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スーパー売り場にヒントを得たトヨタ生産方式

サービス業は、よりサービス業らしく

2016年2月3日(水)

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日本経済にとって喫緊の課題であるサービス業の生産性向上。この分野で長く研究を続ける内藤耕氏が、その考え方と進め方を分かりやすく解説します。連載最終回は、正しい進め方についてです。

前回は「作業時間と労働時間は違う」というお話でした。サービス業は、お客さんにサービスを提供してナンボなので、やみくもに作業時間の短縮を進めるのは意味がないということでしたね。

内藤:ある会社では、23人の従業員で300人のお客さんにサービスを提供した日があるかと思えば、客数は同じ300人なのに、従業員が38人も出勤している日がある。適切な人員配置ができていないんです。しかも、このような当たり前のことができていない会社に限って、例えば新聞を各部屋に配る時間を一分一秒でも短縮しようと努力している。

 先に効率化すべき部分が別にあるだけでなく、その効率化によって短くなった時間で何をするのかを考えないと、結局のところ手待ち時間を増やしてしまうだけです。ピントがずれているんです。

「できる」「できない」の二項対立は不毛

ただ、飲食店のように事前に客数を予測しにくい業種では、客数に応じた勤務シフトを組むのは難しい。

内藤:そんなことはありませんよ。現状では多くのサービス業が、平日と週末の2パターンだけで勤務シフトを組んでいます。お客さんではなく、カレンダーを見てシフトを組んでいるんです。生産性向上の余地は山ほどあります。

 客数が少ない日は、従業員にいつもより15分早く帰ってもらうように心掛けるだけでも、月の利益に随分差が出ます。そうした工夫を何もしていないのに、「サービス業では、生産性なんてそんな簡単には上がらない」「あなたは現場を知らないだけだ」などと言われると、違うでしょ、と思う。「できる」「できない」の二項対立の議論は不毛です。まずは、できるところからちょっとずつやってみる。そうすることで少しずつ、理想形に近づけばいいのです。

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「スーパー売り場にヒントを得たトヨタ生産方式」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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