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「信仰」って、ライフスタイルのことかもしれない

『超・反知性主義入門』刊行記念企画、その2

  • 日経ビジネス編集部

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2015年9月24日(木)

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 名門校に入って「勉強が出来ない自分」に落ち込んだ小田嶋さん、受験や社会の仕組み全般に反感を覚え「思い出したくない暗黒時代」と高校時代を振り返る森本あんり先生。こんなお二人が、コラムニストになり、あるいはキリスト教に出会い、そして、「既存の権威と結びついた知性」に牙をむく(あるいは、遠くから石を投げる)、本当の意味での「反知性主義者」になったのは、いつの頃、どんなきっかけからだったのでしょうか。

 高校時代を「思い出したくない」とまで、森本先生は言っておられます。

小田嶋:でも確かあんりは高校3年のときに、産経新聞の懸賞論文で金賞だかを取って、副賞でアメリカに行ったんだよね。それは結構、同年代の我々には大きな驚きで。

「そういう方向から来たか」という。

小田嶋:そう。してやられた感じだよね。

してやられた感満載ですよね。

森本:だってその募集があったのが3年生の12月ですよ。皆さん一生懸命、受験勉強をしているわけ。僕は受験を投げていたから、そういう余裕もあった。だからあれを書いて応募して受賞もできた。卒業式も出なかったんです。3月はこれでアメリカに行っていて。

うわあ、ますますかっこいいですね。何を書かれたんですか。

今月発売、『超・反知性主義入門』。10月2日には、小田嶋さんと森本先生のトークライブも開催します。森本先生の「反知性主義」の“授業”付き! こちらからどうぞ。

森本:産経新聞に、「君は日本を知っているか」とか何とか、いかにも彼らが「高校生に書かせたい」ような題で。それで僕は「産経新聞だから右寄りのことを書けばいいんだろう」と。

小田嶋:当時あんりは、まさにその通りのことを言っていたのよ。「お前すごいじゃないか、どうやったんだ」と聞いたら、「いや、産経新聞はどっちみち右側だから、高校生がそういうことを書けば喜ぶだろうと思って書いたら、まんまと」って。

大人社会を手玉に取ってますね。

小田嶋:ああ、いけずうずうしくもと思ったけど(笑)。それでも狙ってそれができるというのはなかなかね。

なぜ森本先生はキリスト教を選んだのか

森本:反対側では、同じ僕が「朝日ジャーナル」に投稿して、左的なことを書いていたわけ。同じ人が正反対のことを書いても、それぞれちゃんと評価されちゃうんだな、と。

小田嶋:だからちゃんと、「反知性主義者」的な、既存の知性を疑う素地はあったんだよね。今、考えてみればね。

そんな、ニヒルでシニカルな方が、大学時代にキリスト教と出会って入信され、現在は国際基督教大学の学務副学長かつ大学付きの牧師、ということに。

森本:いや、両方はできないよ。牧師はもう15年くらい前にやめちゃって、その後はずっと一教員でした。副学長になったのは4年前。

小田嶋:あんりがキリスト教の道を選んだのは、熱心に共産党活動をいまもなさっているというおやじさん(前回参照)への反抗とかがきっかけ…ってわけじゃないんだよね?

森本:ないない(笑)。最初に教会に行ったのも、高校2年の、たしかあれはI組じゃないかな。かわいい女の子がいて、Nさんというんですけど、知りません?  眼鏡掛けていた女の子。

小田嶋:知らないな。I組じゃないですね。I組にNさんという子はいないから。

森本:とにかくその子が、「教会に行ってみませんか」と。あ、そうですか、じゃあ、行きますと、やっぱり付いていっちゃうわけだ、男子高校生は。

それがきっかけに?

森本:いえいえ、残念ながら一緒に行って、そのときはそれっきりでした。やっぱり当時のぼくは何と言ってもマルクスでしたから、「民衆のアヘン」の実態ってどんなものだろう、っていう興味ばっかり。

小田嶋:懸賞論文の件もあって、実は俺、「あんりはきっとアメリカに行きたくて、ICUを選んだんだろう」と思ってた。

「ひねくれ者にぴったりの大学があるぞ」

森本:違う違う。ICUがキリスト教系だからとか、英語系だからとか、そんな理由で行ったわけじゃ全然ないの。担任の新(あたらし)先生が、僕を階段の踊り場のところで捕まえて、「お前、大学行かないと言っているらしいけど、お前みたいなひねくれ者にぴったりな大学があるぞ」と言ってくれて、「入試は受験勉強をしなくていい大学だから、受験勉強の代わりに好きなだけ本を読んで、受けておけ」と言われて。

それで受かっちゃったんですか。

小田嶋:そうだったのか。

森本:うん。それでICUに入ったら入ったで、周りの学生が何かもうチャラチャラ英語なんかしゃべっちゃってさ、部活も「テニス部で~す」みたいに賑やかで、そういうの僕、一番嫌いだったわけ。高校のときからね。「こいつら何が楽しくて生きているんだ」と、すごく違和感があった。ましてやアメリカに行くとか、英語をしゃべるとか、そんなことを全然やりたいと思わなかった。

森本 あんり(もりもと・あんり)

1956年神奈川県生まれ。国際基督教大学、東京神学大学を経て、プリンストン神学大学博士課程修了。現在国際基督教大学人文科学科(哲学宗教学)教授・学務副学長。プリンストンやバークレーで客員教授。主な著書に『ジョナサン・エドワーズ研究』『アジア神学講義』『アメリカ・キリスト教史』『アメリカ的理念の身体』など。

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