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マイナス金利って全体では「行って来い」なんです。

マイナス金利って結局どういうこと? 後編

2016年3月4日(金)

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(前回はこちらから)

―― わたしの理解が遅くて「金融政策ABC」をゼロから聞かせていただく形になってしまいましたが、明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之さんにうかがいながら、ようやくマイナス金利の手前までたどり着きました。

飯田:前回までをご理解いただいたとして、もういちど最初に話を戻すと、僕はマイナス金利は「劇薬とか言われるけど、実はそんな大きな話じゃない。だから悪影響もないけれども、そこまで大きな影響もない」と思っているんです。長期金利は低下するでしょうが、それだけで劇的に消費や投資が増えるわけではない。

―― そうそう、そう仰ってました。

飯田:そもそも、ゼロ金利、マイナス金利の“舞台”って、日銀の「当座預金口座」ですからねえ。

―― はい? なぜ「当座預金ですからねえ」なんでしょう?

飯田:だって市中銀行の当座預金は普通、金利なんてつかないでしょう。

―― あ、そうか。「事業者が小切手とか手形の決済のために設定する、“無利息”の口座」ですから、ゼロ金利は「当たり前」か。

飯田:そう、当座預金口座に金利が付いていた方が異常事態だった、というのが僕の理解です。

―― 前編のコメント欄にも「じゃあ、なぜ今まで金利が付いていたのか?」という趣旨のご質問がありました。

飯田:2008年のリーマンショックの中で銀行の業績が急激に悪化するのを避けるために、ごくわずかではあるが付利をしてあげましょう、具体的には、「2008年10月から法定準備預金額を越える分に0.1%の金利を付けてあげましょう」というふうに始まったんですね。

―― それは緊急避難対策で、その正常化がゼロ金利。

飯田:そもそも、「金利が付かないからほかに貸し出そう」と考えてもらうために国債を買い入れているというのに、それに金利を付けるっておかしな制度ですよね。

220兆円対10兆円

飯田:これは廃止すべきだという議論はずっとあったんです。ところが、昨年の時点で超過準備の残高は200兆円。金利が0.1%ですから、だいたい毎年2000億円近くを銀行に金利として付けますという制度になっていた。銀行もそれを前提にいろいろな財務計画を組んでいる。すると、これを急にゼロにするというのはちょっとできない。もらえるはずだった2000億円が来ないとなると、資金計画は大混乱でしょう。そして、もともと「0.1%金利がつく」と思うから、各行は多少安くても国債を手放していたわけで、「約束が違う!」といわれてもしかたない。

―― その先にマイナス金利があるわけですか。

飯田:そうです。もうご存じかもしれませんが、今回のマイナス金利は日銀当座預金全体にかかるわけではありません。階層型、段階型の金利構造になる。まずは所要準備分については今までもこれからも金利は0です()。そして、昨年の超過準備額の平均額を「基礎残高」として、これに対しては0.1%の金利が継続されます。そして、所要準備と基礎残高以上の超過準備について、マイナス0.1%の金利が2月16日から適用されるわけです。

※正確には所要準備額、日銀がゼロ金利で銀行に貸し出す「貸出支援基金」と「被災地金融機関支援オペ」と日銀が適宜加算する金額をマクロ加算残高と呼んでゼロ金利を適用する。

―― それぞれの規模はどのくらいなのでしょう。

飯田:所要準備分が約9兆円、昨年の超過準備の平均額(基礎残高)が220兆円くらい。そして、それを超過する、マイナス金利適用分は2月3日の日銀の試算によれば10兆円程度ですね。

―― ん? そもそも、銀行が増えたお金を日銀の当座預金口座に預けなければいいだけの話では?

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