、「骨がらみ」の中国経験をお持ちです(その経験は『チャーズ 中国建国の残火』に詳述されています)。それもあって、中国を分析するときの深さが、他の中国研究者とは全く違うのです。

 たとえば、薄熙来事件を分析した『チャイナ・ジャッジ』(朝日新聞出版)では、薄熙来の妻・谷開来が英国人ビジネスマンを殺害した事件の理由として、表向きの「金をめぐるトラブル」とは全く違う、「ある誤解」の可能性を指摘しているのですが、この分析は遠藤さんのような経験をしていない人からは絶対に出てこないものです。

 また、『チャイナ・セブン 〈紅い皇帝〉習近平』では、習が人民解放軍の歌姫と再婚した理由の背後に「テレサ・テン」の存在があったのでは、という面白い指摘をしています。『中国人が選んだワースト中国人番付』(小学館新書)で描かれた劉志軍(中卒の労働者から50歳で鉄道大臣。その後、腐敗であげられ執行猶予付き死刑に)の物語も、バルザックの「人間喜劇」の実写版のようにドラマチックです。

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