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「我々はギークだ」ビール会社の企業憲章に驚き

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2016年10月11日(火)

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 不祥事からイメージを落とす企業が少なくない。どんなに取り繕っても不利な情報はSNSで拡散され、うわべだけのイメージ広告を打っても効果がなくなってきた。その一方で、世界中で急成長するクラフトビール会社BrewDog(ブリュードッグ)は、マス広告を一切使わずに、SNSだけで熱狂的なファンを獲得してきた。一体どのような方法をとってきたのだろうか?

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 英国のクラフトビール・ブームを牽引し、この4年間に英国で最も成長した食品・飲料メーカーでもあるクラフトビール会社BrewDog(ブリュードッグ)。日本でも六本木にオフィシャルバーがあり、着実にファンを増やしている。最近は日本のスーパーやコンビニでもBrewDogのビールが買えるようになってきた。

 BrewDogの急成長は、その過激なマーケティングとセットになって語られることが多い。古い業界団体や巨大ビールメーカーに喧嘩を売ってきたことで、「炎上マーケティングではないか?」と怪しまれることもあった。伝統的な広告媒体には背を向け、SNSを通じてファンに直接語りかけることを好むBrewDogだが、ファンは必ずしも「過激だから」という理由でこのクラフトビールを愛飲しているわけではないようだ。

 SNSの勃興期には、「テレビや新聞の広告なんてもう効果がないんだから、SNSでダイレクトにマーケティングしよう!」と、散々言われてきた。だが実際にSNSだけでファンを獲得し、ビジネスを回していくのは難しい。SNSでの口コミを期待しつつも、アプリのダウンロード数を伸ばすためにテレビCMを打つのはもはや王道だ。BrewDogはなぜ、SNSだけでうまくいっているのだろうか。

悪魔は細部に宿る

 SNSで50万回以上シェアされたBrewDogの「ビアマット」がある。グラスの下に敷かれるビアマットは通常、せいぜいロゴマークやキャッチコピーが描かれている程度だが、BrewDogは自分たちの理念や世界観を伝えるために使った。ビール好きが思わずニヤリとするようなメッセージを入れたのだ。それもかなり「お行儀の悪い」言葉で。

聞いてくれ、そこのパンクさん! ビアマットとして生きるってのは、けっこうキツいんだ。グラスの底でぺちゃんこにされたり、ジプシーみたいにあちこちの席を移動させられたりね。見た目は死ぬほどクールだけど、実際のところ俺のほうが今にも死にそうさ。美しい幻なのさ。

だから、もしあんたが俺をぺちゃんこにしたり、びしょ濡れにしたり、ゴミ箱送りにしたりするならさ、せめてもの情けってやつでさ、BrewDogのうまいビールでやってくれないか? 俺はクラフトビール革命のためなら喜んで犠牲になるよ。さあ、そのビールをぐいっといけよ、ちきしょうめ。(日本語訳:『ビジネス・フォー・パンクス』より)

 BrewDogの創業者であり、『ビジネス・フォー・パンクス』という著書を出したジェームズ・ワットは、「すべてがマーケティングになる」と説く。顧客はどんな小さなことも見逃さないから、細部にこだわれば大きな違いが生まれる。しかも、感情に訴えることが肝心だ。ファクトだとかロジックというものにどんなに説得力があっても、人が腹を決めるときには感情に従うからだ。

 今の消費者は、既存のブランドを押し付けられるよりも、自分でブランドを見つけ出すことのほうが好きだ。そうして見つけたブランドに愛着を感じ、大切にし、友人にしつこく薦めて自分が“広告塔”になる。

 「すべてがマーケティングになる」というのは、文字通り企業のすべての活動がPRの機会になるという意味だ。BrewDogは毎年、ユニークな場所で経営会議を開く。2015年には北極圏のフィヨルドで会議を開き、シャチと素潜りまでした。この会議の様子は新聞3紙で取り上げられたという。また、請求書に以下のような追伸を付けたこともある。2人と犬1匹で創業したBrewDogならではだ。

どうか期日通りにお支払いを。犬にエサがやれなくなってしまいます。これが冗談ならどんなにいいでしょうか。もし期日通りに支払う気がないようでしたら、せめて犬用ビスケットを以下にお送りください。
ブリュードッグ社 スコットランド、エロン町バルマキャシー

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